Web履歴書と職務経歴書の自己PRはどう使い分ける。書類選考を通過するための書き方の極意

転職活動において近年主流となっているのが転職サイトやエージェントのシステムに入力するWeb履歴書と面接時や詳細確認のために提出する職務経歴書です。この二つにはそれぞれ自己PRを入力する欄が設けられていることが多く内容を同じにするべきか変えるべきか迷う求職者は少なくありません。実はこの二つの書類は採用担当者がチェックするタイミングや目的が異なるため戦略的に書き分けることで書類選考の通過率を上げることが可能です。ここではWeb履歴書と添付する職務経歴書における自己PRの役割の違いとそれぞれの媒体に適した効果的な書き方について解説します。

Web履歴書と職務経歴書で求められる役割の違い

まず理解しておきたいのは採用担当者がそれぞれの書類をどのような視点で見ているかという点です。Web履歴書は多くの場合応募者が最初に企業の目に触れるエントリーシートのような役割を果たします。採用担当者は日々膨大な数のWeb履歴書をシステム上で閲覧しており一人当たりにかける時間はわずか数秒から数十秒と言われています。そのためWeb履歴書の自己PRに求められるのは一目で強みが伝わる分かりやすさと詳細な書類を読んでみたいと思わせるフックです。一方でWordやPDF形式で提出する職務経歴書はWeb履歴書で興味を持った応募者の実力を深く吟味するための資料です。ここでは具体的なエピソードや論理的な構成を用いて実務能力や人柄を詳細に説明する必要があります。つまりWeb履歴書は興味を惹くための予告編であり職務経歴書はその内容を証明する本編であると捉えると良いでしょう。

Web履歴書の自己PRは検索性と可読性を意識する

Web履歴書の自己PRを作成する際に最も重要なのは検索キーワードと画面上での読みやすさです。採用担当者はシステム上で特定のスキルや経験を持つ人材をキーワード検索で探すことがあります。そのため自分の強みや経験に関連する専門用語やスキル名を自己PRの中に盛り込むことで検索にヒットしやすくなります。またパソコンやスマートフォンの画面で読まれることを想定し改行や空白行を適切に入れて視覚的な圧迫感を減らす工夫が必要です。文章量はシステムの上限にもよりますが長すぎるとスクロールの手間が増えるため要点を絞り300文字から400文字程度で簡潔にまとめるのが効果的です。結論から書き始めまずは何ができる人材なのかを端的に伝える構成を心がけてください。

職務経歴書の自己PRはエピソードで深みを持たせる

添付ファイルとして提出する職務経歴書の自己PRではWeb履歴書で伝えた強みを裏付ける具体的な根拠を記述します。ここでは文字数制限をあまり気にする必要がないため500文字前後のボリュームを使って丁寧に説明します。構成としては結論と根拠そして貢献という三段構成を意識します。根拠となるエピソード部分では当時の状況や直面した課題そして自分が取った行動と結果を数字を交えて具体的に描写します。Web履歴書では書ききれなかった苦労した点や工夫したプロセスを盛り込むことであなたの仕事に対する姿勢や思考力をアピールすることができます。また見出しをつけて複数の強みを記載する場合はそれぞれの項目について詳細なエピソードを用意し多角的に自分を売り込むことが可能です。

Web履歴書と職務経歴書の内容は統一感を持たせる

Web履歴書と職務経歴書の内容を書き分けるといっても全く異なる内容にする必要はありません。むしろ核となる強みや主張は統一されている方が人物像がブレずに伝わり信頼感が増します。おすすめの方法は職務経歴書のために作成した詳細な自己PRを要約したものをWeb履歴書に掲載するという手順です。Web履歴書では概要を伝え詳細は職務経歴書をご覧くださいというスタンスを取ることで読み手の興味を持続させることができます。全く同じ文章をコピーアンドペーストすることも間違いではありませんが媒体の特性に合わせて微調整を行う方が熱意や配慮が伝わりやすくなります。特にWeb履歴書では箇条書きのような記号が使えない場合もあるためテキストだけでも読みやすいように接続詞を使って文章を整えるなどの工夫をしてください。

採用担当者の目に留まるキーワード選定のコツ

Web履歴書の自己PRにおいてどのようなキーワードを選ぶかは書類選考の合否を分ける重要な要素です。応募する企業や職種の求人票をよく読み求められているスキルや人物像に関連する言葉を抽出してください。例えば営業職であれば新規開拓や目標達成率といった言葉がエンジニアであれば具体的な言語名や開発環境などがキーワードになります。またマネジメント経験や改善提案といった汎用的なビジネススキルも検索されやすいワードです。自分よがりな表現ではなく業界で通用する標準的な用語を使用することで採用担当者があなたのスキルレベルを瞬時に把握できるようになります。

最後に必ず行うべきプレビュー確認

Web履歴書も職務経歴書も作成が完了したら必ずプレビュー画面で確認作業を行ってください。特にWeb履歴書は入力画面と実際の表示画面で改行の位置や全体のバランスが異なって見えることがあります。意図しない場所で改行されて読みづらくなっていないか誤字脱字がないかを入念にチェックします。またスマートフォンで確認することも有効です。近年では採用担当者が移動中などにスマートフォンで応募者情報をチェックするケースも増えています。どのようなデバイスで見てもストレスなく読める状態に整えておくことはビジネスパーソンとしての基本的な配慮であり好印象に繋がります。二つの自己PRを効果的に使い分け採用担当者に会ってみたいと思わせる魅力的な応募書類を完成させてください。

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人材会社で15年間、転職・中途採用市場における営業職・企画職・調査職の仕事を経験。
社団法人人材サービス産業協議会「転職賃金相場」研究会の元メンバー
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