転職エージェントで営業職ばかり紹介される理由と希望求人を引き寄せるための書類改善と対策

営業職ばかり紹介される背景には圧倒的な求人数と未経験採用のハードルの低さがある

転職エージェントを利用し始めると多くの人が直面するのが希望条件とは裏腹に営業職の求人ばかりを紹介されるという現象です。これはあなた自身のスキルや経歴に問題があるからではなく転職市場における構造的な要因が大きく影響しています。そもそも全求人の中で営業職が占める割合は非常に高く企業にとって売上を作るための営業担当者は常に不足しているポジションです。加えて特別な資格や専門技術がなくてもポテンシャルや人物重視で採用されやすい職種であるため未経験者向けの求人としてエージェントが最も提案しやすい案件でもあります。まずはこの市場の現実を冷静に受け止め自分だけが不当に扱われているわけではないと理解することが大切です。その上で流されるままに応募するのではなくなぜ自分が営業職以外の職種を目指すのかという動機を強固にし戦略的に転職活動を進める準備を整えてください。

エージェントに対して希望職種と絶対にやりたくない仕事を明確に伝えてミスマッチを防ぐ

担当のキャリアアドバイザーが営業職ばかり勧めてくる原因の一つにこちらの希望条件やキャリアプランが曖昧にしか伝わっていない可能性があります。なんとなく事務職がいいや自分に合う仕事があればといった抽象的な要望ではエージェント側も無難で数の多い営業職を提案せざるを得なくなります。このミスマッチを解消するためには希望する職種を具体的に指定することはもちろんですがそれ以上に絶対にやりたくない仕事や譲れない条件をＮＧリストとして明確に伝えることが効果的です。例えばテレアポや飛び込み営業は不可であることやノルマに追われる働き方ではなくサポート業務で貢献したいという意欲をはっきりと示してください。遠慮せずに意思表示を行うことでエージェント側の提案精度を高め本当にマッチする求人を引き出すための建設的な対話を促してください。

職務経歴書が営業特化の内容になっていないか見直し事務能力や企画力をアピールする

転職エージェントは登録された職務経歴書を見て求職者の適性を判断し求人を紹介します。もしあなたの職務経歴書が営業実績やコミュニケーション能力のアピール一色になっているとしたらエージェントが営業職こそが天職だと判断してしまうのも無理はありません。営業以外の職種への転職を希望するのであれば応募書類の内容もそれに合わせて最適化する必要があります。例えば事務職を希望するなら営業活動の中で行った見積書作成や顧客データ管理といった事務処理能力の正確さとスピードを強調してください。企画職を目指すなら提案資料作成における構成力や市場分析能力をアピールします。営業という職種名にとらわれず実務の中で培った周辺スキルにスポットライトを当てて書き換えることで営業以外の仕事でも即戦力として活躍できるイメージをエージェントと採用担当者の両方に植え付けてください。

ポータブルスキルを言語化し営業以外の職種でも即戦力として活躍できる可能性を証明する

営業職から異職種へのキャリアチェンジを目指す場合最大の壁となるのが未経験というハンデです。エージェントが営業職以外の紹介に慎重になるのは内定を獲得できる可能性が低いと判断しているからに他なりません。この懸念を払拭するためには業界や職種が変わっても通用するポータブルスキルすなわち持ち運び可能な能力を論理的に証明することが不可欠です。顧客の課題解決能力や社内調整力そしてプロジェクト推進力といったスキルはどのような職種でも求められる共通の能力です。これらのスキルが希望する職種で具体的にどのように活かせるかを職務経歴書や面談の中でプレゼンテーションしてください。未経験ではあるがビジネスパーソンとしての基礎能力が高く教育コストをかけずに早期に戦力化できる人材であると認識させることでエージェントを味方につけ非公開求人や異職種の案件を引き出してください。

相性の良い担当者や特化型エージェントへの変更を検討し自分のキャリアに寄り添うパートナーを見つける

どれほど対策を講じても担当のエージェントが営業職への転職を強く勧めてくる場合や希望に沿った求人を全く紹介してくれない場合は担当者との相性が悪いかそのエージェントが保有する求人の属性が偏っている可能性があります。転職活動においてエージェントは重要なパートナーですが彼らの意見がすべて正しいわけではありません。自分のキャリアを守るためには担当者の変更を申し出るかＩＴ業界や管理部門など希望する職種に特化した別のエージェントを併用することを検討してください。複数の視点を取り入れることで選択肢の幅を広げ営業職ありきではないフラットな視点で自分の可能性を評価してくれるパートナーを見つけることが納得のいく転職を実現するための近道となります。

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人材会社で15年間、転職・中途採用市場における営業職・企画職・調査職の仕事を経験。
社団法人人材サービス産業協議会「転職賃金相場」研究会の元メンバー
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