再応募は「変化」が鍵!履歴書の志望動機例文と採用担当者を納得させる書き方
一度不採用になった企業や、過去に辞退した企業にもう一度挑戦したい。「再応募」は、転職活動において非常に勇気のいる決断です。「一度落ちたのに失礼ではないか」「またダメに決まっている」と不安になる方も多いでしょう。
しかし、再応募自体は決してNGではありません。企業側も「数年経ってスキルアップしているなら検討したい」「それだけの熱意があるなら会ってみたい」と考えるケースは多々あります。
重要なのは、前回の応募時と比べて**「何が変わり、どのように成長したか」**を論理的に伝えることです。
ここでは、再応募で書類選考を突破するための履歴書の書き方戦略と、シチュエーション別の志望動機例文を紹介します。
再応募で採用担当者が見ている「たった1つのポイント」
採用担当者が再応募者の書類を見る際、確認するポイントは一つだけです。それは**「前回不採用(または辞退)になった理由が解消されているか」**です。
単に「どうしても入りたい」という熱意だけでは、前回と同じ結果になりかねません。以下の3つの要素のうち、どれかが「変化」していることをアピールする必要があります。
- スキルの変化: 前回不足していた経験や技術を、他社で身につけてきた。
- 状況の変化: 家庭の事情などで辞退したが、今は働ける環境が整った。
- 視点の変化: 前回は理解不足だったが、企業研究を深め、新たな貢献の可能性を見つけた。
この「変化」を履歴書の志望動機や自己PRに盛り込むことが、再挑戦の鉄則です。
【状況別】再応募の履歴書・志望動機 例文集
それでは、具体的なシチュエーション別に、履歴書の「志望動機」欄にそのまま使える構成と例文を紹介します。ご自身の状況に合わせてアレンジしてください。
ケース1:スキル不足で不採用になったが、経験を積んで再挑戦する場合
【戦略】
「前回の反省」と「その後の努力(成長)」をセットで伝えます。「御社に入るために、他社で修行してきた」というストーリーは、非常に強力な熱意の証明になります。
【例文】
3年前、貴社の〇〇職に応募いたしましたが、当時は実務経験が不足しており、力及ばず不採用という結果になりました。しかし、貴社の「顧客の成功を第一に考える」という理念への共感は変わらず、どうしても貴社で貢献したいという思いを持ち続けておりました。
その後、IT企業にて3年間、法人営業として新規開拓に従事し、昨年度は部内トップの売上を達成いたしました。当時不足していた「課題解決型の提案力」と「顧客折衝スキル」を身につけた今、改めて貴社の営業職として即戦力となり、事業拡大に貢献したいと強く思い、再応募いたしました。
ケース2:過去に「内定辞退」または「選考辞退」をした企業へ再応募する場合
【戦略】
まず、過去に辞退したことへのお詫びと感謝を伝えます。その上で、なぜ「今」なのか、なぜ「他社ではなく御社」に戻ってきたのかという理由を明確にします。
【例文】
2年前に貴社の選考に参加し、内定をいただきながらも、当時は自身のキャリアの方向性に迷いがあり、大変失礼ながら辞退をさせていただきました。その節は、貴重なお時間を割いていただいたにも関わらず、誠に申し訳ございませんでした。
その後、現職でプロジェクトマネジメント業務に従事する中で、貴社が注力されている〇〇事業の先進性と社会貢献性の高さを改めて痛感いたしました。一度は別の道を選びましたが、外の世界を見たからこそ貴社の魅力と強みを深く理解できました。今一度チャンスをいただけるならば、培ったマネジメント経験を活かし、貴社の発展に全力を尽くす所存です。
ケース3:どうしても諦めきれず、熱意を伝えて再応募する場合(期間が短い場合)
【戦略】
期間が空いていない場合(半年〜1年以内など)、劇的なスキルアップは難しいかもしれません。その場合は、企業研究をさらに深め、「前回とは違う視点での貢献」や「資格取得などの具体的な行動」をアピールします。
【例文】
半年前に貴社の事務職に応募いたしましたが、ご縁がなく不採用となりました。しかし、貴社の「社員の成長を支援し、地域社会に貢献する」という姿勢への憧れは消えず、貴社で働くために何が必要かを考え続けてまいりました。
この半年間、不足していたPCスキルを補うためにMOS資格を取得し、現職でも業務効率化のプロジェクトを主導してまいりました。前回よりも事務処理能力と改善提案力を高めた状態で、改めて貴社のバックオフィス業務に貢献したいと考え、再度の応募を決意いたしました。私の「粘り強さ」と「学習意欲」を活かし、貴社の戦力となりたいと考えております。
再応募の履歴書を書く際の注意点
再応募であることを隠すべきか迷う方もいますが、基本的には正直に書くべきです。企業側には過去の応募データが残っていることが多く、隠していることが判明すると「不誠実だ」と判断されるリスクがあるからです。
1. 「再応募」であることは冒頭か結びで触れる
履歴書の本人希望欄や、送付状(メール)、あるいは志望動機の冒頭で「過去に応募した事実」に触れましょう。
- 「〇年前に一度応募させていただきましたが~」
- 「以前の選考では力及びませんでしたが~」
2. 以前と同じ書類を使い回さない
これが最も重要です。写真、志望動機、自己PRはすべて新しく作成してください。全く同じ内容で送ることは、「成長していません」と言っているようなものです。必ず情報のアップデートを行ってください。
3. 謙虚さと自信のバランス
「一度落ちている」という事実に引け目を感じすぎる必要はありませんが、「前回は見る目がなかった」といった傲慢な態度は厳禁です。「前回のご判断は正しかった。しかし、今の自分なら貢献できる」という、謙虚かつ自信に満ちたスタンスが好印象を与えます。
まとめ
再応募は、決して「恥ずかしいこと」ではありません。むしろ、一度断られても再挑戦する姿勢は、ビジネスにおいて重要な「粘り強さ」や「志望度の高さ」の証明になります。
「あの時の自分とは違う」という確かな根拠とストーリーを持って、履歴書を作成してください。その熱意と成長が伝われば、一度閉ざされた扉が再び開く可能性は十分にあります。





