履歴書のTOEICスコアの書き方完全ガイド。正式名称からアピールできる点数の目安まで

転職活動において英語力は強力な武器になりますが、その指標として最も広く認知されているのがTOEICです。しかし履歴書の資格欄に記入する際、正式名称はどう書くべきなのか、何点から書けば評価されるのかと迷う方は少なくありません。せっかくのスコアも書き方を間違えるとビジネスマナーを疑われたり、期待通りの評価を得られなかったりすることがあります。ここでは履歴書におけるTOEICの正しい書き方や正式名称、そして転職市場で評価される点数の目安について詳しく解説します。

TOEICは略称ではなく正式名称で記載するのが鉄則です

履歴書の免許・資格欄に記入する際、最も重要なルールは資格名を正式名称で記載することです。普段会話で使っているTOEICという言葉は略称であり、履歴書のような公的な書類にそのまま書くことは不適切とされます。一般的にビジネスで活用されるTOEICテストの正式名称は「TOEIC Listening & Reading Test」です。

記入する際は「令和〇年〇月 TOEIC Listening & Reading Test 750点 取得」といったように記載します。英語表記に不安がある場合は「TOEIC公開テスト 750点 取得」と記載しても問題ありませんが、可能な限り正式名称を使用することをお勧めします。またTOEICには「Speaking & Writing Tests」や初中級者向けの「Bridge Test」もありますので、自分が受験したテストの種類を正確に把握して記載することが重要です。

転職で評価される点数の目安は何点からか

TOEICのスコアを持っているからといって、すべての点数を履歴書に書くべきとは限りません。応募する職種や企業が求めている英語レベルに達していない場合、かえって「英語力が低い」という印象を与えてしまうリスクがあるからです。

一般的に中途採用の履歴書に記載してプラス評価となるのは「600点以上」が目安といわれています。600点は基礎的な英語力があり、業務上の簡単なメモやメールを理解できるレベルとみなされます。英語を日常的には使わない職種や、未経験からのポテンシャル採用であれば、このラインを越えていればアピール材料になります。

一方で、日常的に英語を使用する職種や外資系企業を目指す場合は、さらに高いスコアが求められます。業務で英語を使うなら「700点から800点以上」が評価のスタートラインとなることが多いです。自身のスコアが応募先企業の求めるレベルに達しているかを客観的に判断し、記載するかどうかを決める戦略が必要です。

IPテスト（団体受験）や古いスコアの取り扱いについて

大学や以前の職場で団体受験する「TOEIC IPテスト」のスコアを持っている場合、これを履歴書に書いても良いか悩むことがありますが、結論から言えば記載しても問題ありません。IPテストも公開テストも問題の難易度やスコアの有効性は同等とされています。ただし、より正確を期すならば「令和〇年〇月 TOEIC IPテスト 700点 取得」と明記しておくと親切です。企業によっては公開テストの公式認定証の提出を求められる場合があるため、その際は改めて公開テストを受験する必要があります。

またスコアの有効期限についても注意が必要です。TOEICに公式な有効期限はありませんが、英語力は使わなければ低下していくため、一般的には「取得から2年以内」のスコアが現在の実力を示すものとして信頼されます。もし5年以上前のスコアしか持っていない場合は、現在の英語力を証明するために再受験するか、職務経歴書で実務での使用経験を補足するなどの工夫が必要です。

点数が低い場合や勉強中の場合の書き方テクニック

現時点でのTOEICスコアが600点未満である場合や、最後に受験してから時間が経っている場合は、あえて資格欄には書かないという選択肢もあります。低い点数を書いて苦手意識を強調してしまうよりは、書かずに他の強みをアピールする方が得策な場合があるからです。

しかし、現在英語学習に力を入れている場合は、その意欲をアピールすることができます。資格欄の空いているスペースに「現在、TOEIC 700点取得に向けて学習中（〇月受験予定）」と記載することで、向上心や学習意欲を伝えることが可能です。特に英語力が必須ではないものの歓迎されるような求人においては、現状のスキル不足を補う有効なアピールとなります。

英語力はスコアだけでなく実務経験とセットで伝える

履歴書の資格欄にTOEICスコアを書くだけでなく、職務経歴書や自己PR欄を活用して「実際の仕事で英語をどう使っていたか」を伝えることが転職成功の鍵となります。スコアはあくまで基礎能力の証明に過ぎません。「海外支社とのメール対応を行っていた」「英文のマニュアルを翻訳して実務に活かした」といった具体的なエピソードを添えることで、採用担当者は入社後の活躍イメージを具体的に描くことができます。

TOEICスコアは強力な武器ですが、それをどう見せるかという「伝え方」も同様に重要です。正式名称で正しく記載し、実務経験と合わせてアピールすることで、書類選考の通過率を確実に高めてください。

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人材会社で15年間、転職・中途採用市場における営業職・企画職・調査職の仕事を経験。
社団法人人材サービス産業協議会「転職賃金相場」研究会の元メンバー
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