正社員転職で「子供がいること」を履歴書・本人希望欄にどう書く？採用担当者を安心させる例文集

子育て中の正社員転職において、履歴書の「本人希望記入欄」の書き方は非常に重要です。「子供がいると採用に不利になるのではないか」と不安になり、何も書かない方もいますが、それは逆効果になることがあります。

採用担当者が最も懸念しているのは、「子供がいること」そのものではなく、「急な欠勤や早退が頻発しないか」「残業はどの程度できるのか」という勤務実態の不透明さです。

ここでは、正社員として採用されるために、育児状況を適切に伝え、企業の不安を払拭するための本人希望欄の書き方と例文を紹介します。

本人希望欄に子供のことを書く際の基本ルール

正社員応募の場合、本人希望欄には「貴社の規定に従います」と書くのが原則ですが、育児による勤務時間の制約がある場合は、正直に記載してミスマッチを防ぐ必要があります。

評価を下げることなく条件を伝えるためには、以下の3つのポイントを意識してください。

1. 「できないこと」よりも「できること」を強調する

「残業はできません」「土日は出られません」といった拒絶の言葉だけを並べると、協調性がないと判断されかねません。「定時までは集中して業務を遂行します」「事前相談があれば調整可能です」など、前向きな姿勢をセットで記載します。

2. サポート体制（協力者）の有無を明記する

企業が最も恐れる「子供の急病による欠勤」に対して、リスクヘッジができていることを伝えます。「実家の両親のサポートがある」「病児保育を利用する」といったバックアップ体制を記載することで、採用担当者に大きな安心感を与えられます。

3. 具体的な時間と数字で伝える

「夕方は早めに帰りたい」という曖昧な表現ではなく、「保育園のお迎えのため、18時には退社する必要があります」と具体的な時間を明記します。これにより、企業側も配属部署や業務量を検討しやすくなります。

【状況別】正社員応募のための本人希望欄 例文集

ご自身の家庭状況や保育環境に合わせて、最適な例文を選んで調整してください。

ケース1：フルタイム勤務が可能で、残業も多少できる場合

【ポイント】

子供がいるが、業務に支障がないことを強調する最強のアピールパターンです。

【本人希望記入欄】

勤務時間や勤務地につきましては、貴社の規定に従います。

子供がおりますが、近居の親族によるサポート体制が整っているため、急な発熱時や繁忙期の残業にも柔軟に対応可能です。正社員として責任を持って業務に邁進いたします。

ケース2：定時退社が必須（残業不可）の場合

【ポイント】

お迎えのリミットを明確にしつつ、勤務時間内の生産性を約束します。

【本人希望記入欄】

保育園のお迎えがあるため、平日は18時までの退社を希望いたします。

限られた時間ではございますが、業務中は集中して効率的に取り組み、貴社の成果に貢献できるよう努めます。なお、始業時間の繰り上げ等、勤務時間のスライドが可能であれば柔軟に対応いたします。

ケース3：子供の急病時の対応策がある場合

【ポイント】

「休みがちになるのでは？」という不安を先回りして解消します。

【本人希望記入欄】

勤務条件は貴社の規定に従います。

子供の急な体調不良の際は、配偶者と交代で対応するほか、病児保育やファミリーサポートを活用し、業務への影響を最小限に抑える体制を整えております。

ケース4：学校行事などで休みが必要になる場合

【ポイント】

頻度を伝えることで、「たまになら問題ない」と許容してもらいやすくします。

【本人希望記入欄】

勤務時間は貴社の規定に従います。

子供の学校行事等で、2～3ヶ月に1回程度、有給休暇の取得をご相談させていただく場合がございます。その際は業務に支障が出ないよう、早めの申請と業務調整を徹底いたします。

ケース5：土日祝日の出勤が難しい場合（シフト制の職種など）

【ポイント】

サービス業などで土日休みを希望する場合の書き方です。

【本人希望記入欄】

子供の保育園が休園となるため、原則として土日祝日はお休みをいただけますと幸いです。

平日であれば早朝・夕方を含めフルタイムで勤務可能です。また、夏休み等の長期休暇中は学童保育を利用するため、通常通り勤務いたします。

避けるべきNGな書き方

以下のような書き方は、「権利主張が強い」「組織への配慮がない」と受け取られるリスクがあるため避けましょう。

• 「子供がいるので残業は一切できません。」
  • 言い切り型は角が立ちます。「原則定時退社を希望しますが、緊急時はご相談ください」といった余地を残すのがベターです。
• 「子供優先で働かせてください。」
  • 職場は仕事をする場所です。「子供を大切にしつつ、プロとして仕事も全うする」というバランス感覚が必要です。
• 何も書かずに面接で突然言う
  • 書類選考を通過しても、面接で「実は残業できません」と言うと、「条件が合わない」とその場で不採用になる可能性が高いです。お互いの時間ロスを防ぐためにも、履歴書で伝えておくのが誠実な対応です。

まとめ：制約を「覚悟」と「段取り力」に変える

正社員を目指す履歴書において、子供がいることは決して隠すべきことではありません。

大切なのは、**「制約がある中で、いかに責任を果たそうと考えているか」**を伝えることです。サポート体制を整え、限られた時間で成果を出そうとする姿勢は、かえって「段取り力がある」「責任感が強い」という評価につながります。

自信を持って、あなたの働く環境と意欲を履歴書に記載してください。

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人材会社で15年間、転職・中途採用市場における営業職・企画職・調査職の仕事を経験。
社団法人人材サービス産業協議会「転職賃金相場」研究会の元メンバー
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