「いつ動くのが正解？」看護師転職のベストな時期と、月ごとの書類選考攻略カレンダー

「ボーナスをもらってから辞めたいけれど、その時期は求人が少ない？」

「4月入職を目指すなら、いつから書類を準備すれば間に合う？」

看護師の転職活動において、**「時期（何月）」**の選択は、求人の数やライバルの多さ、そして賞与の有無を左右する重要な戦略です。

しかし、ただ「求人が多い時期」を狙えばいいわけではありません。

時期によって、採用担当者が応募書類でチェックするポイント（＝合格する書き方）が変わることをご存知でしょうか？

本記事では、看護師の転職市場の年間トレンドを解説し、狙う時期ごとの「書類作成の戦略」についてご紹介します。

１．結論：あなたの「優先順位」でベストな月は変わる

万人に共通する「最強の月」はありません。あなたが何を一番重視するかによって、狙うべき月は以下の3パターンに分かれます。

２．【月別詳細】 採用担当者の心理と、書類選考の攻略法

時期が違えば、病院側の事情（人手不足の理由）も異なります。

それぞれのシーズンに合わせて、応募書類の「見せ方」を変えることが合格への近道です。

１月〜３月（４月入職狙い）：年間最大の「決戦期」

• 市場の状況:新卒や退職者の入れ替えで、一年で最も求人が多くなりますが、応募者も激増します。採用担当者は多忙を極め、書類選考のスピードが上がります。
• 書類攻略のポイント:「シンプル」かつ「４月１日に合わせられること」忙しい担当者に読ませるため、職務経歴書は要点を絞って簡潔に書きます。そして履歴書の本人希望欄に**「４月１日より入職可能」**と明記することが最強のアピールになります。研修初日に間に合う人材は、それだけで優遇されます。

４月〜６月（夏の賞与前）：意外な「穴場期」

• 市場の状況:4月入職のバタバタが落ち着き、採用活動は一旦静かになります。しかし、「新人が早期離職してしまった枠」や「急な欠員」の募集が出ることがあります。
• 書類攻略のポイント:「即戦力」と「協調性」新年度が始まってからの途中入職になるため、現場は教育に時間を割けません。「一通りの業務は一人で完結できます」という即戦力アピールと、すでに出来上がっているチームに溶け込める協調性を自己PRで強調しましょう。

７月〜９月（ボーナス後）：第二の「活性期」

• 市場の状況:夏のボーナスをもらって退職する人が出るため、秋採用の求人が増え始めます。ブランク明けの復職希望者なども動き出す時期です。
• 書類攻略のポイント:「意欲」と「キャリアプラン」下半期からの入職者は、来年度のリーダー候補として見られることもあります。単に「賞与をもらったから辞めた」と思われないよう、「下半期から心機一転、貴院で新たなキャリアを築きたい」という前向きな意欲を志望動機に盛り込みます。

１０月〜１２月（冬の賞与前）：駆け込み「調整期」

• 市場の状況:「年明け（1月）から働きたい」という人と、「来年4月の内定を早めに確保したい」という人が混在します。
• 書類攻略のポイント:「入職時期の明確化」この時期の応募は、「いつから来れるの？」が最大の争点です。「1月から可能です」なのか「4月まで待ってください」なのかを、本人希望欄ではっきりと提示することで、病院側も配置計画が立てやすくなり、書類通過率がアップします。

３．失敗しないための「逆算スケジュール」

よくある失敗が、「4月から働きたいから、3月に求人を見ればいいや」というパターンです。これでは人気の病院はすでに募集を締め切っています。

希望入職月の**「3ヶ月前」**には書類作成を始めましょう。

【例：4月1日入職を目指す場合の理想的な流れ】

• 12月〜1月上旬： 自己分析・情報収集（書類の下書き作成）
• 1月中旬〜下旬： 求人選定・応募（この時点で書類完成）
• 2月： 面接・病院見学
• 2月末〜3月上旬： 内定・現職での退職手続き完了
• 3月中： 有給消化・引越し準備
• 4月1日： 新天地へ入職

※特に1月〜2月は、応募から面接設定までのスピードが非常に速いです。書類の不備でやり取りが増えると、その間に枠が埋まってしまうため、事前準備が命です。

４．ボーナス（賞与）を確実に受け取るための注意点

「ボーナスをもらってから辞めたい」場合、書類選考や退職のタイミングには細心の注意が必要です。

• 賞与支給日を確認する:就業規則で「支給日に在籍していること」が条件か、「支給対象期間に在籍していればOK」かを確認しましょう（9割以上は支給日当日の在籍が必要です）。
• 退職を申し出るタイミング:賞与支給日の直後に退職願を出すのが最も角が立ちません。支給日前に「来月辞めます」と言うと、評価を下げられ、賞与額を減らされる（寸志程度にされる）リスクがゼロではありません。※ただし、転職活動自体（水面下での書類応募・面接）は、賞与前から進めておいて問題ありません。

５．まとめ：時期選びは「戦略」の一部

看護師の転職において「何月がいいか」の正解は、あなたの状況によって変わります。

• 選択肢重視なら、1月〜2月に動く（4月入職）。
• お金重視なら、賞与支給日の翌月から動く。
• じっくり派なら、5月〜6月の穴場を狙う。

大切なのは、時期を決めたら、そこから逆算して**「採用担当者が今、どんな人材を欲しているか」**を想像し、応募書類の言葉選びを微調整することです。

カレンダーを味方につけて、賢く有利に転職活動を進めてください。

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人材会社で15年間、転職・中途採用市場における営業職・企画職・調査職の仕事を経験。
社団法人人材サービス産業協議会「転職賃金相場」研究会の元メンバー
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