履歴書写真の「ネクタイ」。選考を左右する色・柄の選び方とマナー
履歴書写真で「ネクタイ」が重要な理由
履歴書に貼付する証明写真は、採用担当者があなたの「第一印象」を決める重要な要素です。文字情報だけでは伝わらない「人柄」や「清潔感」、「ビジネスパーソンとしての常識」が、この一枚の写真から判断されます。
その中でも、スーツスタイルの中心にある「ネクタイ」は、顔周りの印象を大きく左右します。ネクタイの色や柄、結び方一つで、あなたの熱意や誠実さが伝わることもあれば、逆に「TPOをわきまえていない」とマイナスの印象を与えてしまうこともあるのです。
まずは避けるべき「NG」なネクタイ
転職活動(中途採用)の履歴書写真において、以下のネクタイは避けるのが無難です。
- 派手すぎる色蛍光色、ビビッドなピンクや黄色、光沢が強すぎるシルバーやゴールドなど。
- 奇抜な柄大きなブランドロゴが目立つもの、キャラクターもの、ペイズリー柄などの派手な柄。
- カジュアルすぎる素材ニット素材やウール素材のネクタイ。
- 黒色・白色黒は「お葬式(弔事)」、白は「結婚式(慶事)」を連想させるため、ビジネス(証明写真)には不向きです。
- 汚れ・シワのあるもの論外です。清潔感が何よりも重要です。
転職で好印象を与えるネクタイの「色」と効果
ネクタイの色は、相手に与える心理的な印象が異なります。応募先の業界や、伝えたいご自身のイメージに合わせて選びましょう。
1. ブルー・ネイビー(青系)
与える印象:「誠実」「真面目」「知的」「清潔感」
最も定番で、失敗のない色です。業種・職種を問わず、採用担当者に「誠実さ」や「落ち着き」を伝えられます。特に、金融、公務員、メーカーなど、堅実さが求められる業界には最適です。「どの色にすべきか迷ったら、まずネイビー(濃紺)を選ぶ」と覚えておくと良いでしょう。
2. エンジ・ワインレッド(赤系)
与える印象:「情熱」「やる気」「積極性」「リーダーシップ」
青系とは対照的に、「情熱」や「積極性」をアピールしたい時に有効な色です。特に、営業職や企画職など、前に出る姿勢が求められる職種に応募する際には効果的です。ただし、真っ赤(朱色)のような明るすぎる赤は攻撃的に映る可能性があるため、落ち着いた「ワインレッド」や「エンジ色」を選ぶのがポイントです。
3. グレー(灰色系)
与える印象:「落ち着き」「知的」「協調性」「穏やか」
ネイビーと同様に、真面目で落ち着いた印象を与えますが、より「穏やか」で「協調性」のある雰囲気を演出できます。事務職や、チームワークを重視する職種などにも向いています。
4. イエロー(黄色系)
与える印象:「明るさ」「活発」「コミュニケーション能力」
ややカジュアルな印象にはなりますが、淡い黄色やクリーム色は、顔周りを明るく見せ、「コミュニケーション能力の高さ」や「親しみやすさ」を伝えるのに役立ちます。サービス業やIT・クリエイティブ系など、比較的自由な社風の企業に向いています。
好印象を与えるネクタイの「柄」
色と合わせて、柄も重要です。基本は「無地(ソリッド)」か「小さな柄」を選びます。
- 無地(ソリッド)最もフォーマルで、誠実な印象を与えます。スーツやシャツの色を選ばず、どんな場面でも使えます。迷ったら無地が一番安全です。
- ストライプ(レジメンタル)ビジネスシーンで定番の柄です。「知的さ」や「勤勉さ」を演出できます。ただし、ストライプの線が太すぎるものや、色が派手なものは避け、細めで落ち着いた配色のものを選びましょう。
- 小紋(こもん)小さなドット(水玉)や、小さな模様が規則正しく並んだ柄です。「落ち着き」や「上品さ」をアピールできます。柄が小さければ、無地に近い感覚で使えます。
ネクタイの「結び方」と「ディンプル」もチェック
ネクタイを選んでも、結び方がだらしなければ台無しです。
証明写真を撮る際は、結び目が緩んでいないか、左右対称になっているかを確認します。
結び目の下(ノット)に**「ディンプル」**と呼ばれる「くぼみ」を一つ、きれいに入れると、ネクタイ全体が立体的になり、より洗練された「こなれ感」や「品格」を演出できます。ディンプルは必須ではありませんが、余裕があれば意識してみると良いでしょう。
結論。ネクタイはあなたの「ビジネス姿勢」を示すもの
履歴書の写真で使うネクタイは、あなたの「個性」をアピールする場ではなく、**「清潔感」「誠実さ」「TPOをわきまえる常識」**といった、ビジネスパーソンとしての基礎姿勢を示すためのアイテムです。
応募先企業に「この人と一緒に働きたい」「信頼できそうだ」と感じてもらえるよう、派手さを避け、誠実さが伝わる一本を選びましょう。
「迷ったら、ネイビー(濃紺)の無地か、小さな柄」。これが転職活動における、ネクタイ選びの「最適解」と言えます。





