無人航空機操縦士の履歴書への正しい書き方と転職で有利になるアピール方法

ドローンの活用が物流や測量、点検、空撮など多岐にわたる分野で急速に進む中、ドローンを操縦できるスキルは転職市場において大きな武器となります。特に2022年12月から国家資格として制度化された無人航空機操縦士は、専門性と信頼性を証明する重要な資格です。しかし歴史の浅い資格であるため、履歴書の資格欄にどのように記載すればよいのか、民間資格とはどう区別すればよいのか迷う方は少なくありません。ここでは無人航空機操縦士の履歴書への正しい書き方や正式名称、そして書類選考で評価されるためのアピール方法について詳しく解説します。

無人航空機操縦士の正式名称と履歴書への記載ルール

履歴書の免許や資格欄に記入する際、最も重要なのは略称を使わずに正式名称で記載することです。ドローン免許やドローン国家資格といった通称で書くのは不適切です。国家資格である無人航空機操縦士には一等と二等の区分がありますので、ご自身が取得した区分に合わせて正確に記入する必要があります。

具体的な書き方としては、二等資格を持っている場合は二等無人航空機操縦士 取得と記載します。一等資格の場合は一等無人航空機操縦士 取得となります。もし限定解除（目視内飛行や昼間飛行の限定を解除）をしている場合は、カッコ書きで（目視外飛行限定解除）や（夜間飛行限定解除）と添えることで、より高度な飛行が可能であることをアピールできます。国家資格であることを明確にするために、国土交通省などの省庁名を書く必要は基本的にはありませんが、資格名の前に国家資格と小さく添えることは許容範囲です。

民間資格と国家資格の書き分け方と注意点

ドローンの資格には国家資格である無人航空機操縦士のほかに、JUIDAやDPA、DJIなどが認定する民間資格が数多く存在します。これらを持っている場合も履歴書に記載することは可能ですが、国家資格と混同しないように書き分けることが重要です。民間資格の場合は、主催団体名を必ず記載するのがマナーです。

例えばJUIDAの資格であれば、JUIDA認定 無人航空機操縦技能証明証 取得やJUIDA認定 安全運航管理者証明証 取得といったように記載します。DPAの場合はDPA認定 ドローン操縦士回転翼3級 取得となります。採用担当者がドローンの資格制度に詳しくない可能性もあるため、団体名を明記することでどの程度のスキルセットを持っているのかを検索しやすくする配慮が求められます。国家資格と民間資格の両方を持っている場合は、国家資格を優先して上に書き、その下に民間資格を記載すると見やすくなります。

取得年月日の確認方法と記載する際のポイント

履歴書の資格欄には資格名称とともに取得年月を記載する必要があります。無人航空機操縦士の場合、試験に合格した日ではなく、技能証明書（免許証）が交付された日を記載するのが一般的です。お手元の技能証明書に記載されている交付年月日を確認し、履歴書全体の年号（西暦か和暦か）と統一して記入します。

まだ交付されていない段階で履歴書を作成する場合は、二等無人航空機操縦士試験 合格（免許交付申請中）と記載することで、すでに技能を有していることを伝えることができます。これから取得予定の場合も、二等無人航空機操縦士 取得に向けて勉強中（〇月受験予定）と書くことで、業務に必要なスキルを自ら習得しようとする意欲や向上心をアピールすることが可能です。

ドローンの資格を職務経歴書や自己PRで活用する方法

履歴書の資格欄に記載するだけでは、その資格を実務でどう活かせるかまでは伝わりません。職務経歴書や自己PR欄を活用して、具体的な操縦経験や安全管理能力を補足することが書類選考突破の鍵となります。

具体的には、総飛行時間や使用したことのある機体名、経験した飛行環境（人口密集地、夜間、海上など）を数値や具体例を用いて記述します。またドローン業務においては操縦技術だけでなく、航空法などの法令遵守や安全管理への意識が極めて重要視されます。飛行計画の作成経験やリスクアセスメントの実施経験があれば、それらも併せて記載することで、安全に業務を遂行できるプロフェッショナルであることを証明できます。

資格がなくても操縦経験がある場合のアピール

国家資格や民間資格を持っていなくても、業務や趣味でドローンの操縦経験が豊富にある場合は、それをアピールしない手はありません。この場合は資格欄には書けませんので、趣味や特技の欄、あるいは自己PR欄を使用します。

書き方としては、ドローン空撮（飛行歴3年、動画編集ソフトPremiere Pro使用可能）や、農薬散布ドローンの補助業務経験ありといったように、何ができるのかを具体的に示します。特に空撮業務では撮影だけでなく編集スキルも求められることが多いため、セットでアピールすると評価が高まります。また、現在は航空法の改正により資格の重要性が増しているため、実務経験があることを前提に、入社後に資格取得を目指す意思があることを書き添えると、即戦力候補としてポジティブな印象を与えることができます。

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人材会社で15年間、転職・中途採用市場における営業職・企画職・調査職の仕事を経験。
社団法人人材サービス産業協議会「転職賃金相場」研究会の元メンバー
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