履歴書の「希望勤務期間」欄。転職活動での適切な書き方
履歴書を作成する際、様式によっては「希望勤務期間」という欄が設けられていることがあります。この項目は、アルバイトやパートタイム、あるいは有期の契約社員といった、勤務期間があらかじめ定められている雇用形態の募集で主に使用されるものです。そのため、正社員(無期雇用)を目指す転職活動においては、この欄の書き方に迷われる方も少なくありません。ここでは、転職活動における「希望勤務期間」欄の適切な記載方法について、状況別に解説いたします。
希望勤務期間欄の基本的な役割
まず、この欄が設けられている背景を理解することが重要です。企業側は、短期のアルバイトを募集しているのか、長期の契約社員を募集しているのか、その募集のニーズと応募者の希望が合致しているかを確認するために、この項目を設けています。したがって、応募する求人の雇用形態や募集内容を正しく理解し、それに沿った回答を記載することが基本となります。
正社員(無期雇用)に応募する場合の書き方
転職活動において、正社員(無期雇用)のポジションに応募する場合、勤務期間の定めは元々ありません。この場合、この欄に具体的な期間(「1年間」など)を記載するのは不適切です。空欄のまま提出しても大きな問題はありませんが、採用担当者に対し、ご自身の働く意欲をより明確に伝えるためには、「長期勤務を希望いたします」と記載することを強くおすすめします。
「長期勤務を希望」と記載するメリット
正社員(無期雇用)の採用において、企業側が最も重視する点の一つは、「採用した人材が、責任を持って長く自社で活躍してくれるか」という点です。転職活動においては、早期離職への懸念が常につきまといます。そこで、あえて「長期勤務を希望いたします」とご自身の言葉で明記することにより、その企業で腰を据えてキャリアを築いていきたいという、前向きで真摯な姿勢を採用担当者に示すことができます。これは、応募者の意欲を伝える上で、ささやかながらも有効なアピールとなります。
契約社員など有期雇用に応募する場合
もし応募するポジションが、あらかじめ「契約期間1年」や「6ヶ月更新」といった形で期間が定められている有期雇用の場合は、その募集内容に沿った記載をします。例えば、募集要項に記載されている期間(例:「1年間」)をそのまま記載するか、あるいは「貴社の規定に従います」と記載するのが最も無難で、柔軟な対応ができることを示すことができます。ご自身の希望(例:「最低2年間は勤務したい」など)があったとしても、まずは企業の募集条件を受け入れる姿勢を見せることが重要です。
本人希望記入欄で補足する場合
使用する履歴書の様式に「希望勤務期間」という専用の欄がなく、「本人希望記入欄」などのフリースペースしかない場合でも、正社員応募の際には同様に「長期勤務を希望いたします」と一言書き添えておくと、ご自身の入社意欲を補強する材料となります。本人希望欄は、給与や勤務地といった条件交渉のためだけではなく、こうした前向きな意思を伝えるためにも活用できるのです。
まとめ。意欲と柔軟性を示す項目
履歴書の「希望勤務期間」欄は、特に正社員を目指す転職活動においては、ご自身の「長く貢献したい」という意欲を示すためのアピール欄として活用できます。空欄にしたり、「特になし」と書いたりするのではなく、「長期勤務を希望いたします」と記載することで、採用担当者に安心感とポジティブな印象を与えましょう。有期雇用の場合は、募集内容を正しく理解し、「貴社の規定に従います」といった形で、ご自身の柔軟性を示すことが賢明な書き方と言えます。





