履歴書の「ペーパードライバー」。免許欄に書いて良い? 正しい書き方と注意点
転職(中途採用)と「ペーパードライバー」の悩み
転職活動で履歴書を作成する際、「普通自動車免許」は持っているものの、長期間運転しておらず、いわゆる「ペーパードライバー」である場合、その事実をどう書けばよいか悩む方は少なくありません。
「そもそも、履歴書の『免許・資格』欄に書いても良いのだろうか?」
「書いた場合、運転できないことがバレて不利になるのでは?」
「もし書かなかったら、経歴詐称(けいれきさしょう)になる?」
こうした不安は当然のことです。採用担当者は、あなたの「スキル」と「誠実さ」の両方を見ています。
ここでは、採用担当者にマイナスの印象を与えず、あなたの状況を正しく誠実に伝えるための、ペーパードライバーの書き方について詳しく解説します。
「免許・資格」欄には、まず“事実”を書く
まず、履歴書の「免許・資格」欄の役割を理解する必要があります。この欄は、あなたの「現在の運転技能(スキル)」を問う場所ではなく、**「法的に許可されていること(免許)」**を記載する場所です。
あなたが「普通自動車第一種運転免許」を持っていること自体は、紛れもない「事実」であり、公的な資格です。
したがって、ペーパードライバーであったとしても、「免許・資格」欄には、免許証に記載されている通りの**「正式名称」**を、取得した日付と共に記載します。
(記載例)
〇〇年〇月 普通自動車第一種運転免許 取得
この欄に、「(ペーパードライバー)」や「(運転はできません)」といった補足(ほそく)を書き加える必要はありません。
なぜ「ペーパードライバー」であることを申告すべきか
では、「ペーパードライバーである」という「現在の技能レベル」に関する事実は、隠し通しても良いのでしょうか。
**答えは「NO」です。**特に、応募先の業務内容(例:営業職での外回り、機材の運搬、地方勤務で車通勤が必須など)に、少しでも「運転」が含まれる可能性がある場合、その事実を隠して入社すると、入社後に「運転ができない」ことが発覚し、重大なトラブルになります。
「できる」と期待されていた業務ができないことは、「経歴詐F称」に等しい、応募者と企業双方にとって不幸な事態を招きます。
【最重要】「ペーパードライバー」は、履歴書の“どこに”書くか
ここが最も重要なポイントです。「免許・資格」欄には「事実(免許取得)」を書きました。
「ペーパードライバーである」という、あなたの「現在の技能レベル」に関する重要な補足情報は、履歴書下部にある**「本人希望記入欄」または「特記事項」**欄に記載するのが、最も適切で誠実な方法です。
「免許・資格」欄に正式名称が書かれていることで、あなたは「ビジネスマナー(公的書類の書き方)を理解している」ことを示せます。
そして、「本人希望欄」で補足することで、あなたは「誠実な人物である」ことを示せます。
【ケース別】「本人希望欄」などへの具体的な書き方(例文)
応募する仕事の内容によって、伝え方のニュアンス(力点)が変わります。
ケース1:応募先の業務で「運転が不要」と明らかな場合(例:内勤の事務職など)
この場合、あえてペーパードライバーであることを申告する必要は、必ずしもありません。「免許・資格」欄に「普通自動車第一種運転免許 取得」と書くだけでも問題ありません。
もし申告する場合でも、以下のように簡潔で構いません。
(本人希望欄 例文)
「※普通自動車免許は所持しておりますが、ペーパードライバーです。」
ケース2:応募先の業務で「運転が必要」または「可能性」がある場合(例:営業職、施工管理など)
この場合は、正直に、かつ誠実に申告する義務があります。 これを隠してはいけません。
(本人希望欄 例文)
「普通自動車第一種運転免許を所持しておりますが、長期間運転していないため、現在はペーパードライバーです。
(※もし業務で運転が必要な場合は、事前にご相談させていただきたく存じます)」
(補足)現在、運転の練習をしている場合(前向きな姿勢のアピール)
もし、応募先で運転が必要であり、あなたが「これから練習する意思がある」場合、その「前向きな姿勢」をアピールすることも非常に有効です。
(本人希望欄 例文)
「普通自動車免許は所持しておりますが、現在はペーパードライバーです。
業務で必要となるため、現在、ペーパードライバー講習の受講(または、運転練習)を再開しております。」
結論。「ペーパードライバー」は、誠実な申告が鍵
履歴書において、「ペーパードライバー」であることを隠すのは、最もリスクが高い選択です。
「免許・資格」欄には「免許取得」という事実を正確に記載し、応募先の業務内容に応じて、「本人希望欄」で「現在の技能レベル(ペーパードライバーであること)」を誠実に補足する。
その「誠実さ」と「正確な情報開示」こそが、採用担当者との信頼関係を築き、書類選考を通過するための鍵となります。





