栄養士の転職を成功させる履歴書の書き方完全ガイド!資格の正式名称から業態別志望動機まで
栄養士・管理栄養士の転職活動において、履歴書はあなたの「食の専門家」としてのスキルと、「現場での対応力」を伝えるための重要なツールです。
「資格さえあればどこでも受かる」と思われがちな業界ですが、病院、保育園、委託給食会社など、業態によって求められるスキルは大きく異なります。採用担当者に「この人なら即戦力として任せられる」と思わせるためには、汎用的な履歴書ではなく、栄養士ならではのアピールポイントを押さえた書類作成が不可欠です。
ここでは、栄養士・管理栄養士の履歴書の正しい書き方や、資格欄のルール、そして業態別の志望動機例文について詳しく解説します。
栄養士の履歴書は「専門性」と「対応力」のアピールが鍵
採用担当者が栄養士の履歴書で最も注目しているのは、以下の3点です。
- 保有資格とレベル: 栄養士か管理栄養士か、その他の関連資格はあるか。
- 具体的な実務経験: 「どこで(直営・委託)」「誰に(対象者)」「何食(規模)」提供していたか。
- 業務の幅: 献立作成や栄養指導だけでなく、調理業務や発注・在庫管理ができるか。
特に「調理ができるか」は多くの現場で重視されます。デスクワーク専任希望であっても、現場の調理工程を理解していることは強みになります。これらを職歴や自己PRに盛り込むことで、通過率はぐっと高まります。
【資格欄】管理栄養士・栄養士免許の正式名称と正しい書き方
栄養士の履歴書において、資格欄は最大のアピールポイントです。略称を使わず、免許証を確認して正確に記載しましょう。
正式名称と書き方のルール
- 栄養士: 「栄養士免許 取得」
- 管理栄養士: 「管理栄養士免許 取得」※「合格」ではなく、免許証が交付された事実を示す「取得」と書くのが一般的です。
複数の資格を持っている場合の書き順
基本的には取得順(古い順)に書きますが、アピールしたい資格を目立たせる工夫も有効です。
- 栄養士免許
- 管理栄養士免許
- 調理師免許
- 専門フードスペシャリスト など
※運転免許がある場合は、食材の運搬や訪問指導などで役立つ可能性があるため、必ず記載しましょう。
【職歴欄】食数・対象者・担当業務を具体的に記載する
職歴欄に「〇〇病院 入社」と書くだけでは、あなたのスキルは伝わりません。栄養士の業務は多岐にわたるため、以下の要素を盛り込んで「どのような環境で何をしていたか」を具体化してください。
記載すべき具体的な項目
- 雇用形態: 直営か委託給食会社か
- 施設の規模: 提供食数(朝〇食、昼〇食、夕〇食)
- 対象者: 高齢者、乳幼児、傷病者(透析食、糖尿病食など対応食種)
- 担当業務: 献立作成、発注、検品、調理、盛り付け、洗浄、栄養指導、帳票管理など
【記入例:委託給食会社から転職する場合】
平成〇年〇月 株式会社〇〇給食 入社
[配属先] 特別養護老人ホーム△△(入所者100名)
[担当業務]
・朝昼夕 各100食の調理、盛り付け、洗浄
・食材発注、在庫管理、棚卸し
・行事食の企画、メッセージカード作成
令和〇年〇月 一身上の都合により退職
委託会社で複数の現場を経験した場合は、主な配属先をピックアップして記載するか、「詳細は職務経歴書に記載」として概要をまとめると見やすくなります。
【志望動機】病院・保育園・委託会社別のアピールポイントと例文
栄養士が活躍するフィールドは様々です。応募先の業態に合わせてアピール内容を変えることが、採用への近道です。
1. 病院・福祉施設への志望動機(管理栄養士向け)
ポイント: 臨床知識、チーム医療への貢献、患者様への寄り添い。
「前職の特別養護老人ホームでは、利用者様の『食べる楽しみ』を支えることにやりがいを感じてまいりました。今後は管理栄養士としてより専門的な栄養管理に携わりたいと考え、チーム医療に力を入れている貴院を志望いたしました。病棟カンファレンスへ積極的に参加し、患者様一人ひとりの病態や生活背景に合わせた栄養指導で、治療とQOL向上に貢献したいと考えております。」
2. 保育園への志望動機
ポイント: 食育への関心、アレルギー対応、子どもや保護者とのコミュニケーション。
「『食』を通して子どもたちの健やかな成長を支えたいと思い、食育活動に熱心な貴園を志望いたしました。前職の委託会社ではアレルギー対応食の調理を3年間担当し、誤配防止の徹底や代替食の工夫を行ってまいりました。この経験を活かし、安全で美味しい給食作りはもちろん、子どもたちが食材に興味を持てるような食育だよりの作成やクッキング保育の企画にも挑戦したいです。」
3. 委託給食会社への志望動機
ポイント: 大量調理のスキル、効率性、衛生管理意識、体力。
「調理現場で多くの食事を提供するという給食業務の根幹に携わり続けたいと考え、幅広い受託先を持つ貴社を志望いたしました。現職では1回300食の調理を担当しており、衛生管理を徹底しながら、時間内に温かい食事を提供するスピーディーな調理スキルを磨いてまいりました。貴社においても、現場の責任者としてスタッフと連携し、安全で質の高い食事提供に貢献いたします。」
【自己PR】調理だけじゃない!事務スキルやコミュニケーション力も武器になる
栄養士の仕事は調理や献立作成だけではありません。以下のようなスキルも強力なアピール材料になります。
- PCスキル・事務処理能力:栄養価計算ソフトの使用経験や、Word・Excelでの帳票作成、食数管理などの事務処理能力は、現場の効率化に欠かせません。
- コミュニケーション能力:調理スタッフ(パート・アルバイト)への指示出しやシフト管理、他職種(医師、看護師、保育士)との連携経験は、リーダー候補として高く評価されます。
- 改善提案力:「残食調査を行いメニューを改善した」「作業動線を見直して残業を減らした」といった具体的なエピソードは、課題解決能力の証明になります。
まとめ
栄養士の履歴書は、専門資格をベースにしつつ、具体的な「現場経験(食数や業務範囲)」と「業態への理解(志望動機)」を掛け合わせることで、説得力が格段に増します。
採用担当者は、あなたが現場でテキパキと動いている姿や、対象者に優しく接している姿をイメージしたいと考えています。丁寧な字で、あなたの食に対する熱意と実務能力をしっかりと伝えてください。





