職務経歴書の自己PRで2社の経験を効果的にアピールする書き方と例文

転職活動において職務経歴書は自身のキャリアを証明する重要な書類です。特に2社の企業での勤務経験がある場合その経験をどのように自己PRにまとめるべきか悩む方は少なくありません。それぞれの会社での経験を個別に書くべきかそれとも一つの強みとして統合すべきかという構成の悩みは尽きません。しかし2社の経験があるということは異なる環境に適応しそれぞれの場所でスキルを培ってきたという実績でもあります。ここでは2社の経験をバラバラの経歴としてではなく一貫性のあるキャリアとして統合し採用担当者に強力にアピールするための書き方のポイントと状況別の具体的な例文を紹介します。

2社の経験を自己PRにまとめる際の基本的な考え方

2社以上の職歴がある場合自己PRを作成する上で最も重要なのはキャリアの一貫性を見出すことです。A社では営業をB社では事務をしていたといったように一見するとバラバラに見える経歴であってもそこには必ずあなたなりの共通した仕事への取り組み方や強みが存在します。採用担当者は会社ごとの細かいエピソードよりもあなたがこれまでのキャリア全体を通じて何を培いそれが自社でどう役立つかを知りたいと考えています。そのため会社ごとに自己PRを分けるのではなく私の強みは〇〇ですという一つの大きな軸を定めその根拠としてA社での経験とB社での経験をエピソードとして盛り込む構成が最も説得力を持ちます。異なる環境で共通して発揮できた能力こそがあなたの真の強みであるポータブルスキルだからです。

共通の強みを軸にしてキャリアの一貫性をアピールする方法

同業種や同職種で2社を経験している場合は専門性の深さや対応力をアピールすることが効果的です。例えば1社目では基礎的な技術を習得し2社目ではリーダーとしてチームをまとめたといったように段階的な成長ストーリーを描くことができます。書き方としてはまず結論として自身の専門スキルや強みを述べます。次に1社目で培った基礎能力について触れ続けて2社目でその能力をどのように発展させたかあるいは異なる環境でどう応用したかを記述します。最後にその蓄積されたノウハウが応募先の企業で即戦力として活かせることを伝えて締めくくります。これにより2社の経験が分断されることなく積み重なったキャリアとして評価されます。

異なる経験を組み合わせて多角的な強みをアピールする方法

異業種や異職種を経験している場合はそれぞれの会社で得た異なる強みを掛け合わせることで希少性をアピールできます。例えば営業職と企画職の両方を経験している場合現場の顧客ニーズを理解した上での企画立案ができるという独自の強みになります。この場合もそれぞれの経験を並列に書くのではなく二つの視点を持っていることが強みであるという統合的な書き方を意識します。1社目の経験が2社目の業務にどう活きたかという相乗効果を示すことで一貫性がないと思われがちなキャリアチェンジの経歴をポジティブな複合スキルへと変換することができます。

同職種で2社を経験し専門性を高めた場合の自己PR例文

営業職として2社を経験し提案力と顧客対応力を磨いてきたことをアピールするパターンです。環境が変わっても成果を出せる再現性を強調します。

私は顧客の潜在的な課題を引き出し最適な解決策を提案する課題解決型の営業力に自信があります。1社目の通信機器商社では新規開拓営業に従事し断られることを前提とした粘り強いアプローチと短時間で信頼関係を築くコミュニケーション能力を磨きました。その後より深く顧客の事業に貢献したいと考え2社目のITソリューション企業へ転職しました。そこでは1社目で培った関係構築力を土台に顧客の業務フローまで踏み込んだ詳細なヒアリングを行いシステムによる業務効率化を提案しました。その結果競合他社との差別化に成功し年間売上目標を120パーセント達成することができました。異なる商材や顧客層であっても本質的な課題を見抜き提案する力は私の最大の武器です。貴社においてもこの経験を活かし即戦力として貢献したいと考えています。

異業種で2社を経験し対応力の幅広さをアピールする例文

販売職から事務職へ転職した経験を持ち現場感覚と事務処理能力の両方を備えていることをアピールするパターンです。

私の強みは相手の立場に立って考え行動するホスピタリティと正確な業務遂行能力を兼ね備えていることです。1社目のアパレル販売職ではお客様一人ひとりのニーズを汲み取る傾聴力と臨機応変な対応力を身につけました。その後バックオフィスから組織を支えたいと考え2社目のメーカーで営業事務職に就きました。事務職においても販売職で培った相手を思う視点を活かし営業担当者が動きやすいよう資料を先回りして準備するなど能動的なサポートを行いました。また数字を扱う業務ではミスゼロを目標にダブルチェックを徹底し正確性においても高い評価をいただきました。現場の気持ちが分かる事務職として円滑なコミュニケーションと正確な実務で貴社の業務効率化に貢献したいと考えています。

2社分の自己PRを書く際の注意点とNGパターン

2社の経験を書く際によくある失敗として単なる職務経歴の羅列になってしまうことが挙げられます。A社では〇〇をしましたB社では〇〇をしましたという事実だけを並べてもそこからあなたの強みは伝わってきません。あくまで自己PRは強みを伝える場であり職歴を説明する場ではないことを意識してください。また前の会社の批判や不満を書くことは厳禁です。それぞれの会社で得られたポジティブな経験や学びに焦点を当てそれらが現在の自分を形作っているという前向きなトーンで書くことが大切です。2つの経験を一つの強力な武器として統合し採用担当者にあなたの価値を伝えてください。

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人材会社で15年間、転職・中途採用市場における営業職・企画職・調査職の仕事を経験。
社団法人人材サービス産業協議会「転職賃金相場」研究会の元メンバー
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