履歴書の特技欄に「コミュニケーション」と書くのはアリ？評価される書き方と例文集

履歴書の「趣味・特技」欄は、採用担当者が応募者の人柄やポテンシャルを判断するための重要なスペースです。ここで「特技：コミュニケーション」と書きたいと考える方は多いですが、単にそう書くだけでは「抽象的すぎる」「ありきたり」と判断され、スルーされてしまうリスクがあります。

しかし、書き方を少し工夫するだけで、コミュニケーション能力は最強のアピール材料に変わります。

ここでは、履歴書の特技欄でコミュニケーション能力を魅力的に伝えるための書き方のコツと、アピールしたいニュアンス別の具体的な例文を紹介します。

「特技：コミュニケーション」だけでは伝わらない理由

採用担当者は、「コミュニケーション能力」という言葉を、「聞く力」「伝える力」「調整する力」「空気を読む力」など、多義的に捉えています。単に「コミュニケーション」と書くだけでは、あなたがどの能力に長けているのかが伝わりません。

評価されるためには、**「どのようなコミュニケーションが得意なのか」**を具体的に定義し、カッコ書きや一文添えて補足することが鉄則です。

アピールポイント別「特技：コミュニケーション」の書き方と例文

あなたの得意なコミュニケーションスタイルに合わせて、以下の例文を参考にしてください。

1. 「初対面の人とすぐに打ち解ける力」をアピールする場合

営業職や接客業など、新規顧客との関係構築が求められる職種に有効です。

• 初対面の人とすぐに打ち解けること（どのような年代の方とも会話の糸口を見つけ、短時間で信頼関係を築くことができます。）
• アイスブレイク（緊張した場を和ませ、話しやすい雰囲気を作ることで、相手の本音を引き出すことが得意です。）
• 名前と顔を覚えること（一度お会いした方の顔と名前、会話の内容を記憶し、次回の会話に活かすことができます。）

2. 「聞き上手・相談されやすい」ことをアピールする場合

事務職、カウンセラー、販売職など、相手のニーズを汲み取る力が求められる職種に有効です。

• 聞き上手（傾聴）（相手が話しやすい相槌や質問を心がけており、友人や同僚から相談を持ちかけられることが多いです。）
• 相手の意図を汲み取ること（言葉にされない相手の要望や感情を表情から察知し、先回りして行動することができます。）
• 相談されやすい雰囲気づくり（常に笑顔で穏やかな対応を心がけており、チーム内での潤滑油として円滑な業務遂行に貢献します。）

3. 「調整力・チームワーク」をアピールする場合

チームでプロジェクトを進める職種や、リーダー候補として応募する場合に有効です。

• 場をまとめる調整力（意見が対立した際に、双方の言い分を整理し、納得感のある妥協点を見出すことが得意です。）
• 誰とでも協力できる協調性（年齢や立場の異なる人とも物怖じせずコミュニケーションを取り、チームの目標達成に向けて協力体制を作れます。）
• 情報の橋渡し（伝達力）（専門的な内容を、知識のない人にも分かりやすく噛み砕いて説明・通訳することができます。）

4. 「言葉の壁を超える力」をアピールする場合

語学力や度胸、多様性への適応力をアピールしたい場合に有効です。

• ジェスチャーを交えた意思疎通（言葉が通じない海外の方とも、身振り手振りや表情を使って積極的にコミュニケーションを図れます。）
• 異文化交流（バックグラウンドの異なる人とも、偏見を持たずにオープンなマインドで接し、信頼関係を築くことができます。）

趣味・特技欄と自己PR欄の使い分け方

「特技」欄はあくまで一言でインパクトを与える場所です。特技欄に書いたコミュニケーション能力の具体的なエピソード（「前職で〇〇という課題に対し、この特技を活かして解決した」など）は、自己PR欄で詳しく説明しましょう。

• 特技欄： キャッチコピーとして「どのようなコミュニケーションが得意か」を端的に書く。
• 自己PR欄： その特技がビジネスでどう役立つかを、実体験を交えて証明する。

このように連動させることで、履歴書全体に一貫性が生まれ、あなたのコミュニケーション能力の高さがより説得力を持って採用担当者に伝わります。

まとめ：具体的な補足が「会ってみたい」に繋がる

履歴書の特技欄にコミュニケーションについて書くことは、決してマイナスではありません。重要なのは解像度です。

「ただのお喋り好き」と思われないよう、「初対面でも懐に入る力」「相手の話を引き出す傾聴力」など、ビジネスに直結するスキルとして具体的に表現してください。その一工夫が、面接での会話を弾ませるきっかけになります。

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人材会社で15年間、転職・中途採用市場における営業職・企画職・調査職の仕事を経験。
社団法人人材サービス産業協議会「転職賃金相場」研究会の元メンバー
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