履歴書は「ダイソー」でOK？ 100均が選考に不利にならない理由と正しい選び方

転職活動を始めるにあたり、まず準備するものの一つが「履歴書」です。いざ履歴書用紙を買いに行くと、コンビニや文房具店だけでなく、ダイソー（DAISO）やセリア（Seria）といった「100円ショップ（100均）」でも販売されていることに気づきます。

「こんなに安価な履歴書を使っても、選考に影響しないだろうか？」

「100均の履歴書は、転職（中途採用）で使っても大丈夫？」

こうした「履歴書の値段」に関する疑問は、多くの応募者が一度は持つものです。ここでは、100均の履歴書が選考に与える影響と、転職活動における履歴書の正しい選び方について解説します。

1. 【最重要】100均の履歴書は、選考で不利になるか？

まず、最大の疑問にお答えします。

履歴書用紙が「ダイソー」などの100円ショップのものであることが理由で、書類選考が不利になることは一切ありません。

採用担当者は、応募者がどこで、いくらの履歴書用紙を買ったかなど、一切気にしていません。

仮に、採用担当者がその履歴書が100円ショップのものだと見抜いたとしても（見抜くことはほぼ不可能ですが）、それが合否の判断材料になることはないのです。

採用担当者が履歴書で重視しているのは、用紙の「値段」ではなく、以下の二点です。

1. その「中身」→ あなたの「職務経歴」「スキル」「資格」、そして「なぜ自社で働きたいのか」という「志望動機」や「熱意」。
2. その「丁寧さ」→ 「誤字脱字」や「抜け字」がないか。丁寧な文字（手書きの場合）か。証明写真は適切か。修正液や修正テープを使っていないか。

たとえ110円の履歴書であったとしても、中身が素晴らしく、誤字脱字のない完璧な状態で作成されていれば、それは「素晴らしい応募書類」です。

逆に、高級な履歴書用紙を使っていたとしても、中身がスカスカで、志望動機が使い回しであったり、誤字脱字だらけだったりすれば、その時点で不合格となります。

2. 値段よりも重要。「ダイソー」で履歴書を選ぶ際の「基準」

100均の履歴書を使うことは問題ありませんが、「どれでも良い」というわけではありません。転職活動（中途採用）の目的に合った、正しい「様式（フォーマット）」を選ぶ必要があります。

ダイソーなどで履歴書を選ぶ際は、「値段」ではなく、以下の2つの「基準」で選びましょう。

基準1：サイズは「A4」を選ぶ（B5は非推奨）

市販の履歴書には「B5サイズ」（一般的なノートの大きさ）も多くあります。

しかし、転職活動（中途採用）では、履歴書とセットで「職務経歴書」の提出が必須です。この職務経歴書は、ビジネス文書の標準である**「A4サイズ」**で作成するのが一般的です。

応募書類全てのサイズを「A4」で統一することは、採用担当者が書類を管理しやすくするための「配慮」であり、これが現在の転職活動における「標準的なマナー」です。

したがって、購入する際は**「A4サイズ」**の履歴書を選ぶことを強く推奨します。

基準2：様式は「転職者（中途採用）向け」を選ぶ

100均の履歴書には、アルバイト・パート用（シフトの希望欄が大きい）もあれば、転職者用もあります。

転職活動（中途採用）では、**「職歴」欄や「自己PR」「志望動機」の欄が広く設けられている、「転職者用」**のフォーマットを選びましょう。（「職務経歴書用紙」がセットになっているものも便利です）

3. 100均で揃う「転職活動グッズ」（履歴書以外）

100均のメリットは、履歴書用紙だけでなく、応募書類の準備に必要な関連アイテムの多くを、非常に安価に、かつ一度に揃えられる点にもあります。

• 封筒履歴書を郵送したり、手渡ししたりする際に必要です。A4サイズの書類が折らずに入る**「角形A4号（かくがたエーよんごう）」または「角形2号（かくがたにごう）」の、ビジネスシーンにふさわしい「白い封筒」**を選びましょう。（※事務的な茶封筒はNGです）
• クリアファイル作成した履歴書を汚れや折り曲げから守るために必須のアイテムです。無色透明のシンプルなものを選びます。
• 筆記具（ボールペン）手書きで作成する場合、履歴書に適した**「黒色のボールペン（0.5mm〜0.7mm）」も購入できます。（！注意！） 摩擦で消えるタイプのボールペン（フリクションペンなど）は、公的な応募書類である履歴書には絶対に使用してはいけません。**
• のり・両面テープ証明写真を履歴書に貼り付けるために必要です。水分が少なくシワになりにくい**「スティックのり」**や「両面テープ」が推奨されます。

4. 結論。履歴書の価値は「値段」ではなく「中身」

ダイソーなどの100円ショップは、転職活動に必要な基本的なアイテムを、手軽に揃えることができる心強い味方です。

用紙が100均のものであることに不安を感じる必要は一切ありません。

採用担当者が重視しているのは、その「一枚の紙」に、あなたのこれまでの経験と、未来への熱意を、いかに「正確」に、かつ「丁寧」に書き込めるかです。

用紙を選んだら、次はその「中身」を充実させることに全力を注ぎましょう。

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人材会社で15年間、転職・中途採用市場における営業職・企画職・調査職の仕事を経験。
社団法人人材サービス産業協議会「転職賃金相場」研究会の元メンバー
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