履歴書は「楽天」で買ってもOK？ 転職での正しい選び方とネット活用の注意点

転職活動を始めるにあたり、履歴書は必須のアイテムです。その準備のために、「楽天市場」のような大手ECサイトで履歴書用紙を探す方も少なくありません。

「楽天で買った履歴書を使っても、選考に影響しないだろうか？」

「種類が多すぎて、どれを選べばいいか分からない」

こうした疑問は当然のことです。ここでは、楽天市場などで履歴書を入手する際の正しい選び方と、現代の転職活動（中途採用）における履歴書準備の「スタンダード」について詳しく解説します。

1. 【最重要】「楽天」で買った履歴書が、選考で不利になることは“ない”

まず、最大の疑問にお答えします。

履歴書用紙を「楽天市場」で買おうと、「100円ショップ」で買おうと、あるいは「近所の文房具店」で買おうと、その「購入場所」や「値段」が、書類選考の合否に影響することは一切ありません。

採用担当者が重視しているのは、履歴書用紙のブランドや価格ではなく、以下の二点です。

1. その「中身」→ あなたの「職務経歴」「スキル」、そして「なぜ自社で働きたいのか」という「志望動機」や「熱意」。
2. その「丁寧さ」→ 「誤字脱字」や「抜け字」がないか。丁寧な文字（手書きの場合）か。証明写真は適切か。

楽天市場で便利なセット（封筒付きなど）を購入すること自体は、効率的な準備方法の一つであり、何ら問題ありません。

2. 値段よりも重要。転職活動で「選ぶべき」履歴書用紙の基準

楽天市場などで履歴書用紙を「購入」する場合、値段ではなく、以下の2つの「基準」で選ぶことが非常に重要です。

基準1：サイズは「A4」を選ぶ（B5は非推奨）

市販の履歴書には「B5サイズ」（一般的なノートの大きさ）も多くあります。

しかし、転職活動（中途採用）では、履歴書とセットで「職務経歴書」の提出が必須です。この職務経歴書は、ビジネス文書の標準である**「A4サイズ」**で作成するのが一般的です。

応募書類全てのサイズを「A4」で統一することは、採用担当者が書類を管理しやすくするための「配慮」であり、これが現在の転職活動における「標準的なマナー」です。

したがって、**履歴書も「A4サイズ」**のものを選ぶことを強く推奨します。

基準2：様式は「転職者（中途採用）向け」を選ぶ

履歴書には、アルバイト・パート用（シフトの希望欄が大きい）など、様々な様式があります。

転職活動（中途採用）では、**「職歴」欄や「自己PR」「志望動機」の欄が広く設けられている、「転職者用」**のフォーマットを選びましょう。

3. 「楽天で買う（手書き）」より「ネットで無料ダウンロード（PC作成）」が今の主流

楽天市場で履歴書用紙を「購入」するのは、主に「手書き」で作成する場合です。

しかし、現代の転職活動（中途採用）においては、手書きよりも「パソコン（PC）」で作成する方が主流であり、合理的です。

なぜPC作成が推奨されるのか

• 読みやすい：採用担当者にとって、活字は誰でも読みやすいです。
• 修正が容易：一文字間違えただけで、最初から書き直す必要がありません。
• PCスキルの証明：体裁の整ったビジネス文書を作成できること自体が、基本的なPCスキルの証明になります。
• A4サイズで統一しやすい：職務経歴書と合わせてA4で作成・管理できます。

ネットでの「無料テンプレート」の活用

PCで作成する場合、履歴書用紙を購入する必要はありません。

インターネット上で「履歴書 テンプレート 無料」などと検索し、WordやExcel形式の雛形（ひながた）を無料ダウンロードして入力・作成するのが、最も効率的で一般的な方法です。（楽天グループの採用や、転職サイトでも、特定のフォーマットが指定されるより、応募者が準備した履歴書（PC作成）を受け付けるケースがほとんどです）

4. ネット活用（楽天含む）での「提出マナー」

履歴書をネット（PCやスマホ）で作成し、EメールやWebフォームから「ネット提出」する場合、絶対に守るべきマナーがあります。

1. 提出は「PDF形式」が絶対のルール

WordやExcelのファイル形式（.docx や .xlsx）のまま送付するのはマナー違反です。

採用担当者のPC環境によっては、レイアウトが崩れたり、文字化けしたりするリスクがあります。

必ず、**「PDF形式」**に変換（エクスポート、またはPDFとして保存）してから提出します。PDFは、環境に関わらず作成時のレイアウトのまま表示できる、ビジネス文書の標準形式です。

2. ファイル名にも配慮する

PDF化したデータのファイル名も重要です。「履歴書.pdf」や「名称未設定.pdf」では不親切です。

「履歴書（氏名）_20251107.pdf」「履歴書_山田太郎.pdf」

このように、「何の書類か」「誰の書類か」が一目で分かるファイル名に変更することが、社会人としての最後の配慮です。

3. 楽天市場の「レビュー」や「見本」の扱いに注意

楽天市場の商品ページにある「書き方見本（例文）」を参考にするのは良いですが、「志望動機」や「自己PR」をそのまま丸写しするのは厳禁です。

採用担当者は「使い回しの文章」をすぐに見抜きます。必ずご自身の言葉で、応募先企業に向けた内容を作成しましょう。

5. 結論。履歴書の入手先に「格差」はない。中身で勝負

履歴書を「楽天」で買おうと、コンビニで買おうと、ネットで無料ダウンロードしようと、その入手方法で選考の有利・不利が決まることは一切ありません。

採用担当者が重視しているのは、その「中身」と「丁寧さ（マナー）」です。

ただし、転職活動の「標準」は、「無料テンプレート（A4・転職者用）」をネットで入手し、「PCで作成（PDF化）」して提出する方法に移り変わっています。

ご自身の状況に合わせて、最も合理的で、かつ丁寧な準備ができる方法を選びましょう。

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人材会社で15年間、転職・中途採用市場における営業職・企画職・調査職の仕事を経験。
社団法人人材サービス産業協議会「転職賃金相場」研究会の元メンバー
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