履歴書の正しい封筒への入れ方。郵送・手渡しの基本マナー
転職活動において、応募書類である履歴書や職務経歴書は、ご自身をアピールするための重要なツールです。その内容が最も大切なのは言うまでもありませんが、書類を「どのように封筒に入れるか」という最後のステップも、採用担当者に与える印象を左右するビジネスマナーの一つです。ここでは、履歴書を封筒に入れる際の基本的なルールや、郵送・手渡しそれぞれの注意点について詳しく解説いたします。
応募書類は折らずに入れるのが大前提
まず、履歴書や職務経歴書といった応募書類は、原則として「折らずに」提出するのが現代のビジネスマナーです。採用担当者は受け取った書類をコピーしたり、ファイリングしたりします。その際、折り目がついていると読みにくく、管理もしにくいためです。折らずに入れるためには、書類のサイズに合った封筒を準備する必要があります。一般的に履歴書や職務経歴書はA4サイズで作成することが多いため、それらがそのまま入る「角形A4号(角A4)」または「角形2号」の封筒を選びましょう。
やむを得ず折る場合の三つ折りマナー
市販の履歴書セットにあらかじめ付属している「長形3号」などの細長い封筒を使用する場合、書類を折らざるを得ません。その場合は、「三つ折り」が基本です。まず、履歴書の顔写真が貼られている面を内側にして、下から3分の1を折り上げます。次に、上から残りの3分の1をかぶせるように折ります。これは、採用担当者が開いたときに、まず顔写真と氏名が目に入るようにするための配慮です。ただし、これはあくまでやむを得ない場合の対処法であり、転職活動ではA4サイズで折らずに提出するのが最も推奨されます。
封筒に入れる書類の正しい順番
応募書類が複数枚にわたる場合、封筒に入れる順番にもマナーがあります。採用担当者が受け取ってから読みやすいように、順番を整えて重ねることが大切です。郵送の場合、一番上が「送付状(添え状)」、次に「履歴書」、その次に「職務経歴書」、そして「その他の応募書類(推薦状など)」の順に重ねます。手渡しで送付状が不要な場合は、履歴書が一番上になります。
クリアファイルの使用を強く推奨
重ねた応募書類は、そのまま封筒に入れるのではなく、必ず「クリアファイル」に挟んでから入れましょう。これは、配送中の雨濡れや、折れ曲がり、汚れなどから大切な書類を守るための非常に重要な配慮です。使用するクリアファイルは、無色透明で、柄やロゴが入っていない新品のものを選んでください。上記で整えた順番のまま、書類一式をクリアファイルに挟みます。
封筒への入れ方。書類の向きが重要
クリアファイルに挟んだ書類を封筒に入れます。この時、書類の「向き」に注意が必要です。封筒の表側(宛名を書く面)と、中に入れる書類の表側(送付状や履歴書の顔写真がある面)の向きを揃えて入れます。こうすることで、採用担当者が封筒を開けて書類を取り出した際に、すぐに正しい向きで読み始めることができます。こうした細やかな配慮が、相手への敬意として伝わります。
封筒の閉じ方と「〆」マーク
書類を入れ終わったら、封筒を閉じます。この際、セロハンテープやホッチキスは使用しないでください。必ず「のり」(スティックのり、テープのり、液体のりなど)を使って、はがれないようにしっかりと封をします。液体のりを使用する場合は、つけすぎて封筒が汚れないよう注意が必要です。そして、封をした中央部分には、黒いペンで「〆(しめ)」マークを書きます。これは「確かに封をしました」という印であり、途中で誰かに開封されていないことを示すためのビジネスマナーです。
手渡しの場合の封筒の扱い
履歴書を手渡しする場合も、折れや汚れを防ぐために封筒に入れて持参します。ただし、郵送と異なる点が一つあります。それは、「封筒の封をしない(のり付けしない)」ことです。採用担当者がその場ですぐに中身を取り出して確認することが想定されるためです。封筒の表面には宛名は書かず、左下に「応募書類在中」と朱書きし、裏面にご自身の住所と氏名を記載しておきましょう。
まとめ。丁寧な「入れ方」が評価につながる
履歴書の入れ方という作業は、転職活動の最後の仕上げです。書類の内容はもちろんのこと、その提出方法に至るまで、応募者の人柄や仕事に対する姿勢が表れます。採用担当者への配慮を忘れず、丁寧な準備を心がけることが、書類選考を通過し、良い結果につながる第一歩となるのです。





