中途採用の書類選考を突破する履歴書写真の髪型マナーと好印象ポイント

履歴書写真の髪型は清潔感と信頼感を伝えるための戦略的要素です

転職活動において履歴書は、採用担当者が応募者と最初に対面する重要な接点です。その中でも写真は、文字情報以上に直感的な第一印象を決定づける力を持っています。中途採用の選考では、新卒採用のような若々しさやフレッシュさ以上に、ビジネスパーソンとしての落ち着きや信頼感、そして即戦力として顧客の前に出しても恥ずかしくないマナーが備わっているかが厳しくチェックされます。

髪型は、その人の清潔感や性格的な印象を大きく左右するフレームのような役割を果たします。寝癖がついていたり、前髪が目にかかっていたりすると、それだけでだらしない印象や暗い印象を与えてしまい、書類選考の段階でマイナス評価を受けるリスクがあります。逆に、整えられた髪型は仕事への意欲や几帳面さを無言のうちにアピールします。おしゃれさを追求するのではなく、相手に不快感を与えない清潔感を最優先に考え、ビジネスシーンにふさわしい髪型で撮影に臨むことが重要です。

女性の髪型は顔周りをすっきりさせて明るさと知性を演出する

女性の場合、髪の長さによってアレンジの方法は異なりますが、共通して重要なのは顔の輪郭や耳を見せて、明るくすっきりとした印象を作ることです。ロングヘアやミディアムヘアの方は、髪を下ろしたままだと重たい印象になったり、お辞儀をした際に顔にかかったりする可能性があります。そのため、後ろで一つに束ねるか、ハーフアップにしてまとめるスタイルが推奨されます。特にハーフアップは、女性らしい柔らかさを残しつつ、知的で活動的な印象を与えることができるため、中途採用の履歴書写真として非常に人気があります。

ショートヘアやボブヘアの方も、サイドの髪を耳にかけることで顔周りが明るくなり、清潔感が増します。後れ毛やアホ毛（飛び跳ねた短い髪）が目立つと疲れた印象に見えてしまうため、ヘアスプレーやワックスを使ってきれいにまとめることが大切です。過度な巻き髪やボリュームの出しすぎはビジネスの場には不向きですので、ナチュラルで整ったスタイルを心がけます。

男性の髪型は額と耳を出して誠実さと行動力をアピールする

男性の場合、中途採用で求められるのは爽やかさと誠実さです。基本的には短髪が好まれますが、長さを問わず意識すべきポイントは、額（おでこ）、眉毛、耳を出すことです。前髪を上げて額を見せることで、隠し事のない誠実な人柄や、自分に自信を持っている堂々とした印象を与えることができます。また、耳周りや襟足を短く整えることで、清潔感と行動力のあるビジネスマンとしての像を演出できます。

スタイリング剤の使用も重要です。何もつけていないパサついた髪は準備不足に見えるため、ワックスやジェルを使って自然なツヤとまとまりを出します。ただし、つけすぎてテカテカになっていたり、毛先を遊ばせすぎてツンツンしていたりすると、幼稚に見えたり攻撃的な印象を与えたりしてしまいます。あくまで自然な毛流れを作る程度に留め、ビジネススーツに似合う落ち着いたスタイリングを目指します。

前髪のセットで目力を強調し意思の強さを伝える

男女問わず、履歴書写真において最も重要なパーツは「目」です。目は口ほどに物を言うと言われるように、仕事への熱意や意思の強さは目力に表れます。しかし、前髪が長すぎて目にかかっていると、その力が半減するどころか、表情が暗く見え、コミュニケーション能力に不安を持たれてしまう可能性があります。

撮影の際は、前髪が目や眉毛にかからないようにセットします。女性であれば横に流してスプレーで固定し、男性であればアップバング（前髪を上げるスタイル）にするか、短くカットして横に流します。眉毛が見えることで表情が豊かに見え、採用担当者に親しみやすさと意志の強さを同時に伝えることができます。前髪の数センチの調整が、写真全体の印象を劇的に変えることを意識してセットします。

髪色は業界に合わせてトーンを調整し根元のプリン状態を防ぐ

中途採用では、新卒時のような黒髪必須というルールは緩和されている場合が多いですが、それでも明るすぎる髪色は避けるべきです。一般的にはダークブラウン程度（カラーレベルで言えば7から8トーンまで）であれば許容されることが多いですが、金融や公務員、堅実なメーカーなどを志望する場合は、黒髪かそれに近い暗髪に戻すほうが無難であり、誠実さをアピールできます。

また、最も避けなければならないのは、カラーリングをしてから時間が経ち、根元の黒髪が伸びてしまっている「プリン状態」です。これはだらしない印象を与えるだけでなく、身だしなみに気を使わない人物、あるいは転職活動への準備不足と判断される致命的な要因になります。撮影前には必ず鏡で根元を確認し、必要であれば美容院でリタッチやカラーリングを行ってから撮影に臨みます。

撮影直前の最終チェックとプロによる修正の活用

髪型は移動中や湿気で崩れやすいため、撮影直前のチェックが欠かせません。スタジオや写真機の鏡を使って、分け目が乱れていないか、襟足が跳ねていないか、肩にフケや抜け毛が落ちていないかを念入りに確認します。特に写真では細かいほつれ毛が光に反射して目立つことがあるため、コームや手櫛で丁寧になでつけて整えます。

自分でのセットに自信がない場合や、より完璧な仕上がりを求める場合は、ヘアメイク付きのフォトスタジオを利用するのも有効な手段です。プロのヘアメイクアップアーティストが、顔の形や志望業界に合わせた最適なヘアセットを行ってくれます。また、撮影後の修正（レタッチ）で、気になるアホ毛や髪色のムラを自然に補正してもらうことも可能です。履歴書の写真はあなたの分身として企業に残るものです。細部までこだわり抜いた髪型で、自信を持って提出できる一枚を用意してください。

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人材会社で15年間、転職・中途採用市場における営業職・企画職・調査職の仕事を経験。
社団法人人材サービス産業協議会「転職賃金相場」研究会の元メンバー
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