履歴書の職歴欄「退職予定」の正しい書き方!在職中の転職活動で好印象を与えるマナー
働きながら転職活動を行う「在職中の転職」において、履歴書の職歴欄をどのように締めくくるべきか迷う方は少なくありません。すでに退職が決まっている場合や、退職交渉中の場合、「現在に至る」だけで良いのか、それとも「退職予定」と書くべきなのか。この書き方一つで、採用担当者が抱く「いつ入社してくれるのか」という疑問を解消し、採用計画をスムーズに進めさせる助けとなります。
ここでは、在職中の履歴書における「退職予定」の正しい記載ルールや、退職日が未定の場合の対処法、そして入社可能日をスムーズに伝えるためのテクニックについて詳しく解説します。
在職中の履歴書には「退職予定」を記載すべきか?
結論から言うと、退職日が確定している場合は、履歴書の職歴欄に「退職予定」と記載することが推奨されます。
採用担当者が書類選考や面接で最も気にすることの一つが、「内定を出したら、いつから働けるのか(入社可能時期)」という点です。特に急募の案件や、欠員補充の募集では、入社時期が合否の判断材料になることもあります。
職歴欄に退職予定日が明記されていれば、採用担当者は「この日以降なら入社できるのだな」と計算が立ち、面接の日程調整や社内稟議をスムーズに進めることができます。ビジネスマナーとして、相手の計画を立てやすくするための配慮となりますので、確定している情報は正確に記載しましょう。
退職日が確定している場合の具体的な書き方
すでに退職願が受理され、退職日が確定している場合の書き方は以下の通りです。
1. 「現在に至る」の横に記載するパターン
職歴欄の最終行に現在の勤務先情報を書き、その下の行に「現在に至る」と書きます。スペースに余裕がある場合は、その横に括弧書きで退職予定日を記入します。
【記入例】
平成〇年〇月 株式会社〇〇 入社
営業部に配属。法人営業を担当
令和〇年〇月 現在に至る(令和〇年〇月〇日 退職予定)
2. 改行して記載するパターン
「現在に至る」の横にスペースがない場合や、より目立たせたい場合は、改行して次の行の右端に記載しても構いません。
【記入例】
平成〇年〇月 株式会社〇〇 入社
令和〇年〇月 現在に至る
(令和〇年〇月〇日 退職予定)
いずれの場合も、最後にはさらに一行空けるか、次の行の右端に「以上」と記載して締めくくります。
退職日が未定の場合や交渉中の書き方
まだ退職を申し出ていない場合や、退職交渉中で具体的な日付が決まっていない場合は、無理に日付を書く必要はありません。この場合はシンプルに**「現在に至る」**とのみ記載し、最後に「以上」で締めます。
もし「大体このくらいには辞められそう」という目処が立っていたとしても、確定していない日付を履歴書に書くのはリスクがあります。選考が進む中で退職交渉が難航し、記載した日付に退職できないとなれば、転職先企業に迷惑をかけ、信用を失うことになりかねないからです。
未定の場合は、履歴書には書かず、面接の際に「内定をいただいてから1ヶ月から1.5ヶ月程度で入社可能です」と口頭で伝えるか、本人希望記入欄で補足するのが賢明です。
有給消化中の場合はどう書く?
すでに最終出社を終え、有給休暇の消化に入っている期間中に転職活動をする場合も、籍はまだ会社にありますので「在職中」の扱いとなります。したがって、書き方は在職中と同じく「現在に至る(令和〇年〇月〇日 退職予定)」とします。
もし、すでにいつでも動ける状態であることをアピールしたい場合は、本人希望記入欄などに「現在は有給消化期間中のため、即日勤務開始も可能です(退職日は〇月〇日)」といった補足を添えると、急募企業にとっては魅力的な人材に映ります。
本人希望記入欄で入社可能日を補足するテクニック
職歴欄はスペースが限られているため、詳細な事情を書ききれないことがあります。その場合は、履歴書の最後にある「本人希望記入欄」を有効活用しましょう。
ここには、希望職種や勤務地だけでなく、入社可能時期についての補足を記載することができます。
【記入例:退職日が決まっている場合】
〇月〇日に現職を退職予定ですので、〇月〇日より就業可能です。
【記入例:退職日が未定だが、引き継ぎ期間の目安を伝える場合】
現在在職中のため、内定をいただいてから引き継ぎ等で1ヶ月〜1.5ヶ月程度のお時間をいただけますと幸いです。
このように記載しておけば、採用担当者との認識のズレを防ぐことができます。
「退社」と「退職」の使い分けと注意点
細かい点ですが、言葉の使い分けにも注意が必要です。
一般的に、履歴書の職歴欄で会社を辞めた過去の事実を書く際は「一身上の都合により退社」と書くのが通例です(会社を「出る」という意味合い)。
一方で、これから辞める予定を書く場合は「退職予定」という言葉が使われることが多い傾向にあります(職を「辞する」という意味合い)。
もちろん「退社予定」と書いても間違いではありませんが、自身の意思で職を辞するニュアンスが伝わりやすい「退職予定」が無難であり一般的です。
履歴書はあなたのキャリアだけでなく、ビジネス実務能力や相手への配慮も映し出す鏡です。状況に合わせて正確な情報を記載し、スムーズな転職活動へと繋げてください。





