履歴書の運転免許「AT限定」の正しい書き方と記載が必要なケース
転職活動において履歴書の資格欄を記入する際、運転免許は多くの人が保有している一般的な資格ですが、その書き方に迷うポイントの一つが「AT限定(オートマチック限定)」の扱いです。「AT限定と書くべきなのか」「書かないと経歴詐称になるのか」「正式名称はどう書くのか」といった疑問を持つ方は少なくありません。
近年は社用車もAT車が主流になりつつありますが、職種によってはMT(マニュアル)車の運転が求められるケースもあり、正確な記載がトラブル防止のカギとなります。ここでは履歴書における運転免許のAT限定の正しい書き方や、記載が必要なケース、そして採用における影響について詳しく解説します。
運転免許におけるAT限定の正式な書き方とルール
履歴書の資格欄には、資格の名称を省略せずに正式名称で記載するのが基本ルールです。運転免許の場合も「普通免許」ではなく「普通自動車第一種運転免許」と書きます。
AT限定免許をお持ちの場合、正式名称の後ろにカッコ書きでその旨を記載するのが最も適切で丁寧な書き方です。
基本的な書き方の例
令和〇年〇月 普通自動車第一種運転免許(AT限定) 取得
その他の許容される書き方
令和〇年〇月 普通自動車第一種運転免許(AT車に限る) 取得
どちらの書き方でも問題ありませんが、履歴書全体で統一感を持たせることが大切です。免許証の条件等欄には「AT車に限る」と記載されていますが、履歴書では「(AT限定)」と書くのが一般的で分かりやすい表現として定着しています。
業務で運転する可能性がある場合は必ず記載します
「AT限定」と書くべきかどうか迷った場合、判断基準となるのは「業務で車を運転する可能性があるか」という点です。
営業職、配送業、介護職の送迎、施工管理など、業務で社用車を運転する可能性がある職種に応募する場合は、必ず「AT限定」と明記してください。企業によっては、社用車の一部にまだMT車(トラックや商用バンなど)を使用している場合があるからです。もし記載せずに採用され、いざ業務で「この車に乗って」と言われた車がMT車だった場合、運転できないことによる業務上のトラブルや、最悪の場合は「虚偽の申告をした」と信頼を損なうリスクがあります。
業務で一切運転しない事務職などの場合は、記載を省略しても大きな問題にはなりませんが、正確な情報を伝えるという観点から、書いておくほうが誠実な印象を与えられます。
取得時期によって変わる免許の名称とAT限定の書き方
普通免許は道路交通法の改正により、いつ取得したかによって現在の免許区分(名称)が異なります。ご自身の免許証の左下にある取得日を確認し、正しい名称で記載することで、運転可能な車両の範囲(トラックの大きさなど)を正確にアピールできます。
平成19年(2007年)6月1日以前に取得した場合
現在は「中型免許(8t限定)」という扱いになります。
書き方:中型自動車第一種運転免許(8t限定・AT限定) 取得
平成19年(2007年)6月2日から平成29年(2017年)3月11日に取得した場合
現在は「準中型免許(5t限定)」という扱いになります。
書き方:準中型自動車第一種運転免許(5t限定・AT限定) 取得
平成29年(2017年)3月12日以降に取得した場合
現行の普通免許です。
書き方:普通自動車第一種運転免許(AT限定) 取得
このように、古い免許をお持ちの方は「普通自動車」と書くよりも、現在の区分に合わせて記載したほうが、より大きな車を運転できる能力(ただしATに限る)をアピールできる可能性があります。
AT限定免許は選考で不利になるのか
「AT限定だと就職に不利になるのではないか」と心配される方もいますが、現在のビジネスシーンにおいてAT限定免許が選考で不利になることはほとんどありません。乗用車や小型の商用車はほぼ全てAT車に切り替わっており、運送業などの専門的なドライバー職を除けば、AT限定で業務に支障が出るケースは稀だからです。
むしろ、正直に記載することで「自分のスキルを正確に申告できる人物」としての信頼感につながります。ただし、求人票の応募資格欄に「要普通自動車免許(MT必須)」と明記されている場合に限り、AT限定では応募条件を満たさないことになります。その場合は、限定解除の教習を受ける意思があるかなどを検討する必要があります。
履歴書作成時の最終チェックポイント
運転免許の記載に関しては、以下のポイントを最後に確認してください。
免許証の「交付」の日付ではなく、左下の「他」の欄にある取得日を記載していますか。
西暦か和暦(令和など)か、履歴書全体で統一されていますか。
「合格」ではなく「取得」と書いていますか。
些細なことのように思えますが、資格欄の正確な記述は、事務処理能力の高さや仕事への丁寧さを表す要素となります。AT限定であることを隠さず、正式な書き方で堂々と記載してください。





