施設看護師への転職を成功させる志望動機の書き方!病院とは違う「生活を支える」視点で書類選考を突破する
病院での臨床経験を経て、介護老人保健施設(老健)、特別養護老人ホーム(特養)、有料老人ホームなどの「介護施設」へ転職を希望する看護師は増えています。しかし、病院と施設では看護師に求められる役割が大きく異なるため、病院と同じ感覚で志望動機を書くと「うちの施設には合わない」と判断され、書類選考で落とされてしまうことがあります。施設への転職を成功させるためには、医療中心の視点から、利用者の「生活」を支える視点へとマインドセットを切り替える必要があります。本記事では、介護施設への転職を目指す看護師のために、採用担当者に響く志望動機の書き方と、施設形態別のポイントについて詳しく解説します。
病院と施設の決定的な違い。「治療」から「生活」への視点転換が合否を分ける
病院は病気を「治療(Cure)」する場所ですが、介護施設は利用者が「生活(Care)」する場所です。この前提を理解しているかどうかが、書類選考の第一関門です。病院での高度な医療処置スキルを羅列するだけでは、「臨床への未練があるのではないか」「介護スタッフを見下すのではないか」という懸念を抱かれかねません。
志望動機では、「病院での治療優先の関わりだけでなく、人生の最期までその人らしく過ごせるよう、生活の場における健康管理や精神的なサポートに力を入れたい」という意欲を示します。利用者を「患者様」ではなく「生活者」として捉え、医療行為が少ない環境でも、観察力と判断力で健康を守ることにやりがいを感じていることを伝えてください。
「医師がいない不安」を払拭し「自律的な判断力」をアピールする
多くの介護施設では医師が常駐していないか、非常勤である場合がほとんどです。そのため、施設看護師には「医師の指示待ち」ではなく、利用者のバイタルや顔色から緊急度を判断し、搬送の要否や医師への報告を行う「トリアージ能力(判断力)」が強く求められます。
採用担当者は「病院から来た看護師が、医師のいない環境でパニックにならずに対応できるか」を心配しています。志望動機や自己PRでは、病棟経験の中で培った「急変時の対応経験」や「アセスメント能力」をアピールし、「いざという時に冷静に判断し、施設の安全を守る門番としての役割を果たします」と宣言することで、即戦力としての信頼を獲得できます。
【施設形態別】志望動機の書き分けポイント
一口に「施設」と言っても、その目的や役割は異なります。応募する施設の特徴に合わせて志望動機を微調整することが、書類選考突破の鍵です。
1. 特別養護老人ホーム(特養)への志望動機
特養は「終の棲家」としての性格が強く、看取りを行うことも多くあります。
- アピールポイント: 「長期的な関わり」「看取りケアへの関心」「生活に寄り添う温かさ」
- 例文の方向性: 「病院では入退院のサイクルが早く、一人ひとりと深く関われないことに葛藤がありました。貴施設では利用者様と家族のように長期的な信頼関係を築き、穏やかな看取りまでを支える看護を実践したいと考え志望しました。」
2. 介護老人保健施設(老健)への志望動機
老健は在宅復帰を目指すためのリハビリ施設であり、特養に比べて医療依存度がやや高い傾向にあります。
- アピールポイント: 「在宅復帰支援」「多職種連携」「自立支援」
- 例文の方向性: 「病棟での退院支援の経験から、退院後の生活を支えるリハビリ看護の重要性を感じました。貴施設での多職種協働による在宅復帰支援に魅力を感じ、利用者が住み慣れた家に戻るための架け橋となりたいと考え志望しました。」
3. 有料老人ホームへの志望動機
有料老人ホームはサービス業としての側面が強く、利用者(お客様)への接遇が重視されます。
- アピールポイント: 「接遇・ホスピタリティ」「健康管理」「個別のニーズへの対応」
- 例文の方向性: 「利用者様一人ひとりのライフスタイルを尊重した、質の高いサービス提供を行いたいと考えました。臨床経験で培った観察力に加え、相手の立場に立った丁寧な接遇スキルを活かし、貴ホームの『上質な暮らし』を健康面から支えたいと思います。」
「夜勤がないから」等の本音は「健康管理への集中」へ変換する
施設看護師を選ぶ理由として「夜勤がなく規則正しい生活ができる」「残業が少ない」といった条件面を挙げる人は多いですが、これをそのまま志望動機にするのは避けるべきです。「楽をしたい人」という印象を与えてしまいます。
ネガティブな理由は、必ずポジティブな理由に変換します。
- 「夜勤をしたくない」 → 「日中の利用者の様子を継続的に観察し、変化にいち早く気づく日々の健康管理に専念したい」
- 「激務に疲れた」 → 「一人ひとりの利用者とじっくり向き合う時間を持ち、精神的なケアまで行いたい」
このように変換することで、自身のワークライフバランスを整えつつ、それが結果として利用者への質の高い看護提供につながるという論理構成を作ります。
介護職との連携・協調性を強調する
施設において看護師は少数派であり、現場の主力は介護職(ケアワーカー)です。そのため、介護職と良好な関係を築けるかどうかも採用の重要な基準となります。「看護師だから偉い」という態度は最も嫌われます。
志望動機や自己PRの中に、「介護スタッフの方々と密に連携し、互いの専門性を尊重しながらチームケアを行いたい」という一文を盛り込んでください。オムツ交換や食事介助などの介護業務にも積極的に協力する姿勢(フォロワーシップ)を示すことで、「この人なら現場にうまく溶け込める」と判断され、書類選考の通過率が格段に高まります。





