履歴書の書き方を教えてくれる場所とサービス。無料でプロに相談して書類通過率を上げる方法

転職活動を始めると、多くの人が最初につまずくのが履歴書の作成です。志望動機が思い浮かばない、職歴をどうアピールすればいいかわからない、そもそも正しい書き方が不安といった悩みを抱え、誰かに教えてほしいと考えるのは自然なことです。自分一人で悩んで時間を浪費するよりも、プロの視点を取り入れることで書類の完成度は劇的に向上します。

実は履歴書の書き方を教えてくれる場所やサービスは数多く存在し、その多くが無料で利用できます。ここでは履歴書の書き方を基礎から教えてくれる公的機関や、通過率を上げるためのテクニックを指南してくれる転職エージェント、さらにじっくり相談できる有料サービスなど、状況に合わせた相談先の選び方について詳しく解説します。

基礎から無料で教えてくれるハローワークなどの公的機関

履歴書の書き方を一から丁寧に教えてほしい場合、最も身近で安心できる相談先がハローワーク（公共職業安定所）です。ハローワークは求人を紹介するだけでなく、就職や転職活動をサポートするための様々なサービスを提供しています。

ハローワークの窓口では、相談員が対面で履歴書の書き方を指導してくれます。日本産業規格（JIS規格）などの基本的な履歴書のルールや、職歴の正しい記載方法、空欄を作らないためのアドバイスなど、基礎を固めるには最適な場所です。また、わかものハローワークやマザーズハローワークなど、年齢や属性に特化した施設もあり、それぞれの状況に合わせたきめ細やかなアドバイスを受けることができます。

さらに、ジョブカフェ（若年者のためのワンストップサービスセンター）や地域若者サポートステーション（サポステ）といった公的機関でも、若年層を対象に書類作成のサポートを行っています。これらはすべて無料で利用でき、対面でじっくり相談できる点が大きなメリットです。ただし、担当者によってアドバイスの質にばらつきがある場合や、混雑時には予約が必要になる場合がある点は留意しておく必要があります。

企業目線で受かる書類を教えてくれる転職エージェント

基礎的な書き方はわかっているものの、書類選考になかなか通らない、もっとアピール力を高めたいという方には、転職エージェント（人材紹介会社）の活用が最も効果的です。転職エージェントは、求人企業がどのような人材を求めているかを熟知しているため、単に正しい書き方だけでなく、採用担当者に響く書き方を教えてくれます。

エージェントに登録すると、担当のキャリアアドバイザーがつきます。彼らはあなたの経歴を棚卸しし、応募する企業のニーズに合わせて職務経歴書の強みを強調したり、志望動機の論理構成を修正したりといった具体的な添削を行ってくれます。自分では気づかなかったアピールポイントを引き出してくれることも多く、書類選考の通過率を上げるための強力なパートナーとなります。

リクルートエージェントやdoda、マイナビエージェントなどの大手はもちろん、業界特化型のエージェントも多数存在します。これらも求職者は無料で利用できます。ただし、エージェントは求人紹介を前提としたサービスであるため、紹介できる求人がない場合などはサポートを受けられないこともあります。

自己分析から徹底的に深掘りする有料キャリアコーチング

近年注目を集めているのが、ポジウィルキャリアやマジキャリなどに代表される有料のキャリアコーチングサービスです。転職エージェントが求人への応募をゴールにしているのに対し、キャリアコーチングは個人のキャリア設計を主眼に置いています。そのため、特定の企業に受かるためのテクニックだけでなく、そもそもなぜ転職したいのか、自分の強みは何なのかといった自己分析の部分から徹底的に伴走してくれます。

有料である分、サポートの手厚さは圧倒的です。プロのコーチがマンツーマンで時間をかけ、あなたの人生観や価値観を言語化し、それを履歴書や職務経歴書に落とし込む作業を手伝ってくれます。費用はかかりますが、自分のキャリアに迷いがある場合や、一生使える自己分析スキルを身につけたい場合には検討する価値があります。また、ココナラなどのスキルシェアサービスを利用して、個人のキャリアコンサルタントや採用経験者に単発で添削を依頼する方法もあり、こちらは比較的安価にプロの意見を聞くことができます。

手軽に書き方を学べるWebサイトやAIツールの活用

対面で人に相談する前に、まずは自分で情報を集めたいという場合は、転職サイトが運営しているノウハウ記事や、履歴書作成ツールを活用するのが効率的です。多くの転職サイトでは、職種別の志望動機例文や、NGワード集、履歴書テンプレートのダウンロードなどが無料で提供されています。これらを参考にするだけでも、標準的なレベルの履歴書を作成することは可能です。

また最近では、ChatGPTなどの生成AIを活用して、自己PRのたたき台を作成したり、文章の推敲を行ったりすることも一般的になりつつあります。自分の経歴や強みを入力して履歴書の自己PRを作ってくださいと指示すれば、数秒で文章が生成されます。もちろんそのまま使うのではなく、自分の言葉で修正する必要がありますが、ゼロから文章を考える苦労を大幅に減らすことができます。まずはこうしたツールでドラフト（下書き）を作成し、その上でエージェントやハローワークで添削してもらうという流れが、最も効率的で質の高い書類を作る手順といえます。

自分の状況に合わせた最適な相談先の選び方

履歴書の書き方を教えてくれる場所は多岐にわたりますが、現在の自分の状況に合わせて選ぶことが大切です。書き方のルールすらわからない、就職活動が初めてという方は、まずはハローワークなどの公的機関で基礎を学ぶのが安心です。ある程度書き方はわかるが、もっとレベルアップしたい、特定の企業に受かりたいという方は、転職エージェントを利用して実践的な添削を受けるのが近道です。

自分のキャリア自体に迷いがあり、根本から見直したい方は、有料のキャリアコーチングでじっくり相談することをお勧めします。とりあえず手早く形にしたい方は、WebサイトやAIツールを活用して自力で作成してみるのも良いでしょう。重要なのは、自分一人で抱え込まないことです。履歴書は他人に読んでもらうための書類ですから、第三者の視点が入ることで客観性が増し、説得力のある内容へと磨かれます。無料で使えるリソースを賢く活用し、自信を持って提出できる履歴書を完成させてください。

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人材会社で15年間、転職・中途採用市場における営業職・企画職・調査職の仕事を経験。
社団法人人材サービス産業協議会「転職賃金相場」研究会の元メンバー
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