履歴書の「語学留学」。空白期間(ブランク)にしない書き方とアピール術
転職(中途採用)で「語学留学」は評価されるか
転職活動(中途採用)で履歴書を作成する際、過去の「語学留学」の経験をどう書けばよいか、悩む方は少なくありません。
中途採用では、新卒採用とは異なり、応募者の「職務経歴(仕事の経験)」が最も重視されます。そのため、単に「語学留学に行っていました」と記載するだけでは、「遊んでいたのでは?」「キャリアの空白期間(ブランク)だ」と見なされてしまうリスクがあります。
しかし、その経験を「なぜ行ったのか(目的)」そして「何を得たのか(成果)」と結びつけて、応募先の仕事にどう活かせるかを明確に説明できれば、語学留学はあなたの「行動力」や「専門性」をアピールする強力な武器となります。
履歴書の「どこに」語学留学を書くか
語学留学の「期間」や「形態」によって、履歴書に記載するのに最適な場所が異なります。
「学歴」欄への書き方(1年以上の留学)
もし、語学留学が1年以上にわたり、現地の語学学校や大学の付属機関などに「正式に在籍」していた場合は、「学歴」として記載するのが一般的です。
この場合、学校名は略さず、正式名称で記載します。
(学歴欄の記載例)
〇〇年〇月 〇〇高等学校 卒業
〇〇年〇月 〇〇(国名) 〇〇語学学校 〇〇コース 入学
〇〇年〇月 〇〇語学学校 〇〇コース 修了
「職歴」欄には書くべきか
原則として、「職歴」欄には記載しません。職歴は、あくまで「雇用契約」に基づいた「労働(仕事)」の経歴を記載する場所です。「留学」は「学習」にあたるため、職歴欄に記載すると、採用担当者に混乱を与えてしまいます。
短期留学や「空白期間」の説明としての書き方
もし、留学期間が数ヶ月程度(例:3ヶ月、6ヶ月)の「短期留学」であった場合、学歴欄に記載するには期間が短く、不自然です。
また、前職を退職してから留学した場合、その期間は「無職期間(空白期間)」となってしまいます。
この場合、職歴欄には前職の退職理由(例:「一身上の都合により退社」)までを記載します。
そして、その空白期間の説明として、履歴書下部の**「本人希望欄」や「特記事項」欄、あるいは「自己PR」**欄を活用し、その期間に何をしていたかを明記します。
(本人希望欄や特記事項欄での記載例)
「〇〇年〇月より〇ヶ月間、〇〇(国名)へ語学留学しておりました。」
このように記載することで、採用担当者の「この期間、何をしていたのだろう?」という懸念(けねん)を払拭(ふっしょく)できます。
「強み」としてアピールする書き方(自己PR欄)
語学留学の経験を、転職(中途採用)で最も効果的にアピールできる場所が「自己PR」欄です。ここでは、単に「留学した事実」だけでなく、その経験を通じて得た「強み」を、応募先の仕事に結びつけてアピールします。
採用担当者が知りたいのは、「語学力」そのものだけではありません。それ以上に、「未知の環境に飛び込む行動力」や、「異なる文化の中で培(つちか)った適応力・コミュニケーション能力」です。
語学留学経験の例文(自己PR)
(例文1:行動力と語学力をアピール)
「私の強みは、目標達成のための『行動力』です。前職退職後、かねてより必要性を感じていたビジネス英語の習得のため、〇ヶ月間〇〇へ語学留学しました。現地では、単に学校に通うだけでなく、地域のボランティア活動にも参加し、実践的なコミュニケーション能力を磨きました。結果、TOEICスコアを留学前の〇〇点から〇〇点まで向上させることができました。この行動力と実践的な英語力は、貴社の〇〇業務において必ず活かせると確信しております。」
(例文2:適応力と異文化理解をアピール)
「〇ヶ月間の〇〇への語学留学経験を通じ、『多様な価値観を受け入れる適応力』を培(つちか)いました。文化や習慣の全く異なる環境に身を置き、年齢や国籍の違うクラスメイトと議論を交わす中で、物事を多角的に捉え、柔軟に対応する姿勢が身につきました。貴社の〇〇チームにおいても、この適応力を活かし、円滑な人間関係の構築に貢献できると考えます。」
結論。留学は「目的」と「成果」をセットで伝える
転職(中途採用)の履歴書において、「語学留学」の経験は、それ自体が評価されるわけではありません。
「なぜ、その留学が必要だったのか(目的)」
「その留学で、具体的に何を得て、どう成長したのか(成果)」
「その成果を、入社後にどう活かして貢献できるのか」
この3点をセットにして、ご自身の言葉で論理的に説明すること。それが、単なる「空白期間」を、魅力的な「アピールポイント」に変えるための鍵となります。





