履歴書の書き方におけるボールペンの正解。0.5mmか0.7mmか、水性か油性かまで徹底解説
転職活動において、履歴書を「手書き」で作成する場合、使用するボールペンの選び方は非常に重要です。パソコン作成が主流になりつつある現代でも、手書きの履歴書を求める企業や、面接の場でアンケートなどの記入を求められる場面は少なくありません。
たかがボールペンと思うかもしれませんが、インクの種類や線の太さ一つで、文字の読みやすさや書類全体の印象(清潔感・丁寧さ)は大きく変わります。
ここでは、採用担当者に「読みやすい」「常識がある」と感じさせるためのボールペンの選び方や、絶対に使用してはいけないペンの種類、書き損じた際の対応マナーについて詳しく解説します。
履歴書に最適なボールペンの「太さ」と「インクの色」
履歴書を書く際のボールペン選びで、まず迷うのが芯の太さと色です。結論から言えば、**「黒色の0.5mmまたは0.7mm」**を選ぶのが鉄則です。
太さは「0.5mm」が基本、「0.7mm」はアピール向き
- 0.5mm(標準): 最も一般的でバランスが良い太さです。氏名や住所、学歴・職歴欄など、細かい文字を書く必要がある履歴書において、文字が潰れにくく読みやすいのが特徴です。迷ったら0.5mmを選びましょう。
- 0.7mm(やや太め): 筆圧が弱い方や、文字を大きく力強く見せたい場合に有効です。氏名欄などの広いスペースでは見栄えが良いですが、職歴欄などの行間が狭い箇所では文字が詰まって見えるリスクがあります。
- 0.38mm以下(極細): 手帳用などの極細ペンは、履歴書には不向きです。線が細すぎて頼りない印象を与えたり、読みづらくなったりするため避けましょう。
インクの色は「黒」一択
ビジネス文書である履歴書には、必ず**「黒色」**のインクを使用します。
ブルーブラック(濃紺)は万年筆のインクとして伝統的ですが、ボールペンの場合はカジュアルに見えることがあるため、真っ黒なインクを選ぶのが無難です。
「水性」か「油性」か?インクの種類で印象が変わる
ボールペンのインクには「水性」「油性」「ゲルインク」の3種類があります。それぞれの特徴を理解し、自分に合ったものを選びましょう。
おすすめNo.1:ゲルインク(ゲルボールペン)
水性インクの発色の良さと、油性インクの耐水性を兼ね備えたインクです。
- メリット: なめらかな書き味で、濃くはっきりとした文字が書けます。履歴書全体がキリッと引き締まった印象になります。
- 注意点: インクの乾きがやや遅いため、書いてすぐに手で擦ると汚れてしまうことがあります。
おすすめNo.2:油性インク
昔ながらのボールペンです。
- メリット: 耐水性が高く、裏写りしにくいのが特徴です。公的書類に適しています。
- 注意点: インク溜まり(ボテ)ができやすく、手が汚れたり紙面を汚したりするリスクがあります。最近は低粘度油性(ジェットストリームなど)という書きやすいタイプが人気です。
避けたほうが無難:水性インク
サラサラと書けますが、耐水性が低く、雨や汗で滲んでしまうリスクが高いため、履歴書にはあまり推奨されません。
【結論】
履歴書作成には、**「ゲルインクボールペン」**が最も美しく仕上がるためおすすめです。もし耐水性を最優先するなら「低粘度油性ボールペン」を選びましょう。
絶対NG!「消せるボールペン」を使ってはいけない理由
履歴書作成において、最もやってはいけないのが**「消せるボールペン(フリクションペンなど)」の使用**です。
「書き間違えても直せるから便利」と思うかもしれませんが、履歴書は「公的な文書」であり「信書」に該当します。以下の理由から、ビジネスシーンでの重要書類には不適切とされています。
- 熱で消えるリスク: コピー機の熱や、郵送中の車内の高温などで文字が消えてしまう可能性があります。
- 改ざんの容易さ: 誰でも簡単に書き換えられる書類は、証拠書類としての信頼性がありません。
- ビジネスマナーの欠如: 「消せるペンを使ってはいけない」という常識を知らない、あるいは「書き直す手間を惜しんだ(志望度が低い)」と判断され、その時点で不採用になるケースも多々あります。
下書きやメモには便利ですが、清書には絶対に使わないようにしてください。
書き損じた場合の修正マナー
ボールペンで履歴書を書いていると、どうしても発生するのが誤字脱字です。もし書き損じてしまった場合はどうすればよいのでしょうか。
修正液・修正テープは使用不可
「一文字くらいなら修正テープで直してもいいだろう」と考えるのは危険です。履歴書に修正跡があると、「見栄えが悪い」だけでなく、「公的書類への意識が低い」「ミスをごまかそうとしている」というマイナス評価につながります。
二重線と訂正印も避けるべき
ビジネス文書の訂正ルールとして「二重線+訂正印」という方法はありますが、履歴書は「自分をアピールするための書類」です。訂正印だらけの履歴書では、採用担当者に「入社後もミスが多いのではないか」という不安を与えてしまいます。
結論:新しい用紙に書き直す
手間はかかりますが、**「最初から書き直す」**のが唯一の正解です。
書き損じを防ぐためには、以下の対策が有効です。
- 鉛筆で薄く下書きをする(提出前にきれいに消す)。
- 見本用の履歴書を一枚作成し、それを見ながら書き写す。
- 集中力が切れたら休憩する。
「書き直す労力を厭わない」という姿勢こそが、仕事に対する誠実さの証明になります。
さらに美しく書くための「下敷き」活用術
ボールペン選びと同じくらい重要なのが、**「ソフト下敷き(硬筆用下敷き)」**の使用です。
机の上で直接書いたり、硬いプラスチックの下敷きを使ったりすると、ペン先が滑って文字が安定しません。ゴム製やソフトビニール製の「柔らかい下敷き」を使うことで、ペン先が紙に程よく沈み込み、トメ・ハネ・ハライがきれいに表現できます。
100円ショップや文具店で手に入りますので、ぜひ活用してみてください。これ一つで、文字の「丁寧さ」が格段にアップします。
まとめ
履歴書のボールペン選びは、あなたの「仕事への向き合い方」を表します。
**「黒色のゲルインク、0.5mm」**を基本とし、消せるペンや修正テープは使わず、一文字一文字魂を込めて記入しましょう。その丁寧さは必ず採用担当者に伝わります。





