履歴書は何で書く? 手書きとPC、筆記具まで正しい「書き方」を解説
履歴書作成の最初の悩み。「何で書くか」
転職活動を始める際、履歴書を準備する必要がありますが、「何で書くか」という点で悩む方は少なくありません。
この「何で書くか」という疑問には、実は二つの意味が含まれています。
- 作成の「手段」:そもそも「手書き」で書くべきか、「パソコン(PC)」で作成すべきか?
- 筆記具の「道具」:もし手書きなら、「何(どのペン)」で書くのが正しいのか?
履歴書は、あなたの第一印象を決める公的な応募書類です。どちらの疑問も、ビジネスマナーとして非常に重要なポイントであり、採用担当者はあなたの「書類作成への姿勢」を見ています。
ここでは、転職(中途採用)における履歴書の「書き方」の基本ルールについて、手段と道具の両面から解説します。
1. 作成の「手段」:手書きとパソコン、どっちで書くべき?
まず、作成手段についてです。かつては「履歴書は手書きで熱意を伝えるもの」という風潮もありましたが、現代の転職活動(中途採用)においては、その常識は変わりつつあります。
結論:指定がなければ「パソコン作成」が主流で無難
現在、企業から「手書き指定」がない限り、履歴書は「パソコン(PC)」で作成するのが一般的であり、むしろ推奨される傾向にあります。
なぜパソコン作成が推奨されるのか
- 読みやすさ採用担当者は日々多くの書類に目を通します。パソコンの活字(フォント)は誰にとっても読みやすく、内容が瞬時に伝わります。
- 効率性と修正の容易さ転職活動では複数の企業に応募します。パソコンでデータ(マスター)を作っておけば、日付や志望動機を書き換えるだけで対応できます。手書きのように、一文字間違えただけで最初から書き直す必要がありません。
- PCスキルのアピールWordやExcelで体裁の整ったビジネス文書を作成できること自体が、「基本的なPCスキル」を持っていることの証明にもなります。
- 提出方法との親和性現在は、Eメールでのデータ送付や、Webフォームからのアップロードが主流です。パソコンで作成したデータ(PDFなど)の方が、提出がスムーズです。
「手書き」が求められるケース
もちろん、手書きが完全にNGというわけではありません。
募集要項に**「手書き指定」**がある場合は、必ずその指示に従う必要があります。企業側が、文字から人柄を見たい、あるいは応募の熱意(手間をかけるかどうか)を見たいと考えている可能性があります。
2. 筆記具の「道具」:手書きなら「何」で書く?
もし、企業からの指定やご自身の判断で「手書き」で履歴書を作成する場合、使用する「筆記具」には厳格なルールがあります。
正解:黒のボールペン(または万年筆)
履歴書を手書きで書く際の筆記具は、「黒色」の「油性」または「ゲルインク」のボールペンが基本です。万年筆もフォーマルな筆記具として認められていますが、現代ではボールペンが一般的です。
ボールペンの太さは、履歴書の記入欄の大きさに合わせ、**「0.5mm」または「0.7mm」**が、読みやすく、文字が潰(つぶ)れにくいため推奨されます。
絶対にNGな「筆記具」一覧
以下の筆記具で書かれた履歴書は、社会人としての常識を疑われ、それだけで選考対象から外される可能性があります。
- NG:消せるボールペン(フリクションペンなど)絶対にNGです。 摩擦や熱で文字が消えてしまう可能性があり、改ざんが容易なため、公的な応募書類には絶対に使用してはいけません。
- NG:鉛筆、シャープペンシル簡単に消せてしまうため、信頼性のない書類と見なされます。
- NG:水性ペン、サインペン文字がにじんだり、裏写りしたりする可能性があります。また、カジュアルな印象を与えます。
- NG:青や赤など、黒以外の色のペン履歴書は全て「黒色」で統一するのが鉄則です。
3. パソコン作成なら「何(ツール)」で書く?
パソコンで作成する場合は、以下のツール(ソフト)を使って作成するのが一般的です。
- Word(ワード)文章作成ソフトであり、志望動機などの長文入力やレイアウト調整がしやすいです。
- Excel(エクセル)セル(マス目)ごとに項目が分かれているため、入力はしやすいですが、印刷時のレイアウト調整に少しコツが要る場合があります。
- 履歴書作成ツール(Webサービス、アプリ)最近では、スマホやブラウザ上で入力していくだけで、体裁の整った履歴書(PDF)が完成する無料のツールも多くあります。
いずれの場合も、インターネット上で配布されている**「履歴書テンプレート(雛形)」**をダウンロードして利用するのが、最も効率的です。
結論:「何で書くか」は、あなたの「丁寧さ」と「配慮」の表れ
履歴書を「何で書くか」。その答えは、転職活動のシーンにおいては、以下のようになります。
- 手段:指定がなければ、読みやすさと効率性から**「パソコン作成」**が推奨されます。
- 道具:手書きを選ぶ場合は、**「消せない黒ボールペン(0.5〜0.7mm)」**一択です。
どちらの方法を選ぶにせよ、採用担当者という「読み手」のことを第一に考え、「読みやすい書類を、マナーを守って丁寧に準備する」という姿勢が何よりも重要です。その「配慮」こそが、あなたの信頼性を伝える最初の鍵となります。





