履歴書の「ボールペン」選び。あなたの「丁寧さ」が伝わる正しい1本の選び方
転職活動(中途採用)において、履歴書をパソコン(PC)で作成するのが主流となりつつありますが、企業から「手書き指定」がある場合や、ご自身の字で熱意を伝えたいと考える場合、使用する「筆記具」の選択は非常に重要です。
履歴書は、あなたの第一印象を決める「公的な応募書類」です。採用担当者は、そこに書かれた内容だけでなく、その「筆跡」や「使われた道具」からも、応募者の「ビジネスマナーへの理解度」や「仕事の丁寧さ」を見ています。
「どのボールペンで書けばいいのか」「消せるボールペンはNG?」
ここでは、採用担当者に好印象を与える、履歴書作成に最適なボールペンの選び方と、絶対に使ってはいけない筆記具のルールについて詳しく解説します。
1. 【絶対NG】履歴書に使ってはいけない筆記具
まず、これらを使って作成された履歴書は、社会人としての常識を疑われ、それだけで選考対象から外される可能性が非常に高いです。
NG1:消せるボールペン(フリクションペンなど)
絶対にNGです。 これが最も多い、重大なマナー違反の一つです。
- なぜNGか?
- 「公文書」としての信頼性がない:履歴書は、あなたの経歴を証明する公的な書類です。簡単に「消せる(改ざんできる)」筆記具は、信頼性がゼロと見なされます。
- 熱で消えるリスク:消せるボールペンは、一定の熱(例:コピー機の熱、夏場の車内など)でインクが透明になってしまいます。採用担当者の手元で、あなたの履歴書が「白紙」になってしまう危険性があります。
NG2:鉛筆、シャープペンシル
簡単に消せてしまうため、NGです。
NG3:水性ペン、サインペン
文字がにじんだり、裏写りしたりする可能性が高いです。また、カジュアルな印象を与えます。
NG4:黒以外の色のペン(青、赤など)
履歴書は全て「黒色」で統一するのが鉄則です。
2. 履歴書に「最適な」ボールペンの選び方
履歴書を手書きで書く際の筆記具は、**「消すことができない、黒色のボールペン」**が基本です。
その中でも、インクの種類によって「向き・不向き」があります。
1. インクの種類:「ゲルインク」が最も推奨される
ボールペンのインクには、主に「油性」「水性」「ゲルインク」の3種類があります。
- (推奨)ゲルインクボールペン→ 最も推奨されます。【理由】:油性と水性の「良いとこ取り」をしたインクです。「書き味がなめらか」で、「発色が良く、文字がくっきり」と見えます。また、油性ほど「インクだまり(ボテ)」ができにくく、水性ほど「にじまない」ため、採用担当者にとって最も読みやすい仕上がりになります。
- (次点)油性ボールペン→ 昔ながらのボールペンです。耐水性が高く、にじみにくいのが利点ですが、書き始めにインクだまりができやすく、書類を汚してしまうリスクがあります。
- (非推奨)水性ボールペン→ 書き味は非常に軽いですが、紙質によってはインクが「にじみ」やすく、「裏写り」する可能性があるため、履歴書にはあまり向きません。
2. ペン先の「太さ」:「0.5mm」または「0.7mm」
ボールペンの太さは、履歴書の記入欄(枠)の大きさに合わせるのがマナーです。
- 0.5mm:一般的な太さです。枠が比較的小さな履歴書でも、文字が潰(つぶ)れにくく、すっきりと読みやすく書けます。
- 0.7mm:やや太めで、力強く、しっかりとした印象を与えます。枠が大きめの履歴書に向いています。
(※0.3mmなどの細すぎるペンは、線が弱々しく、頼りない(神経質)な印象を与える可能性があり、避けた方が無難です)
3. 色:「黒(ブラック)」一択
言うまでもありませんが、色は「黒」一択です。
3. (補足)「万年筆(まんねんひつ)」は使っても良いか?
万年筆も、正式な筆記具として認められているため、使用すること自体はマナー違反ではありません。
ただし、万年筆には以下の「リスク」があります。
- インクの色:必ず「黒(ブラック)」のインクを使います。「ブルーブラック(青黒)」はNGです。
- にじみ・裏写り:インクがにじんだり、裏写りしたりしやすいです。
- 上級者向け:書き慣れていないと、インクがかすれたり、ペン先が引っかかったりします。
こうしたリスクを考慮すると、万年筆は「書き慣れている人」だけが使うべき筆記具であり、一般的にはボールペンを選ぶ方が安全です。
4. 結論。迷ったら「黒のゲルインク(0.5mm or 0.7mm)」を
履歴書作成における筆記具選びは、あなたの「仕事への丁寧な姿勢」を伝える、最初のアピールです。
「消せるボールペン」といったNGな選択で、あなたの評価を落としてしまうのは、非常にもったいないことです。
もし、どのボールペンを使うか迷った場合は、
「黒色の、ゲルインクボールペン(太さ0.5mm、または0.7mm)」
を、新しく(インクが十分にあるものを)準備する。
これが、転職活動(中途採用)において、最も安全で、誰からもマイナス評価を受けない「最適解」と言えます。





