書類選考は「封筒を開けた瞬間」から始まっている。看護師のための【送付状（添え状）】完全作成ガイド

「履歴書と職務経歴書さえ入っていれば、送付状なんてなくてもいいのでは？」

「ネットの定型文をコピペして終わりでいい？」

応募書類を郵送する際、一番上に添える「送付状（添え状/カバーレター）」。

多くの看護師さんがこれを「単なる形式的な表紙」と捉えていますが、実は送付状は、採用担当者との**「最初の接点」**となる極めて重要なツールです。

封筒を開けた瞬間、一枚の整った送付状があるだけで、「この人はビジネスマナーがしっかりしている」「丁寧な仕事をしそうだ」というポジティブな第一印象（先入観）を与えることができます。逆に、送付状がない、あるいは雑なメモ書き程度だと、「事務作業が雑な人かもしれない」というマイナス評価から書類選考がスタートしてしまいます。

本記事では、採用担当者に好印象を与え、メインの応募書類を「期待して読んでもらう」ための、送付状の正しい書き方と戦略的な活用法について解説します。

１．なぜ送付状が必要なのか？ 「丁寧さ」は看護スキルの一部

採用担当者は、あなたの看護技術を直接見ることはできません。そのため、応募書類の扱い方を見て、普段の仕事ぶりを想像します。

• 送付状がある人 ＝ 「患者様への説明や記録も丁寧に行う人」
• 送付状がない人 ＝ 「申し送りや確認作業を端折るかもしれない人」

このように、送付状は「社会人としてのマナー」であると同時に、あなたの**「几帳面さ」や「相手への配慮」を証明するプレゼン資料**の一部なのです。特に大学病院や企業、クリニックの事務長などは、こうしたビジネスマナーを厳しくチェックしています。

２．手書き？ パソコン？ 作成の基本ルール

送付状を作る際の基本的なルールを押さえておきましょう。

• サイズ: A4サイズ（他の応募書類と合わせる）
• 作成方法: パソコン（横書き）が一般的です。
  • 手書きでも構いませんが、修正液の使用はNGであり、ビジネス文書としてはPC作成の方がスマートで読みやすいです。Wordなどで作成しましょう。
• 枚数: 必ず「1枚」に収めること。

３．【図解】送付状の構成とレイアウト

送付状に書くべき項目は決まっています。配置バランスが重要ですので、以下の構成を参考にしてください。

1. 日付: 右上に配置。投函日（郵送する日）を記載します。西暦・和暦は履歴書と統一しましょう。
2. 宛名: 左上に配置。法人名・病院名は省略せず正式名称で書きます。
   • 担当者名がわかる場合：「〇〇病院 採用担当 〇〇様」
   • 部署宛の場合：「〇〇病院 人事課 御中」
3. 署名: 右下に配置。自分の郵便番号、住所、氏名、電話番号、メールアドレスを書きます。
4. タイトル: 中央に。「選考応募書類の送付につきまして」など。
5. 本文: 頭語（拝啓）から始まり、時候の挨拶、応募の旨、結語（敬具）で締めます。
6. 同封書類リスト: 中央または左寄せで「記」と書き、箇条書きで同封物をリストアップします。右下に「以上」で締めます。

４．そのまま使える！ 送付状の標準テンプレート（例文）

Wordなどにコピー＆ペーストして使える標準的な例文です。

202〇年〇月〇日

医療法人社団〇〇会

〇〇病院

採用ご担当者様

〒000-0000

東京都〇〇区〇〇1-2-3

看護 花子

電話：090-0000-0000

Email：hanako.kango@example.com

選考応募書類の送付につきまして

拝啓

〇〇の候、貴院におかれましては益々ご清栄のこととお慶び申し上げます。

この度、貴院の看護師求人を拝見し、ぜひ私のこれまでの経験を活かして地域医療に貢献したいと考え、下記の通り応募書類を送付いたします。

ご多忙の折、大変恐縮ではございますが、面接の機会をいただけますと幸いです。

何卒、ご検討のほどよろしくお願い申し上げます。

敬具

記

1. 履歴書　　　　1通
2. 職務経歴書　　1通

以上

５．書類選考通過率を上げる「ひとこと」アレンジ術

上記の定型文だけでもマナーとしては合格点です。しかし、さらに一歩リードしたい場合は、本文の中に**「簡単な自己PR（3行程度）」**を盛り込むのがテクニックです。

長すぎると読まれませんが、短く要点を伝えることで、履歴書を読む前の「期待値」を上げることができます。

アレンジ例文（本文の「応募書類を送付いたします」の後に挿入）

• 経験者の場合：「これまでは急性期病棟にて5年間、循環器看護に従事してまいりました。貴院においても、その経験を活かし即戦力として貢献したいと考えております。」
• 未経験・ブランクありの場合：「育児のため3年のブランクがございますが、貴院の研修制度に魅力を感じ、現在は復職に向けて〇〇の勉強を始めております。一日も早く業務に慣れ、貢献できるよう努めます。」

この「ひとこと」があるだけで、送付状は単なる目録から**「ラブレターの表紙」**へと進化します。

６．最後の仕上げ「封入」のマナー

せっかく良い送付状を作っても、封筒の中でぐちゃぐちゃになっていては台無しです。

1. 順番: 一番上が「送付状」。その下に履歴書、職務経歴書の順に重ねます。
   • （上）送付状 → 履歴書 → 職務経歴書 → その他（下）
2. クリアファイル: 全ての書類を重ねて、無色透明のクリアファイルに入れます。雨濡れや折れ曲がりを防ぐため、これは必須です。
3. 封筒: 角形2号（A4が折らずに入るサイズ）がベストです。白か茶封筒を使います。

７．まとめ：送付状は「私を選んでくれてありがとう」のメッセージ

送付状を書く行為は、少し手間に感じるかもしれません。

しかし、採用担当者は日々、何通もの応募書類を受け取っています。その中で、一枚の丁寧な挨拶状が添えられている書類を見たとき、「おっ、この人はちゃんとしているな」と安心感を抱くものです。

**「細部に神が宿る」**と言われるように、看護師の仕事も細かい気配りの積み重ねです。

たかが紙一枚と侮らず、心を込めた送付状で、あなたの誠実さを採用担当者に届けてください。

応募書類の作成を専門家へ相談して転職成功

おすすめの転職エージェント

サイトの目的や、書類作成アドバイスを詳しく知る

応募書類マスター

応募書類マスター

サイトの目的

応募書類マスター

応募書類作成のアドバイス

転職活動の状態ごとに、必要な知識を学べる

おすすめ転職支援サイト

キャリアプランの相談

キャリアプラン案内所

面接のアドバイス

面接のトリセツ

年収交渉アドバイス

給与交渉ナビ

ライト

キャリアアドバイザー

人材会社で15年間、転職・中途採用市場における営業職・企画職・調査職の仕事を経験。
社団法人人材サービス産業協議会「転職賃金相場」研究会の元メンバー
※当サイト記事はリンクフリーです。ご自身のサイトへ自由にお使い頂いて問題ありません。ご使用の際は、文章をご利用する記事に当サイトの対象記事URLを貼って頂ければOKです。