職務経歴書の自己PRを4つ書いても評価される構成と書き方のポイント

転職活動において職務経歴書は自身のキャリアを証明し採用担当者に売り込むための重要な書類です。その中でも自己PR欄は応募者の強みや人柄を自由にアピールできる項目ですがいくつ書くべきかという点について悩む方は少なくありません。一般的には3つに絞るのがバランスが良いとされていますがアピールしたい要素が多くどうしても4つ伝えたいという場合もあります。自己PRを4つ記載することは決して間違いではありませんが読み手の負担を減らし効果的に伝えるためには工夫が必要です。ここでは職務経歴書の自己PRをあえて4つ書く場合のメリットとデメリットそして採用担当者に響く構成テクニックについて解説します。

自己PRを4つ書くことのメリットとリスク

職務経歴書の自己PRは3つが黄金比と言われていますが4つ書くことには多角的にアピールできるというメリットがあります。実務能力や対人スキルそしてマネジメント経験に加えて語学力や新規事業への適性など多彩なスキルを持っている場合は要素を増やすことで人材としての厚みを伝えることが可能です。しかし一方で情報過多になり印象が散漫になるというリスクも伴います。人間の短期記憶は3つ程度の要素が限界と言われることもあり4つ以上の要素を並列に並べると結局何が一番の強みなのかが伝わりにくくなる可能性があります。そのため4つ記載する場合はそれぞれの優先順位を整理し強弱をつけて構成することが重要になります。

4つの自己PRを整理するためのカテゴリー分け

4つの自己PRを効果的に見せるためには内容をカテゴリー分けして整理することが有効です。単に思いついた強みを羅列するのではなくビジネススキルを構成する要素に分類して配置します。例えば1つ目と2つ目は業務に直結する専門スキルや実績を配置し3つ目はコミュニケーションなどの対人スキルをそして4つ目は仕事に取り組む姿勢やマインドセットを配置するといった具合です。このようにハードスキルとソフトスキルをバランスよく配置することで採用担当者は応募者の能力を立体的かつ体系的に理解することができます。似たような強みを4つ並べることは避け異なる角度からのアピールを組み合わせることで4つ書く必然性を持たせることが大切です。

読みやすさを維持するためのレイアウトと見出しの工夫

自己PRが4つになると必然的に文字量が増え文章が詰まって見えるため読みやすさへの配慮が不可欠です。採用担当者は多忙な中で多くの書類に目を通しているためパッと見て内容が頭に入ってこない書類は敬遠される傾向にあります。そこで重要になるのが見出しの活用です。それぞれの自己PRには必ず端的な見出しを付け結論が一目で分かるようにします。本文は長々と書くのではなく3行から4行程度にまとめ要点を凝縮させます。また4つの項目をただ並べるのではなく最もアピールしたい2つを上部に配置し残りの2つを下部に配置するなど配置場所によっても重要度をコントロールすることが可能です。余白を適切に取り窮屈な印象を与えないレイアウトを心がけてください。

4つの自己PRを効果的に組み合わせた例文

ここでは営業職を例に4つの強みをバランスよく組み合わせた書き方を紹介します。実績と対人スキルそして組織への貢献と将来性を網羅した構成です。

圧倒的な行動力による目標達成の実績

現職では月間の訪問件数をチーム平均の1.5倍に設定し徹底的な行動量で新規開拓を行ってきました。断られることを恐れずにアプローチを続ける粘り強さを持ち入社以来3年連続で通期目標を達成しています。この目標達成への執着心は貴社の営業活動においても必ず活かせると確信しています。

顧客の潜在ニーズを引き出すヒアリング能力

単に商品を売るのではなく顧客の課題を解決することを第一に考えています。商談では顧客が抱える潜在的な悩みを聞き出すためのヒアリングに時間をかけ信頼関係の構築に努めてきました。顧客からは相談しやすいという言葉をいただくことが多く既存顧客からの紹介による受注も数多く獲得しています。

組織全体の底上げを図るナレッジ共有

個人の成果だけでなくチーム全体のパフォーマンス向上にも貢献してきました。自身の成功事例や失敗事例を分析しチーム内での勉強会を主催してノウハウを共有しました。組織全体の目標達成に向けて周囲を巻き込みながら行動できることが私の強みでありチームワークを大切にする貴社の風土に貢献できると考えています。

変化に対応し新しい領域へ挑戦する学習意欲

市場の変化に対応するため業務外でも自己研鑽を欠かしません。現在はデジタルマーケティングの知識習得に励んでおり営業活動とマーケティングを融合させた新たな提案手法を模索しています。現状に満足することなく常に新しいスキルを習得し貴社の事業拡大に寄与したいと考えています。

4つ書くべきか統合すべきかの最終判断

自己PRを作成した後にもう一度その4つが本当にすべて必要かを冷静に見直す作業も大切です。もし内容が重複していたり重要度が低い項目が含まれていたりする場合は思い切って統合して3つに絞る勇気も必要です。例えばヒアリング能力とコミュニケーション能力は対人スキルとして一つにまとめることができます。また学習意欲と向上心もマインドセットとして統合可能です。無理に数を増やすことよりも一つのエピソードを掘り下げて具体性を持たせる方が説得力が増す場合もあります。4つ書くことが目的ではなくあなたの魅力が最大限に伝わることが目的であることを忘れずに応募先の企業が求めている人物像に合わせて最適な構成を選んでください。

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人材会社で15年間、転職・中途採用市場における営業職・企画職・調査職の仕事を経験。
社団法人人材サービス産業協議会「転職賃金相場」研究会の元メンバー
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