「妊活中」の転職は不利? 応募書類で“将来の妊娠”をどう伝えるか、採用担当者が納得する書き方の正解
「そろそろ子供が欲しいけれど、今の職場では夜勤がハードすぎて無理」
「転職しても、すぐに妊娠したら迷惑がられるのではないか……」
**「妊娠希望(妊活)」と「転職」**のタイミングに悩む看護師さんは非常に多いです。
新しい環境で頑張りたい気持ちと、女性としてのライフプラン。この2つを天秤にかけ、「やっぱり今は動かない方がいいのかな」と諦めてしまう方もいます。
結論から申し上げます。妊娠希望だからといって、転職を諦める必要はありません。
しかし、応募書類の書き方や伝え方には、高度な「戦略」が必要です。
何も考えずに「すぐに子供が欲しいです」とアピールすれば、書類選考で落とされる可能性は高くなります。逆に、隠し通して入職直後に妊娠すれば、信頼関係に関わります。
本記事では、採用担当者に「この人なら、ライフステージが変わっても長く活躍してくれそうだ」と思わせるための、書類作成の絶妙なバランスと書き方について解説します。
1.履歴書に「妊娠希望」と書いていいのか?
まず、最も多い疑問から解決しましょう。
履歴書の「本人希望欄」や、職務経歴書の「自己PR」に、「近いうちに妊娠を希望しています」と書くべきでしょうか?
答えは、**「書類段階では、あえて書かない」**が正解です。
書類選考の目的は「会ってみたいと思わせること」
採用担当者は、書類を見て「戦力になるか」「長く続くか」を判断します。
まだ面会もしていない段階で「妊娠希望」という文字が飛び込んでくると、どうしても「すぐに休む人=戦力にならない」というバイアスがかかり、面接に呼ばれる確率がガクンと下がってしまいます。
妊活の話題は、お互いの人柄が伝わる**「面接」の場、あるいは内定後の条件面談**で相談するのがスマートな大人のマナーです。
2.採用担当者の「すぐに辞めないか」という不安を消す書き方
直接的に「妊娠」という言葉は使いませんが、**「ライフステージの変化を見据えていること」は匂わせる必要があります。
キーワードは、「長く働きたい(長期就業の意欲)」**です。
採用担当者が一番恐れているのは、「妊娠・出産」そのものではなく、「産休・育休を取って、そのまま辞めてしまうこと」です。
つまり、「戻ってきますよ」「長く貢献しますよ」という意思表示が、最強の安心材料になります。
志望動機・自己PRでの「書き換え」テクニック
- × NGな書き方(権利主張のみ)「貴院は子育て支援が充実しており、産休育休が取りやすいと聞いたので志望しました。」
- (心の声:制度を利用することばかり考えているな……)
- ◎ OKな書き方(貢献と長期視点)「貴院では、多くのスタッフが産休・育休を経て復職し、キャリアを継続されていると伺いました。私もライフステージの変化に関わらず、看護師として長くキャリアを積み重ねていきたいと考えております。長く働ける環境が整った貴院で、腰を据えてチーム医療に貢献したいと考え志望いたしました。」
ポイント:
「制度を使いたい」ではなく、**「制度がある環境だからこそ、長く貢献できる」**というロジックで伝えます。
3.転職先選びの時点で「勝負」は決まっている
書類の書き方以前に、そもそも「妊活中の看護師を受け入れられる病院」を選んでいるかが重要です。
以下の条件を満たす職場を選ぶことで、書類選考の通過率は上がり、入職後のトラブルも防げます。
- 看護師の人数が多い(大規模病院)
- 一人が欠けてもカバーできる体制があるため、産休取得への心理的ハードルが低いです。
- 「くるみんマーク」取得や、育休復帰率が高い
- 子育て中のスタッフが多い職場は、「お互い様」の文化が根付いています。
- 教育体制が整っている
- 業務のマニュアル化が進んでいるところは、引き継ぎもスムーズです。
★書類作成への活かし方
志望動機の中で、「貴院の『互いに支え合う風土』に惹かれました」と書くことで、間接的に「私もその風土の中で、将来的に支え合いながら働きたい」と伝えることができます。
4.要注意! 「入職後1年は育休が取れない」の壁
これは書類作成の前に必ず知っておくべき「法律と就業規則」の話です。
産前産後休業(産休)は入職直後でも取得できますが、**育児休業(育休)は「労使協定により、入職1年未満の従業員を除外できる」**としている病院が非常に多いです。
つまり、「転職してすぐに妊娠 → 出産」となると、育休が取れずに退職せざるを得なくなるリスクがあります。
書類選考・面接での立ち回り
もし、妊活を「今すぐ」ではなく「転職して落ち着いてから(1年後くらい)」と考えているなら、その計画性をアピール材料にできます。
- 面接での回答例(書類の内容と一貫させる)「将来的には子供を希望しておりますが、まずは貴院の業務を覚え、チームの一員として信頼されることが最優先と考えております。少なくとも1年〜2年は業務に集中し、基盤を作ってからライフプランを考えたいと思っております。」
こう伝えるだけで、採用担当者の安心感は絶大なものになります。
5.まとめ:未来の自分を守るための「伏線」を張る
妊娠希望の看護師さんが転職を成功させる鍵は、**「私は、ママになってもここで働き続けたいんです」**という強い意思を書類に込めることです。
- 書類には「妊娠希望」とは書かず、「長期就業への意欲」を書く。
- 権利主張ではなく、貢献意欲を見せる。
- 「ライフステージが変わっても」というフレーズを使う。
- 遠回しに、しかし確実に将来の可能性を伝える。
- 規模が大きく、復帰実績のある病院を選ぶ。
- 受け入れ態勢がある場所なら、書類も通りやすい。
これらを意識して応募書類を作成すれば、あなたの「母になりたい夢」と「看護師として働きたい夢」は、決して両立不可能なものではありません。
自信を持って、長期的なキャリアをアピールしてください。





