履歴書はコピー用紙に印刷しても良い？正しい用紙の選び方とマナー

パソコン作成の履歴書と「印刷用紙」の悩み

パソコンやスマートフォンで履歴書を作成することが一般的になった現代、多くの転職者が直面するのが「どの紙に印刷すればよいのか」という問題です。特に、「自宅にある普通のコピー用紙（PPC用紙）に印刷して提出しても失礼にあたらないだろうか」と不安に思われる方も少なくありません。ここでは、履歴書を印刷する際の適切な用紙選びについて解説いたします。

結論。コピー用紙への印刷は問題ないか

結論から申しますと、パソコンで作成した履歴書を、一般的なコピー用紙に印刷して提出すること自体が、直ちに選考で不利になることはございません。現代の採用選考において、採用担当者が最も重視するのはあくまでも履歴書の「内容」であり、応募者の経験やスキル、志望動機です。手書きと違って紙質で熱意を測る、といった風潮も薄れています。

コピー用紙を選ぶ際の最低限の注意点

ただし、「何でも良い」というわけではございません。コピー用紙を使用する場合でも、社会人としての配慮、すなわち「受け取った相手がどう感じるか」を意識した用紙選びが求められます。

用紙の「厚さ」に関する配慮

一般的なコピー用紙は比較的薄手（64gsm程度）のものが多く、印刷した際にインクが裏写りしたり、紙自体が頼りなく安価な印象を与えてしまったりする可能性がございます。もしコピー用紙を使用される場合は、少し厚手のもの（例：70gsm〜90gsm程度）や、「上質紙」「ビジネス文書用」として販売されているものを選ぶと、しっかりとした印象を与えられます。

用紙の「色」と「清潔感」

履歴書は、あなた自身を伝える公的な書類です。用紙は「白色度の高い、真っ白な紙」を使用してください。日焼けして黄ばんだ紙や、くすんだ色の紙は、清潔感に欠け、管理能力を疑われる可能性すらございます。もちろん、印刷ミスや汚れ、シワ、折れ目のあるものは絶対に使用してはなりません。

市販の「履歴書専用紙」という選択肢

もし用紙選びに少しでも不安が残るようでしたら、文房具店や家電量販店で販売されている「履歴書印刷専用紙」や「インクジェットプリンター用上質紙」などを利用するのが最も確実です。これらは、あらかじめ履歴書の印刷に適した厚みと紙質で製造されており、受け取る側に丁寧な印象を与えやすいという利点がございます。

絶対に避けるべき「コピー用紙」の使い方

一つ、明確に避けるべきなのは、「コピー用紙に手書きで履歴書を作成する」ことです。罫線（けいせん）のないコピー用紙に手書きで文字を連ねても、非常に読みにくく、採用担当者からは「履歴書用紙を準備する手間すら惜しんだ」と判断され、熱意が全く伝わりません。手書きで作成する場合は、必ず市販の履歴書用紙（罫線入りのもの）を使用してください。また、裏紙の利用は論外です。

大切なのは用紙の先にある「丁寧さ」

採用担当者は、用紙のブランドを見ているわけではございません。用紙がコピー用紙であれ専用紙であれ、そこに書かれた内容が論理的であり、かつ印刷状態が鮮明で、シワなくきれいに提出されているか、といった「書類全体の丁寧な扱い」を見ています。用紙選びは、その「丁寧さ」を表現する第一歩とお考えください。

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人材会社で15年間、転職・中途採用市場における営業職・企画職・調査職の仕事を経験。
社団法人人材サービス産業協議会「転職賃金相場」研究会の元メンバー
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