看護師の自己PRは「エピソード」が9割。採用担当者が会いたくなる履歴書の書き方と状況別・合格例文集
看護師の転職活動において、履歴書や職務経歴書の「自己PR」欄は、志望動機と並んで採用担当者が最も注目する項目です。しかし、「明るい性格です」「コミュニケーション能力があります」といった抽象的な言葉だけで埋めてしまい、その他大勢の応募書類の中に埋もれてしまうケースが後を絶ちません。
書類選考を通過する自己PRに必要なのは、形容詞ではなく「具体的なエピソード」です。あなたが現場でどのように動き、どう貢献してきたかという「事実」こそが、採用担当者に「この人は自院でも活躍してくれそうだ」というイメージを抱かせます。本記事では、採用担当者の心を掴む自己PRの黄金構成と、そのまま使える状況別の例文を紹介します。
合格する自己PRには「黄金の3段構成」がある
伝わる自己PRには、必ず守るべき型があります。思いついたことを羅列するのではなく、以下の3つの要素を順序立てて構成することで、説得力が劇的に向上します。
- 結論(強み): 私の強みは〇〇です。(一言で言い切る)
- 根拠(エピソード): 前職では〇〇な状況で、〇〇を行いました。(具体的な行動と成果)
- 貢献(未来): この強みを活かし、貴院では〇〇のように貢献したいです。(入職後のイメージ)
この構成を意識するだけで、あなたの魅力が論理的に伝わるビジネス文書に変わります。
【例文1】「協調性・チームワーク」をアピールする場合(汎用性重視)
多くの病院や施設で最も求められるのが、多職種と連携し、チームの和を乱さずに業務を遂行できる人材です。「協調性」という言葉を使わずに、行動でそれを示すのがポイントです。
<例文>
「私の強みは、チーム全体の状況を把握し、円滑な連携を生み出す『調整力』です。
前職の急性期病棟では、緊急入院や急変が重なるとスタッフ間の連携が乱れがちでした。そこで私は、自分の受け持ち業務だけでなく、常に周囲のスタッフの進捗状況に声をかけ、負担が集中している箇所があれば率先してサポートに入ることを徹底しました。また、医師や薬剤師への連絡役を積極的に担うことで、チーム全体の業務が滞らないよう潤滑油としての役割を果たしてきました。
貴院におきましても、周囲とのコミュニケーションを大切にし、チーム医療の一員として安心して業務を任せていただけるよう努めてまいります。」
【例文2】「行動力・アセスメント能力」をアピールする場合(即戦力重視)
忙しい急性期病棟や、訪問看護など判断力が求められる職場では、具体的なスキルや行動量をアピールします。
<例文>
「私の強みは、変化を見逃さない『観察力』と、根拠に基づいた『迅速な行動力』です。
循環器内科病棟での5年間の勤務において、心不全患者様の重症化予防に注力してまいりました。日々のバイタルサインや顔色の変化はもちろん、患者様の何気ない訴えから心不全兆候を早期に察知し、医師への報告と早期介入を行うことで、急変を未然に防いだ経験が多数あります。また、急変時にはリーダーとして指示出しを行い、蘇生処置をスムーズに進める役割も担ってきました。
このアセスメント能力を活かし、貴院においても患者様の小さな変化に気づき、質の高い看護を提供することで貢献したいと考えています。」
【例文3】「患者様への寄り添い」をアピールする場合(慢性期・介護施設など)
療養型病院や介護施設、ホスピスなどでは、技術以上に「人柄」や「接遇」が重視されます。
<例文>
「私の強みは、患者様一人ひとりの想いを汲み取る『傾聴力』と、信頼関係を築く『対話力』です。
以前勤務していた回復期リハビリテーション病棟では、思うように回復せず意欲を失いかけた患者様が多くいらっしゃいました。私は業務の合間を見つけては患者様のベッドサイドに足を運び、不安や希望をじっくりとお聞きすることを心がけました。その結果、『あなたと話すと元が出る』と言っていただき、リハビリへの意欲向上に繋がった経験があります。
貴院の『心に寄り添う看護』という理念のもと、患者様とそのご家族が安心して過ごせる環境づくりに尽力いたします。」
【例文4】未経験分野へ挑戦する場合(ポテンシャル重視)
美容クリニックや訪問看護など、未経験の分野へ転職する場合は、「学ぶ意欲」と「既存スキルの応用」を強調します。
<例文>
「私の強みは、新しい環境や知識を柔軟に吸収する『向上心』です。
これまでは消化器外科で勤務しておりましたが、在宅医療の重要性を感じ、訪問看護への挑戦を決意いたしました。訪問看護は未経験ですが、病棟時代に培ったストーマ管理や創傷処置のスキルは、在宅の現場でも活かせると考えております。
現在は、訪問看護に関連する書籍を読み、制度についての学習を進めています。いち早く業務を習得し、利用者様が住み慣れた家で自分らしく過ごせるよう、誠心誠意サポートさせていただきます。」
やってはいけない「NG自己PR」の書き換え術
最後に、よくある「残念な自己PR」と、それを改善するためのヒントを紹介します。
- NG例: 「明るい性格で、誰とでも仲良くなれます。」
- 改善の視点: 仕事は仲良くなることが目的ではありません。「明るい対応で、患者様の不安を軽減できる」「職場の雰囲気を良くし、発言しやすい環境を作れる」といった、業務上のメリットに変換してください。
- NG例: 「勉強熱心です。」
- 改善の視点: 自分のために勉強するのは当たり前です。「委員会活動で勉強会を主催し、病棟全体のスキルアップに貢献した」など、組織への還元につなげて書きます。
- NG例: 「リーダー経験があります。」
- 改善の視点: 役職だけ書いても中身が伝わりません。「リーダーとして、新人教育のマニュアルを改訂し、残業時間を削減した」など、具体的な成果を盛り込みます。
自己PRは、あなたという商品を売り込むためのプレゼンテーションです。「自分を採用すると、こんな良いことがありますよ」というメッセージを、具体的なエピソードに乗せて届けてください。借り物の言葉ではない、あなた自身の経験が詰まった自己PRこそが、採用担当者の心を動かす最強の武器となります。





