履歴書の自己PRで「最後までやり遂げる力」を武器にする書き方と例文集
転職活動や就職活動の履歴書において、「最後までやり遂げる力(完遂力)」は、企業から非常に高く評価される資質の一つです。ビジネスの現場では、予期せぬトラブルや困難がつきものです。そんな時、途中で投げ出さずに結果が出るまで粘れる人材は、どのような職種でも重宝されます。
しかし、「やり遂げる力」をアピールしたいけれど、「当たり前のことを書いているようで不安」「具体的なエピソードが思いつかない」と悩む方も多いのではないでしょうか。
ここでは、あなたの「最後までやり遂げる力」を、採用担当者に響くビジネススキルとして言語化するための書き方のコツと、状況別の具体的な例文を紹介します。
採用担当者が「やり遂げる力」から読み取る3つの要素
単に「頑張って終わらせました」と書くだけでは不十分です。採用担当者は、そのエピソードを通じて以下の能力を持っているかを確認しています。
- 責任感の強さ困難な状況でも逃げ出さず、自分の役割を全うできる信頼性があるか。
- 問題解決能力壁にぶつかった際、ただ耐えるだけでなく、工夫して乗り越える力があるか。
- ストレス耐性プレッシャーがかかる場面でも、モチベーションを維持できるか。
評価される文章構成の鉄則
限られたスペースで説得力を持たせるには、以下の3段構成で文章を組み立てるのが効果的です。
- 結論: 「私の強みは、困難な状況でも最後までやり遂げる責任感です」と宣言する。
- 根拠(エピソード): 「どのような困難があり」「どう工夫して乗り越え」「どのような結果になったか」を具体的に書く。
- 貢献(結び): その力を入社後どう活かすかを伝える。
【状況別】「最後までやり遂げる力」の自己PR例文集
ご自身の経験に最も近いシチュエーションを選び、エピソードを調整して活用してください。
ケース1:仕事でのトラブルや困難なプロジェクトを乗り越えた場合
【アピールポイント】 責任感、問題解決能力、ストレス耐性
【困難な状況でも逃げずに完遂する責任感】
私は、一度引き受けた仕事はどのような状況でも最後までやり遂げる「責任感」に自信があります。
前職のシステム開発プロジェクトでは、仕様変更により納期遅延の危機に直面しました。しかし、私は諦めることなく、チームメンバーのタスクを再調整し、優先順位を整理して効率化を図りました。また、他部署にも協力を仰ぎ、チーム一丸となって取り組んだ結果、納期通りにプロジェクトを完遂させることができました。
貴社においても、困難な課題に直面した際も粘り強く取り組み、確実に成果を出すことで貢献したいと考えています。
ケース2:営業目標やノルマを達成し続けた場合
【アピールポイント】 達成意欲、PDCA、粘り強さ
【目標達成に向けて試行錯誤を続ける粘り強さ】
私は、目標達成に向けて決して諦めず、最後までやり抜く力を持っています。
前職の営業活動において、四半期の売上目標が未達の危機に瀕した際、単に行動量を増やすだけでなく、アプローチ方法を一から見直しました。失注理由を分析し、提案資料を刷新して再アプローチを行った結果、最終日には目標比110%を達成することができました。
結果が出るまで工夫を重ねるこの粘り強さを活かし、貴社の事業拡大に貢献いたします。
ケース3:地味な作業やルーチンワークを継続した場合
【アピールポイント】 継続力、正確性、真面目さ
【地道な業務にも妥協せず取り組む継続力】
私は、地味な作業であっても手を抜かず、高い精度でやり遂げる継続力があります。
事務職として、月間約1,000件のデータ入力業務を担当してまいりました。単純作業になりがちですが、「ミスゼロ」を自分への課題として課し、独自のチェックリストを作成して確認を徹底しました。その結果、3年間入力ミスゼロを継続し、後工程の業務効率化に貢献しました。
どのような業務であっても責任を持って完遂する姿勢で、貴社の業務を支えていきたいと考えています。
ケース4:学生時代の部活動やアルバイト経験(未経験・第二新卒向け)
【アピールポイント】 根性、向上心、プロセス重視
【壁にぶつかっても工夫して乗り越える完遂力】
学生時代のバスケットボール部での活動を通じ、課題に対して粘り強く取り組む姿勢を身につけました。
レギュラーになれない時期が続きましたが、腐ることなく自身のプレーを動画で分析し、弱点克服のための自主練習を毎日欠かさず行いました。2年間継続した結果、最後の大会ではスターティングメンバーとして出場を果たしました。
この経験から得た「結果が出るまでやり抜く力」を活かし、未経験の業務でも早期に習得して戦力となれるよう努力いたします。
「やり遂げる力」の言い換え表現リスト
「最後までやり遂げる」という言葉以外にも、ニュアンスによって様々な表現が可能です。応募企業の社風に合わせて使い分けてみてください。
- 完遂力(かんすいりょく): プロジェクトなどを完全に成し遂げる力。
- 粘り強さ・忍耐力: 困難に耐え、諦めない力。
- 責任感: 自分の役割を放棄しない誠実さ。
- グリット(GRIT): やり抜く力。近年ビジネスで注目されている言葉。
- 継続力: コツコツと積み上げる力。
- 達成意欲: ゴールに向かって突き進む力。
書く際の注意点(NGポイント)
せっかくの強みも、書き方によってはマイナス評価につながることがあります。
- 「頑固」だと思われないようにする「周りの意見を聞かずに突き進んだ」と取られないよう、「周囲と協力して」「状況を分析して」といった柔軟性もセットで伝えましょう。
- 「ただ時間がかかっただけ」にしない残業して終わらせただけでは能力不足と思われかねません。「工夫して」「効率化を図り」やり遂げたプロセスを強調しましょう。
「最後までやり遂げる力」は、ビジネスの基本にして最強のスキルです。あなたのこれまでの経験の中で、壁を乗り越えたエピソードを自信を持って伝えてください。





