履歴書の「合格」と「取得」。免許・資格欄の正しい書き分けマナー
履歴書の「免許・資格」欄。言葉選びの重要性
履歴書の「免許・資格」欄を記載する際、「合格」と「取得」のどちらの言葉を使うべきか、迷った経験を持つ方は少なくありません。「英検は合格?」「運転免許は取得?」この小さな言葉の違いですが、履歴書は公的な応募書類です。採用担当者は、こうした細かな部分からも、応募者の「ビジネスマナーへの理解度」や「仕事の正確性」を見ています。
「合格」と「取得」の基本的な使い分け
この二つの言葉は、その資格の「性質」によって明確に使い分けられます。
「合格(ごうかく)」は、主に「試験」そのものに合格したことを示す場合に使います。
一方、「取得(しゅとく)」は、免許証や認定証などが「交付(こうふ)」され、その資格を「手に入れた(保有した)」ことを示す場合に使います。
「合格」と記載する主な資格
「合格」と記載するのは、主に「検定試験(テスト)」に合格することで効力を発する資格です。これらは、特定の知識レベルに達したことを証明するものです。
(例)「日本商工会議所簿記検定試験2級 合格」
(例)「実用英語技能検定 準1級 合格」
(例)「宅地建物取引士資格試験 合格」
(例)「秘書技能検定2級 合格」
(例)「基本情報技術者試験 合格」
「取得」と記載する主な資格
「取得」と記載するのは、主に免許証や免許状が「交付」されるものや、特定のスキルを「習得」したことを示すものです。
(例)「普通自動車第一種運転免許 取得」
(S例)「薬剤師免許 取得」
(例)「保育士資格 取得」
(例)「TOEIC公開テスト 800点 取得」
(※TOEICは試験ですが、「合格・不合格」ではなく「スコア」を「取得」するため、「取得」を使うのが一般的です)
もう一つの選択肢「修了」
この二つと合わせて覚えておきたいのが「修了(しゅうりょう)」です。これは、試験や免許ではなく、特定の「講習」や「講座」を受け終えたことを証明する場合に使います。
(例)「フォークリフト運転技能講習 修了」
(例)「〇〇職業訓練 〇〇コース 修了」
迷った時の確認方法
もし、ご自身が持っている資格が「合格」「取得」「修了」のどれにあたるか迷った場合は、お手元にある「合格証書」や「免許証」、「修了証」の記載を確認するのが最も確実です。
証書に「合格証書」とあれば「合格」、「免許状」や「認定証」であれば「取得」、「修了証」であれば「修了」と、その記載に合わせれば間違いありません。
正しい言葉遣いが「信頼」に繋がる
採用担当者は、「合格」を「取得」と書いたからといって、それだけで不合格にすることはないかもしれません。しかし、履歴書の細部まで気を配り、正しい言葉(特に「正式名称」と「語尾」)を使おうとする姿勢は、あなたの「仕事の丁寧さ」や「正確性」を伝える、重要なアピールとなります。小さなルールを守ることが、採用担当者からの信頼を得る第一歩です。





