副業・Wワークの履歴書志望動機 例文と書き方ガイド
働き方改革により副業(Wワーク)が解禁される企業が増え、本業以外の時間を使って収入を得たり、スキルアップを目指したりする人が増えています。しかし、いざ副業に応募しようとした際、履歴書の志望動機に何を書けばよいか悩む方は少なくありません。
「お金が欲しいから」という本音だけでよいのか、それとも「本業との両立」をどう伝えればよいのか。採用担当者は、副業希望者に対して「すぐに辞めないか」「本業に支障が出ないか」といった独自の懸念を持っています。
ここでは、採用担当者に安心感を与え、書類選考を突破するための副業・Wワーク用の志望動機の書き方と、目的別の具体的な例文を紹介します。
副業の採用担当者が志望動機で見ている3つのポイント
副業の応募において、企業側が求めているのは「圧倒的な熱意」よりも「安定して働ける確実性」です。以下の3点を意識して構成することで、採用リスクが低い人材であることをアピールできます。
1. 副業をする「目的」が明確か
なぜわざわざ休む時間を削って働くのか、その理由が曖昧だと「すぐに辞めてしまうのではないか」と疑われます。「収入を増やして貯金をしたい」「将来のためにスキルを磨きたい」など、働く目的を正直かつ前向きに伝えることが信頼につながります。
2. シフトや納期を守れる「自己管理能力」
本業が忙しいことを理由に欠勤したり、納期に遅れたりすることは許されません。「本業は定時で終わるため、時間の確保が可能」「土日を有効活用したい」など、無理なく両立できる環境であることを明記し、責任感の強さを伝えます。
3. 即戦力となる「経験・スキル」
副業やアルバイト採用では、教育コストをかけずに成果を出せる人が好まれます。本業で培ったPCスキルや、過去の接客経験など、応募先の業務に直結するスキルがあれば必ず盛り込みます。
評価される志望動機を作る基本構成
読みやすく説得力のある志望動機にするために、以下の構成で組み立てるのが鉄則です。
- 結論(志望理由): その仕事を選んだ理由(興味、条件、経験など)。
- 根拠(目的・両立): 副業をする目的と、本業と両立できる根拠。
- 貢献(結び): 即戦力としてどう貢献したいか。
【目的・職種別】副業(Wワーク)の志望動機 例文集
ここからは、副業をする目的や職種に合わせた具体的な例文を紹介します。ご自身の状況に合わせてアレンジして活用してください。
ケース1:収入アップ・貯金を目的とする場合(接客・軽作業など)
【ポイント】
「生活費が足りない」というネガティブな表現ではなく、「目標のために稼ぎたい」という前向きな意欲に変換します。また、シフトへの貢献度をアピールします。
【例文:コンビニ・飲食店など】
自宅から近く、普段から貴店を利用させていただく中で、スタッフの方々のテキパキとした対応に好感を持っておりました。現在は日中に事務職の正社員として勤務しておりますが、将来に向けた資金を貯めるため、空いている時間を有効活用して働きたいと考え志望いたしました。
本業は残業が少なく、平日19時以降や土日祝日のシフトに安定して入ることができます。接客経験はありませんが、体力には自信があります。真面目に業務に取り組み、長く貢献したいと考えております。
ケース2:スキルアップ・キャリアチェンジを目指す場合(Web制作・ライターなど)
【ポイント】
本業では得られないスキルを習得したいという向上心と、本業で培ったポータブルスキル(ビジネスマナーやPCスキル)をアピールします。
【例文:データ入力・Web関連業務など】
貴社が展開するWebメディアの記事を拝読し、専門性の高い情報発信に魅力を感じ志望いたしました。本業ではメーカーの営業職に従事しておりますが、以前より興味のあったWebライティングのスキルを身につけ、自身のキャリアの幅を広げたいと考えております。
本業で培ったリサーチ力と正確な文書作成能力を活かし、納期を厳守して質の高い記事を執筆できるよう尽力いたします。業務時間外や週末を活用し、責任を持って業務を遂行いたします。
ケース3:趣味や特技を活かしたい場合(講師・販売など)
【ポイント】
「好き」という熱意に加え、それを仕事として割り切って遂行できるプロ意識を伝えます。
【例文:スクール講師・販売員など】
貴スクールの「楽しむことから始める」という教育方針に共感し、志望いたしました。私は学生時代から英語学習を継続しており、現在は本業の貿易事務で英語を使用しております。
自身のスキルを活かし、生徒様の成長をサポートする仕事に挑戦したいと強く願っております。副業ではありますが、プロとしての自覚を持ち、生徒様一人ひとりに寄り添った指導を行うことで、貴スクールの評判向上に貢献したいと考えております。
ケース4:在宅ワーク・リモートワークの場合
【ポイント】
対面でのコミュニケーションが少ない分、レスポンスの速さや自律性を強調します。
【例文:在宅事務・カスタマーサポートなど】
貴社のカスタマーサポート業務における、柔軟な働き方と効率化への取り組みに惹かれ、志望いたしました。本業では一般事務としてPC業務全般を担当しており、ブラインドタッチやチャットツールでのコミュニケーションに慣れております。
帰宅後や休日の時間を活用し、静かな環境で集中して業務に取り組むことが可能です。報告・連絡・相談を密に行い、顔が見えなくても信頼していただけるよう、正確かつ迅速な業務遂行を心がけます。
避けるべきNGな書き方
以下のような内容は、「採用してもリスクがある」と判断される可能性があるため避けましょう。
- 「本業が忙しいので、あまり入れません」
- 最初に制約ばかりを主張するのはNGです。「限られた時間ですが集中して働きます」というポジティブな表現に変えましょう。
- 「お小遣い稼ぎがしたいので」
- 軽い気持ちで応募したと思われます。「生活基盤を安定させたい」「時間を有効活用したい」といった表現がベターです。
- 「会社にバレたくないので」
- 税金や手続きの面でトラブルの元になります。副業可の会社であるか、または自分で確定申告を行うなどの知識があることを前提に応募しましょう。
本人希望欄で勤務可能時間を明確にする
副業の場合、志望動機と同じくらい重要なのが「本人希望記入欄」です。ここで具体的な稼働可能時間を伝えておくことで、採用担当者はシフトを組みやすくなります。
【記入例】
現在、正社員として就業中(9:00~18:00)のため、Wワークを希望しております。
■勤務可能日時
平日:19:00以降
土日祝:終日可
※週3日~4日程度の勤務を希望いたします。
■連絡のつきやすい時間帯
平日12:00~13:00、18:30以降
メールでのご連絡は終日確認可能です。
まとめ
副業の履歴書においては、「本業があること」はハンデではありません。むしろ、「本業があるからこそ、限られた時間で効率よく、責任感を持って働く」という姿勢を見せることで、信頼できる人材として評価されます。
飾らない言葉で構いませんので、働く目的と、シフトを守り抜く真面目さを志望動機に込めてください。





