結婚を機に転職する看護師は「不利」なのか。採用担当者の不安を払拭し、祝福されながら内定を勝ち取る書類作成術
結婚は人生の大きな節目であり、それを機に働き方を見直したり、引っ越しのために転職をしたりする看護師は非常に多いです。しかし、いざ転職活動を始めようとすると、「結婚したばかりだと、すぐに産休に入ると思われて敬遠されるのではないか」「家庭優先で、残業ができない人だと思われるのではないか」という不安が頭をよぎるものです。
結論から言えば、結婚自体が転職に不利になることはありません。むしろ、身を固めたことで「精神的に安定し、腰を据えて長く働いてくれる」とポジティブに捉える採用担当者も多いです。
重要なのは、書類選考の段階で採用側の「懸念(すぐに辞めないか、働けるのか)」を先回りして払拭し、「家庭を持ったからこそ、責任を持って長く働きたい」という意思を明確に伝えることです。
本記事では、結婚のタイミングで転職する看護師が、誤解されずに自身の価値を伝え、スムーズに内定を獲得するための応募書類の書き方について解説します。
1.採用担当者が「新婚ナース」に抱く2つの不安
採用担当者が、結婚を機に転職する応募者に対して抱く懸念は、主に以下の2点に集約されます。
- 「入職してすぐに産休・育休に入ってしまうのではないか」教育コストを回収する前に休まれてしまうことは、現場にとって大きな痛手です。
- 「家庭を優先しすぎて、急な欠勤や残業拒否が増えるのではないか」ワークライフバランスは大切ですが、業務に支障が出るレベルだと困ります。
応募書類の志望動機や自己PRでは、これらの不安を打ち消すような「働く意欲」と「環境整備」のアピールが必要です。
2.退職理由は「結婚」でOK。ただし書き方にコツがある
履歴書や職務経歴書に記載する退職理由は、結婚が理由であれば正直に書いて構いません。特に転居を伴う場合は、最も正当で納得感のある理由になります。
パターンA:転居を伴う場合
これは最強の理由です。「通勤が困難になったため」という物理的な理由は、誰にも否定できません。
- 履歴書(職歴欄):「一身上の都合により退職(結婚に伴う転居のため)」
- 志望動機への活用:「結婚に伴い〇〇市へ転居いたしました。新居から貴院まではアクセスも良く、土地勘のあるこの地域で、腰を据えて長く地域医療に貢献したいと考え志望しました。」
パターンB:働き方を変えたい場合(夜勤削減など)
転居はしないが、家庭との両立のために職場を変える場合です。単に「家庭を優先したい」と書くと「仕事への意欲が低い」と取られかねません。「長く続けるための選択」であることを強調します。
- 志望動機の書き方:「結婚を機に、今後のキャリアと生活のバランスを見直しました。これまでは不規則な勤務が続いておりましたが、今後は規則正しい生活環境を整えることで、心身ともに万全の状態で業務に集中し、貴院にて定年まで長く勤め上げたいと考えております。」
3.最大の懸念「出産予定」はどう伝えるか
書類選考の段階で、妊娠や出産の予定について詳しく書く必要はありません。しかし、面接に進むための布石として、「当面は仕事に集中するつもりである」というニュアンスを書類に漂わせておくことは有効です。
もし、すぐに子供を作る予定がない(まずは仕事をしたい)場合は、以下のようなフレーズを志望動機や自己PRに盛り込みます。
- 「キャリアの継続」を強調する:「ライフステージの変化があっても、看護師としてのキャリアを途切れさせることなく継続したいという強い意志があります。」
- 「中長期的な目標」を書く:「貴院に入職後は、〇〇の分野の専門性を高め、3年後にはリーダーとしてチームを牽引できる存在になりたいと考えています。」
このように数年単位のキャリアプランを提示することで、「少なくとも数年はバリバリ働く気がある」というメッセージを間接的に伝えることができます。
※もちろん、すでに妊娠している場合は隠さずに伝えるべきですが、これから妊娠を希望している段階であれば、わざわざ「妊活中です」と書く必要はありません。
4.履歴書の氏名は「旧姓」か「新姓」か
入籍前後の転職活動では、名前の表記に迷うことがあります。
- すでに籍を入れている場合:戸籍上の「新姓」で書くのが基本です。ただし、看護師免許証の書き換えが済んでいない場合は、備考欄に「看護師免許証は旧姓(〇〇)となっておりますが、現在書換申請中です」と注釈を入れると親切です。
- これから籍を入れる場合:現在の「旧姓」で書き、備考欄や面接時に「〇月に入籍予定です」と伝えます。
なお、職場で旧姓使用を希望する場合は、面接時や内定後に相談すれば多くの病院で対応可能です。履歴書は公的な書類の側面があるため、現時点での戸籍名を使用するのがルールです。
5.「配偶者の扶養」に入るかどうかの明記
パートやアルバイトで働く場合、「扶養内」での勤務を希望するかどうかは、採用側にとってシフト調整上の重要事項です。履歴書の本人希望欄に必ず明記してください。
- 記載例:「扶養範囲内(週20時間未満など)での勤務を希望いたします。」
- 記載例(フルタイム希望):「扶養範囲を超える勤務で問題ありません。社会保険への加入を希望いたします。」
ここが曖昧だと、採用後のトラブルの原因になります。
6.まとめ:結婚は「信頼」の証になる
結婚を機に転職することは、決してネガティブなことではありません。
採用担当者は、独身時代のように無理な働き方はできないかもしれないと理解しつつも、それ以上に「生活基盤が安定した大人の社会人」としての責任感や、定着率の高さに期待しています。
「守るべき家庭ができたからこそ、仕事にも一層責任を持って取り組める」
そのような前向きな姿勢を応募書類で表現できれば、新しい職場はあなたを温かく迎え入れ、公私ともに充実した新生活のスタートを応援してくれるはずです。





