履歴書における「Diploma(ディプロマ)」の正しい書き方と評価されるアピール術
留学経験者や専門的なスキルを持つ方にとって、「Diploma(ディプロマ)」は自身の能力を証明する重要な成果です。しかし、日本の履歴書には決まった「書き方」のルールがあり、単に「Diploma取得」と書くだけでは、採用担当者にその価値が正しく伝わらないことがあります。
「学歴欄に書くべきか、資格欄に書くべきか」「カタカナで書くべきか、英語のままか」など、迷いやすいポイントは数多く存在します。
ここでは、取得したDiplomaの種類ごとの正しい記載場所や、日本企業へ提出する履歴書での適切な表記方法、そしてその価値を最大限にアピールするためのテクニックについて詳しく解説します。
Diploma(ディプロマ)とは?履歴書での扱いは種類で変わる
まず重要なのは、あなたが持っている「Diploma」がどのような性質のものかを整理することです。国や教育機関によって定義が異なるため、それによって履歴書の「学歴欄」に書くか「免許・資格欄」に書くかが変わります。
大きく分けて以下の3つのパターンがあります。
- 海外の大学・短大・専門学校の卒業・修了資格(イギリス、オーストラリア、カナダなどの高等教育機関で授与されるもの)
- 専門的な技能証明・民間資格(アロマテラピー、ワイン、美容、英語教授法など)
- 国際バカロレア資格(IB Diploma)(国際的な大学入学資格)
それぞれのパターンに応じた書き方を解説します。
1. 海外留学(大学・専門学校)で取得した場合の書き方
海外のコミュニティカレッジやTAFE(オーストラリアの職業訓練校)などで取得したDiplomaは、日本における「短期大学士」や「専門士」に相当する学位・称号として扱われるケースが多いです。
記載場所:学歴欄
正規の留学(語学留学ではなく、学位や専門士取得を目的としたもの)であれば、「学歴」欄に時系列に沿って記載します。
書き方のポイント
日本の採用担当者がパッと見て理解できるよう、**「カタカナ表記」**を基本とし、必要に応じてカッコ書きで英語表記やレベル感を補足します。
【記入例】
Plaintext
2021年 9月 ABC College(カナダ) ホスピタリティマネジメントコース 入学
2023年 6月 同校 卒業(Diploma in Hospitality Management 取得)
【ポイント】
- 「卒業」または「修了」とする: 海外の教育機関の場合、課程を終えたことを明確にします。
- 専攻内容を明記する: 何を学んだDiplomaなのかが重要です。
- レベルの補足: もし「Advanced Diploma(準学士・高度専門士相当)」など上位の資格であれば、それを明記することで評価が高まります。
2. 専門技能・民間資格としてのDiplomaの場合
アロマテラピー(CIDESCOなど)、ワイン(WSETなど)、英語教授法(TEFL/TESOLなど)といった、特定のスキルを認定する国際資格としてのDiplomaです。
記載場所:免許・資格欄
これらは学位ではなく「資格」としての性質が強いため、「免許・資格」欄に記載します。
書き方のポイント
資格の正式名称を記載し、主催団体が明確であればそれも併記します。
【記入例】
Plaintext
令和〇年〇月 英国WSET認定 WSET Level 4 Diploma 取得
令和〇年〇月 CIDESCO認定 インターナショナル・エステティシャン(Diploma) 取得
【ポイント】
- 主催団体を書く: どこの機関が認定したものか(国際的な権威があるか)を示すことで、資格の信頼性が増します。
- 取得と書く: 資格の場合は「合格」や「取得」を用います。Diplomaの場合は証書が授与されるため「取得」が一般的です。
3. 国際バカロレア(IB Diploma)の場合
国際的な大学入学資格である「国際バカロレア(IB)」のディプロマを取得している場合です。近年、グローバル人材としての基礎能力証明として注目されています。
記載場所:免許・資格欄(または学歴欄の補足)
高校卒業資格そのものは学歴欄に書きますが、「IB Diploma」という資格自体の取得は**「免許・資格」欄**に書くのが最もアピールにつながります。
【記入例】
Plaintext
令和〇年〇月 国際バカロレア資格(IB Diploma) 取得(スコア:〇〇点)
【ポイント】
- スコアを記載する: IBは取得の事実だけでなく、スコア(45点満点)が重要視されます。高得点であれば必ず記載しましょう。
- バイリンガル・論理的思考力の証明: 資格欄に書くことで、単なる「帰国子女」というだけでなく、「高度な教育プログラムを修了した」という証明になります。
英語で書くべきか、カタカナで書くべきか?
「Diploma」という言葉自体は日本でも浸透していますが、具体的なコース名や資格名になると、英語のまま書くべきか迷うところです。
結論:基本は「カタカナ(日本語)」、難しければ「英語」を併記
日本の企業に応募する場合、採用担当者が必ずしも英語に堪能とは限りません。
- ×
ABC College Diploma in International Business(英語のみだと読み飛ばされるリスクあり) - ○
ABCカレッジ 国際ビジネスコース ディプロマ取得(カタカナなら内容が伝わる)
英語の正式名称を見せたい場合は、カタカナの後にカッコ書きで (Diploma in International Business) と添えるのが最も親切で確実な書き方です。
「Diploma」を書類選考で強力な武器にするために
履歴書に「Diploma取得」と書いただけでは、「何か資格を取ったんだな」程度にしか思われない可能性があります。その価値を正しく評価してもらうためには、職務経歴書や自己PR欄での補足説明が不可欠です。
1. 「何の」専門家なのかを説明する
日本では馴染みのないDiplomaの場合、「それは日本の資格で言うと何に相当するのか」「どのようなスキルが身につくものなのか」を職務経歴書の自己PR欄で補足しましょう。
例:「このDiplomaは、現地での1年間の実務研修を含むプログラムであり、即戦力としてのホテル実務知識を習得しました」
2. 語学力とセットでアピールする
Diplomaを取得したということは、専門知識を「英語(または現地の言葉)で」習得したという証明でもあります。
資格欄にTOEICスコアなどを併記し、「専門性 × 語学力」の掛け合わせでアピールすると、グローバル人材としての価値が格段に上がります。
3. 取得までのプロセスを語る
特に海外でのDiploma取得は、言語の壁や文化の違いなど、多くの困難を乗り越えた証です。
「なぜそのDiplomaを取得しようと思ったのか」「取得のためにどのような努力をしたか」というプロセスを自己PRに盛り込むことで、目標達成能力や行動力を強く印象づけることができます。
Diplomaは、あなたの専門性と努力の結晶です。読み手である採用担当者にその価値が「伝わる言葉」で記載し、書類選考の突破につなげてください。





