エステティシャンの履歴書作成ガイド。採用担当者が会いたくなる「美」と「実力」のアピール術
美を提供するプロフェッショナルであるエステティシャンの採用試験において、履歴書は単なる経歴データではありません。その一枚の書類から、応募者の美意識、接客マナー、そして仕事に対する姿勢が厳しくチェックされます。
技術や経験があっても、書類の書き方が雑であったり、アピールポイントがずれていたりすると、「お客様への対応も雑なのではないか」と判断されかねません。
ここでは、エステサロンの採用担当者に「この人に会ってみたい」「お客様を任せられそうだ」と思わせるための履歴書の書き方や、経験者・未経験者別のアピールポイントについて詳しく解説します。
エステ業界の採用担当者が履歴書で最重要視する「第一印象」
エステティシャンの履歴書において、最も力を入れるべきなのは**「証明写真」**です。これは容姿の美醜を判断するためではなく、「サロンの顔としてふさわしい清潔感と身だしなみ」を備えているかを確認するためです。
- 表情: 真顔ではなく、口角を上げた柔らかな微笑みを意識してください。お客様に安心感を与える「ホスピタリティ」が表情から伝わることが大切です。
- メイクと髪型: 応募するサロンの雰囲気に合わせることが重要です。ラグジュアリーなサロンなら上品に、カジュアルなサロンなら親しみやすく。ただし、前髪が目にかかっていたり、メイクが濃すぎたりするのは清潔感を損なうためNGです。
- 撮影方法: 可能な限り写真館で撮影することをお勧めします。プロによるライティングと姿勢の補正は、あなたの魅力を最大限に引き出し、美意識の高さを証明します。
職歴欄は「施術内容」と「売上実績」で具体性を持たせる
経験者の場合、単に「〇〇エステサロン 入社」と書くだけでは不十分です。エステと一口に言っても、フェイシャル、ボディ、脱毛、痩身など分野は多岐にわたります。採用担当者が即戦力かどうかを判断できるよう、以下の要素を盛り込んで記載しましょう。
- サロンの規模と種類: 個人経営かチェーン店か、トータルエステか専門サロンか。
- 担当した施術と機器: ハンドマッサージ中心か、特定の美容機器(キャビテーション、ハイフなど)を使用していたか。
- 実績(数値): 指名数、リピート率、物販の売上実績、店舗内順位など。
【記入例】
平成〇年〇月 株式会社〇〇 入社
痩身専門サロンにて施術・カウンセリング・物販を担当
[使用機器] ラジオ波、EMS、吸引マシン
※月間個人売上150万円を達成(店舗内1位)
令和〇年〇月 一身上の都合により退職
このように記載することで、技術力だけでなく「数字を作れるエステティシャン(カウンセリング力がある)」であることをアピールできます。
未経験からエステティシャンを目指す場合のアピール戦略
未経験者の場合、技術がないことはハンデにはなりません。多くのサロンでは研修制度が整っているため、重視されるのは「接客適性」と「体力・向上心」です。
- 接客経験の強調: 飲食店や販売職など、人と接する仕事の経験があれば、そこで培ったコミュニケーション能力や気配りのエピソードを職歴や自己PRに盛り込みます。
- 体力と根性: エステティシャンは立ち仕事であり、体力勝負の側面があります。スポーツ経験や、継続して何かに取り組んだ経験は「すぐに辞めない」という安心感につながります。
- 美への関心と学習意欲: なぜ美容の仕事がしたいのか、日頃から美容情報にアンテナを張っているかなど、プロを目指す熱意を伝えてください。
資格欄は正式名称で記載し「知識の裏付け」を示す
エステティシャンには国家資格はありませんが、民間資格を持っていることは知識とスキルの客観的な証明になります。必ず正式名称で記載しましょう。
【主な資格の正式名称例】
- 日本エステティック協会(AJESTHE):
- 一般社団法人日本エステティック協会認定エステティシャン
- 日本エステティック業協会(AEA):
- 一般社団法人日本エステティック業協会認定エステティシャン
- 国際資格:
- CIDESCO(シデスコ)認定インターナショナルエステティシャン
資格がない場合でも、現在勉強中であれば「〇〇資格取得に向けて勉強中」と記載することで、向上心をアピールできます。
「美容が好き」だけでは響かない?志望動機の深め方
志望動機で「美容が好きだから」「人を綺麗にしたいから」という理由は大切ですが、それだけでは他の応募者と差別化できません。「なぜそのサロンなのか」を明確にする必要があります。
- サロンの理念への共感: 「結果にこだわる」のか「癒やしを提供する」のか、そのサロンの方針と自分の目指すエステティシャン像が一致していることを伝えます。
- 技術やメニューへの関心: 「貴店独自の〇〇というメソッドに魅力を感じ、その技術を習得してより多くのお客様を喜ばせたい」といった具体的な意欲を示します。
- キャリアビジョン: 「将来的にはチーフとして店舗運営にも携わりたい」など、長く貢献する意思を見せることも有効です。
細部への美意識が合否を分ける最終チェックポイント
最後に、履歴書全体を見渡して「美しさ」を確認してください。
- 文字の丁寧さ: 手書きの場合は、止め・はね・払いを意識して丁寧に書きます。字の上手下手よりも、丁寧に書こうとする姿勢が「お客様への丁寧さ」とリンクして評価されます。
- 修正テープは厳禁: 書き損じた場合は、必ず新しい用紙に書き直します。修正跡のある履歴書は、プロ意識が欠如しているとみなされるリスクがあります。
- 汚れや折れ: 用紙に汚れがないか、写真が曲がっていないかを確認し、クリアファイルに入れて提出(または持参)しましょう。
エステティシャンの履歴書は、あなた自身の「プロとしての美意識」をプレゼンテーションする最初のステージです。中身の実績はもちろん、見た目の美しさにもこだわった一枚を作成してください。





