職務経歴書の「自己PR」こそが勝負の分かれ目!看護師の採用担当者を唸らせる書き方と鉄板例文集
看護師の転職活動において、履歴書とセットで提出を求められる「職務経歴書」。多くの転職者が、経歴(どこで何年働いたか)の羅列には力を入れるものの、最後の「自己PR」欄で息切れしてしまい、履歴書の自己PRをコピペしたり、数行の抽象的な文章で終わらせたりしています。
しかし、これは非常にもったいないことです。採用担当者は、履歴書で「大枠」をつかみ、職務経歴書で「実力」を判断します。特に職務経歴書の自己PRは、あなたの看護観やスキル、問題解決能力を具体的なエピソードと共に証明できる唯一のスペースです。ここを充実させることで、書類選考の通過率は劇的に向上します。
本記事では、履歴書とは違う「職務経歴書ならでは」の自己PRの書き方と、採用担当者が会って話したくなる実践的な例文を紹介します。
履歴書と何が違う?職務経歴書で書くべき「深さ」
まず、履歴書の自己PRと職務経歴書の自己PRの違いを理解しましょう。
- 履歴書の自己PR:あくまで「要約(ダイジェスト版)」です。文字数制限があるため、強みを一言で伝え、興味を持ってもらうことが目的です。
- 職務経歴書の自己PR:こちらは「詳細(フルバージョン)」です。履歴書で伝えた強みを裏付ける「根拠」「プロセス」「数字」「成果」を具体的に記載します。A4用紙のスペースを活かし、あなたがどのように仕事に取り組み、どんな結果を出したかをストーリーで伝えます。
採用担当者に響く「STARの法則」で構成する
職務経歴書の自己PRは、思いつくままに書くのではなく、ビジネス文書の基本である「STARの法則」に沿って構成すると、説得力が格段に増します。
- S(Situation/状況): どんな環境や課題があったか
- T(Task/課題・役割): その中で何に取り組もうとしたか
- A(Action/行動): 具体的にどんな行動を起こしたか
- R(Result/結果): その結果どうなったか(定量的・定性的な成果)
このフレームワークを意識して作成した、ケース別の例文を見ていきましょう。
ケース1:【即戦力・スキル重視】急性期・ICU経験者の場合
専門性の高いスキルや、危機管理能力をアピールする場合の例です。
【タイトル:リスクを未然に防ぐ観察力と、急変時の迅速な対応力】
(Situation / Task)
現職の循環器内科・ICUでは、重症心不全や術後管理が必要な患者様が多く、一瞬の判断の遅れが生命に関わる環境でした。その中で私は、マニュアル通りの観察だけでなく、患者様の微細な変化に気付く「予兆の発見」を課題として業務にあたりました。
(Action)
日々のバイタルサイン測定に加え、患者様の表情や発語の違和感、モニター波形のわずかな変化を時系列でアセスメントすることを徹底しました。また、急変リスクが高い患者様については、医師やリーダーへ早期に報告し、指示を仰ぐだけでなく「次に何が必要か」を予測して救急カートや薬剤を準備する動きをチームに共有しました。
(Result)
その結果、心不全増悪の兆候を早期に発見し、挿管回避や早期治療介入に繋がった事例が複数ありました。また、急変時対応のシミュレーション係を担当し、スタッフの対応力向上にも貢献しました。貴院におきましても、この危機管理能力を活かし、安全で質の高い看護を提供したいと考えます。
ケース2:【人柄・プロセス重視】慢性期・緩和ケア経験者の場合
患者様への寄り添いや、退院調整などの調整力をアピールする場合の例です。
【タイトル:患者様の「その人らしさ」を支える傾聴力と多職種連携】
(Situation / Task)
回復期リハビリテーション病棟において、脳血管疾患により麻痺が残り、リハビリへの意欲を喪失している患者様の担当となりました。ご本人の「家に帰りたいが、家族に迷惑をかける」という葛藤を解消し、前向きに退院を目指していただくことが課題でした。
(Action)
まずは信頼関係の構築を最優先し、業務の合間を縫って毎日15分以上の対話時間を設けました。否定せずに話を聴き、ご本人の不安を受け止めた上で、ご家族やリハビリスタッフ、MSWを巻き込んだカンファレンスを主催しました。そこでは看護師の視点から、ご本人の残存機能でできる日常生活動作を具体的に提案し、在宅生活のイメージを共有しました。
(Result)
チーム全体で統一した関わりを続けた結果、患者様の表情が明るくなり、リハビリにも意欲的に取り組まれるようになりました。最終的にはご家族の受け入れ体制も整い、笑顔で在宅復帰されました。この経験から、患者様の心のケアとチーム連携の重要性を学びました。貴院でも、患者様一人ひとりの人生に寄り添う看護を実践いたします。
ケース3:【教育・マネジメント重視】リーダー・プリセプター経験者の場合
組織への貢献度や、教育スキルをアピールする場合の例です。
【タイトル:個々の強みを伸ばす新人教育と、業務改善による残業削減】
(Situation / Task)
消化器外科病棟にて3年間プリセプターおよび実地指導者を務めました。当時は新人の離職率が高く、業務量の多さからくる疲弊が病棟全体の課題となっていました。
(Action)
私は新人の離職を防ぐため、画一的な指導ではなく、個々の性格や習熟度に合わせた指導計画の修正を行いました。定期的な面談で不安を解消すると同時に、「できたこと」を承認するフィードバックを徹底しました。また、業務改善委員として申し送り時間の短縮や、物品配置の見直しを提案し、業務の効率化を図りました。
(Result)
その結果、私が担当した新人は一人も離職することなく独り立ちし、病棟全体の平均残業時間も月5時間の削減を達成しました。組織の一員として、人材育成と業務効率化の両面から貴院に貢献できると確信しています。
職務経歴書の自己PRで「やってはいけない」3つのNG
最後に、評価を下げるNGパターンを確認しておきます。
- 抽象的な言葉だけで終わる「コミュニケーション能力があります」「やる気があります」だけでは不十分です。「誰と、どのようにコミュニケーションを取り、どうなったか」まで書く必要があります。
- 読み手を意識していない長文改行がなく、びっしりと文字が詰まっていると読む気が失せます。適度に改行し、「【】」を使ってタイトルをつけるなど、読みやすさを工夫することが重要です。
- 謙遜しすぎる「未熟ですが」「教えていただく姿勢で」といった言葉は、職務経歴書には不要です。採用側は即戦力を求めています。「これまでの経験を活かして貢献する」というポジティブなスタンスで締めくくってください。
職務経歴書の自己PRは、あなたの看護師としての「カタログ」です。具体的なエピソードという「証拠」を提示することで、採用担当者に「この人に会って詳しく話を聞きたい」と思わせる最強のツールを作成してください。





