履歴書の「現在に至る」。在職中の正しい書き方と「以上」の使い方
転職活動で履歴書の「職歴」欄を作成する際、「現在もその会社で働いている(在職中である)」ことを、どう書けばよいか悩む方は少なくありません。その際に使うのが「現在に至る(げんざいにいたる)」という決まった言葉です。
この記載は、採用担当者が「応募者が今、どのような状況か」「いつから入社可能か」を判断するための、非常に重要な情報となります。
ここでは、採用担当者にあなたの状況を正しく伝えるための、「現在に至る」の正しい書き方とルールについて詳しく解説します。
1. 履歴書で「現在に至る」を使う「タイミング」とは?
「現在に至る」という言葉を使うのは、**履歴書を提出する時点(または記入日時点)で、その職歴の会社にまだ在籍している(=在職中である)**場合です。
正社員だけでなく、契約社員、派遣社員、アルバイト・パートであっても、現在もその雇用契約が継続中であれば、この言葉を使います。
逆に、すでに退職している(無職期間である)場合は、この言葉は絶対に使用しません。
2. 【最重要】職歴欄への「現在に至る」の正しい書き方
「現在に至る」には、職歴欄の「締めくくり方」として、セットで使われる言葉があります。
まず、職歴欄の最後の経歴(入社や配属、昇格など)を記載します。
(例)
2020年 4月 株式会社〇〇 入社
営業部に配属(〇〇業務に従事)
その**「次の行」に、「現在に至る」**と左寄せで記載します。
そして、**さらにその「次の行」に、職歴がここで終わりであることを示す「以上」という言葉を、「右寄せ」**で記載します。
職歴欄の記載例(在職中の場合)
(学歴)
((学歴を記載))
(職歴)
2020年 4月 株式会社〇〇 入社
(〇〇業務に従事)
現在に至る
以上
3. 多くの人が間違う「以上」の抜け漏れ
履歴書の書き方でよくある間違いとして、「現在に至る」と書いただけで、最後の「以上」を書き忘れてしまうケースがあります。
職歴欄は、「現在に至る」で終わった場合でも、あるいは次に解説する「退社」で終わった場合でも、必ず最後に「以上」と記載して締めくくるのが、ビジネスマナーとしての正しいルールです。
「以上」は、「私の職歴は、ここで終わりです」という区切りを明確に示すための記号です。
4. 【応用編】すでに「退職予定日」が決まっている場合の書き方
在職中ではあるものの、すでに現在の勤務先に退職の意思を伝えており、「最終出社日」や「退職日」が確定している場合もあるでしょう。
これは、採用担当者にとって「いつから入社可能か」が明確になる、非常に重要な情報です。
その場合は、「現在に至る」の横に()書きで、確定した退職予定日を併記するのが、最も親切な書き方です。
職歴欄の記載例(退職予定日が確定している場合)
(学歴)
((学歴を記載))
(職歴)
2020年 4月 株式会社〇〇 入社
現在に至る(2025年12月31日 退職予定)
以上
5. (比較)「退職済み(無職期間)」の場合の書き方
もし、すでにその会社を退職している場合は、「現在に至る」は絶対に使用しません。
その場合は、退職した年月と「退職理由」を記載し、次の行の右端に「以上」と書きます。
職歴欄の記載例(退職済みの場合)
(学歴)
((学歴を記載))
(職歴)
2020年 4月 株式会社〇〇 入社
2025年 10月 一身上の都合により退社
以上
6. 結論。「現在に至る」は、あなたの「今」を伝える重要ワード
履歴書における「現在に至る」は、あなたが「在職中」であることを示す重要なキーワードです。
採用担当者にあなたの状況を正しく、かつ誠実に伝えるためにも、
- 在職中なら → 「現在に至る」 + 「以上」
- 在職中で退職日確定なら → 「現在に至る(〇〇年〇月〇日 退職予定)」 + 「以上」
- 退職済みなら → 「退社理由」 + 「以上」
この基本ルールを徹底することが、書類選考を通過する履歴書作成の鍵となります。





