履歴書の志望動機「最後の締め」書き方と、状況別・職種別の具体的な例文
履歴書の志望動機は、採用担当者に熱意を伝えるための最も重要な項目の一つです。その中でも「最後の締めくくり」は、文章全体の印象を決定づけるラストパートであり、ここで何を伝えるかによって合否が分かれることもあります。
どれほど素晴らしい経歴や動機を書いても、最後が尻すぼみになってしまっては、熱意や自信が伝わりきりません。逆に言えば、締めの言葉を工夫することで、採用担当者に「この人と会ってみたい」「活躍してくれそうだ」という強いポジティブな印象を残すことができます。
ここでは、履歴書の志望動機を魅力的に締めくくるための書き方のポイントと、状況別・職種別の具体的な例文を紹介します。
志望動機の「締め」が重要な理由
文章には「親近効果」という心理効果があります。これは、最後に与えられた情報が最も記憶に残りやすいというものです。つまり、志望動機の最後に書かれた一文は、採用担当者の記憶に最も鮮明に残るメッセージとなります。
単に「よろしくお願いいたします」と終わるのではなく、以下の2点を凝縮して伝えることが、採用を勝ち取る鉄則です。
- 貢献意欲(ギブ):自分が入社することで、会社にどんなメリットがあるか。
- 熱意(ウィル):入社して本気で取り組みたいという強い意志。
評価される「締めの一文」を作る基本構成
説得力のある締めくくりを作るには、以下の「型」に当てはめて考えるとスムーズです。
【型】= 自分の強み(経験・スキル) + どのように貢献するか + 結びの言葉
- 悪い例:「一生懸命頑張りますので、よろしくお願いいたします。」(※熱意はありますが、具体性がなく学生のような印象を与えかねません)
- 良い例:「前職で培った営業力を活かし(強み)、貴社の**新規開拓事業の拡大に貢献したい(貢献)**と考えております。」
【状況・キャリア別】志望動機の締めくくり例文集
ここからは、あなたの状況に合わせた具体的な例文を紹介します。自分の経歴に最も近いものを選び、アレンジして活用してください。
1. 経験者が「即戦力」をアピールする場合
同職種への転職やキャリアアップを目指す場合、「入社後すぐに役に立つ」ことを言い切るのがポイントです。
- 「これまでに培った法人営業の経験を活かし、貴社の売上目標達成に向けて即戦力として貢献いたします。」
- 「プロジェクトマネジメントの経験を最大限に発揮し、貴社の開発体制の強化と品質向上に尽力する所存です。」
- 「現職で磨いたマーケティングスキルを活かし、貴社のブランド価値向上と新規顧客の獲得に貢献したいと考えております。」
2. 未経験職種へ「ポータブルスキル」で挑戦する場合
実務経験がない場合は、前職の経験の中で活かせるスキル(ポータブルスキル)と、学習意欲の高さをセットで伝えます。
- 「販売職で培った『相手のニーズを汲み取る傾聴力』を活かし、貴社の営業職として顧客との信頼関係構築に貢献いたします。」
- 「事務職で培った正確性とPCスキルを活かし、貴社の経理部門において業務効率化と正確な処理に貢献したいと考えております。」
- 「未経験ではありますが、持ち前の粘り強さと学習意欲で早期に業務を習得し、一日も早く貴社の戦力となれるよう努めます。」
3. マネジメント・リーダー職を目指す場合
個人の成果だけでなく、組織全体の利益や成長にコミットする姿勢を見せます。
- 「プレイングマネージャーとして自ら成果を出しつつ、チームメンバーの育成を通じて組織全体のパフォーマンス最大化に貢献いたします。」
- 「これまでの店舗運営経験を活かし、スタッフが生き生きと働ける環境作りと、店舗売上の拡大に尽力したいと考えております。」
4. ブランクがある・復職する場合
ブランクを感じさせない意欲と、腰を据えて長く働きたいという定着性をアピールします。
- 「子育てを通じて培ったタイムマネジメント能力を活かし、限られた時間の中で効率的に成果を出し、貴社の業務を支えていきたいと考えております。」
- 「ブランク期間中も資格取得などの自己研鑽に励んでまいりました。この知識を活かし、貴社にて長期的に貢献できるよう誠実に業務に取り組みます。」
【職種別】志望動機の締めくくり例文集
職種によって求められる成果が異なるため、締めの言葉も微調整するとより効果的です。
営業職
- 「粘り強い交渉力とフットワークの軽さを活かし、貴社の新規顧客開拓とシェア拡大に貢献いたします。」
- 「顧客の課題解決を第一に考え、貴社のソリューションを通じて顧客と貴社双方の利益拡大に寄与したいと考えております。」
事務・管理系職種
- 「正確かつ迅速な事務処理能力を活かし、営業担当者がコア業務に集中できる環境作りに貢献いたします。」
- 「業務改善の視点を常に持ち、バックオフィスから貴社の円滑な事業運営と生産性向上を支えていきたいと考えております。」
接客・販売・サービス業
- 「お客様一人ひとりに寄り添った接客を心がけ、貴社のファンを増やし、店舗の売上向上に貢献したいと考えております。」
- 「ホスピタリティの精神を大切にし、お客様に『また来たい』と思っていただける空間づくりに尽力いたします。」
技術職・エンジニア
- 「最新技術への探究心を持ち続け、貴社のプロダクト開発において技術面から事業成長を牽引したいと考えております。」
- 「ものづくりへの情熱と緻密な作業スキルを活かし、高品質な製品を安定して供給できるよう貢献いたします。」
避けるべき「NGな締めくくり」
最後に、採用担当者にマイナスの印象を与えてしまうNGパターンを確認しておきましょう。
×「勉強させていただきたいです」
企業は学校ではありません。「学びたい」という受け身の姿勢ではなく、「自ら学び、貢献する」という能動的な姿勢を示しましょう。
(修正案:早期に知識を吸収し、戦力として貢献します)
×「貴社の環境に魅力を感じました」
「家から近い」「残業が少なそう」「福利厚生が良い」などの条件面を締めに持ってくると、仕事内容への熱意が疑われます。あくまで「仕事での貢献」で締めくくりましょう。
×「自信はありませんが、頑張ります」
謙虚さは大切ですが、過度な卑下は不安を与えます。「未経験ですが」と前置きしつつも、最後は「貢献します」と言い切る強さが必要です。
まとめ
履歴書の志望動機の「最後の締め」は、採用担当者に対するあなたの「約束」です。
「私は入社後、このように活躍します」と力強く宣言することで、採用担当者はあなたが入社して活躍する姿を具体的にイメージできるようになります。今回紹介した例文を参考に、あなたの熱意と強みが最も伝わる言葉を選んで、履歴書を完成させてください。





