履歴書の破棄や返却に関するメールの書き方とマナー

転職活動において、選考結果の連絡とともに「応募書類は当社にて責任を持って破棄します」と伝えられるケースは少なくありません。また、選考を辞退する際に、提出した個人情報の取り扱いについて確認したい場合もあるでしょう。

履歴書や職務経歴書には極めて重要な個人情報が記載されています。そのため、選考終了後の書類の扱いは、企業側にとっても求職者側にとってもデリケートな問題です。

ここでは、企業から履歴書の破棄を通知された際の対応や、自分から破棄や返却を依頼する場合のメール例文、そして個人情報保護の観点から知っておくべきマナーについて解説します。

企業から「履歴書は破棄します」と言われた場合の対応

不採用通知などのメールに「応募書類は返却せず、当社規定に基づき適切に破棄いたします」と記載されていることがよくあります。この場合、どのように対応するのが正解なのでしょうか。

基本的に返信は不要

不採用通知や選考終了の連絡に対し、基本的に返信をする必要はありません。企業側も多くの応募者に対応しているため、不採用連絡への返信は求めていないことが大半です。「破棄します」という通知は、あくまで個人情報の取り扱いに関する企業側の宣言であり、同意を求めるものではないため、そのまま読み流して問題ありません。

返信する場合のマナーと例文

もし、これまでの面接での丁寧な対応への感謝を伝えたい場合や、どうしても一言添えたい場合は、返信しても失礼にはあたりません。その際は、感情的な内容は避け、簡潔に感謝と了承の意を伝えます。

【返信例文】

件名：Re: 選考結果のご連絡（氏名）

株式会社〇〇

人事部 採用担当 〇〇様

お世話になっております。

（氏名）です。

選考結果のご連絡をいただき、ありがとうございました。

結果につきましては真摯に受け止めております。

また、応募書類の破棄につきましても承知いたしました。

お手数をおかけしますが、ご対応のほどよろしくお願いいたします。

末筆ながら、貴社の益々のご発展をお祈り申し上げます。

氏名：〇〇 〇〇 電話番号：090-0000-0000 メールアドレス：example@email.com

選考辞退時に履歴書の破棄を依頼する場合

こちらから選考を辞退する場合、提出済みの履歴書や職務経歴書がどうなるか不安になることがあります。通常、企業は選考終了者のデータを一定期間後に削除または破棄しますが、念のためメールで依頼しておくと安心です。

辞退と同時に破棄を依頼する例文

辞退メールを送る際、文末に一言添えるのがスマートです。

【辞退および破棄依頼の例文】

件名：選考辞退のご連絡（氏名）

株式会社〇〇

採用担当 〇〇様

お世話になっております。

〇〇（氏名）です。

この度は、面接の機会をいただき誠にありがとうございました。

大変申し上げにくいのですが、検討の結果、一身上の都合により本選考を辞退させていただきたくご連絡いたしました。

貴重なお時間を割いていただいたにも関わらず、このような形となり大変申し訳ございません。

なお、これまで提出いたしました応募書類（履歴書、職務経歴書等）につきましては、貴社の規定に基づき、責任を持って破棄していただきますようお願い申し上げます。

本来であれば直接お詫びすべきところ、メールでのご連絡となりますこと、重ねてお詫び申し上げます。

貴社の益々のご発展を心よりお祈り申し上げます。

（署名）

履歴書の「返却」を求めたい場合

履歴書や職務経歴書を「手書き」で作成した場合や、作品集（ポートフォリオ）などの原本を郵送している場合は、返却を希望することもあります。

ただし、多くの企業では募集要項に「応募書類は返却いたしません」と記載しています。原則として提出した書類の所有権は企業側に移ると考えられているため、コピーをとっておくのが基本です。それでも原本の返却が必要な場合は、以下のように依頼します。

返却依頼の例文

【返却依頼の例文】

（前略：辞退の旨などを記載した後）

また、提出いたしました応募書類一式につきまして、大変お手数ですがご返却いただきたく存じます。

着払いで構いませんので、下記住所までご郵送いただけますでしょうか。

【返送先住所】

〒000-0000

〇〇県〇〇市〇〇区1-2-3

（氏名）宛

勝手なお願いで恐縮ですが、何卒よろしくお願い申し上げます。

（署名）

個人情報の取り扱いに関する基礎知識

なぜ企業は履歴書を破棄するのか、その背景を知っておくと不要なトラブルを避けられます。

個人情報保護法による義務

企業は収集した個人情報を利用目的（採用活動）以外に使用してはならず、目的を達した後は遅滞なく消去するよう努める必要があります。そのため、シュレッダー処理や溶解処理を行う「破棄」が一般的な対応となります。

データの削除依頼について

最近ではWeb応募やメール添付で履歴書を送るケースが増えています。紙の破棄だけでなく「データの削除」をお願いしたい場合も、辞退メールなどで「提出データの削除をお願いいたします」と一言添えるだけで十分伝わります。

履歴書はあなたの重要な情報が詰まった書類です。選考が終わった後も、お互いに気持ちよく終われるよう、マナーを守った対応を心がけてください。

応募書類の作成を専門家へ相談して転職成功

おすすめの転職エージェント

サイトの目的や、書類作成アドバイスを詳しく知る

応募書類マスター

応募書類マスター

サイトの目的

応募書類マスター

応募書類作成のアドバイス

転職活動の状態ごとに、必要な知識を学べる

おすすめ転職支援サイト

キャリアプランの相談

キャリアプラン案内所

面接のアドバイス

面接のトリセツ

年収交渉アドバイス

給与交渉ナビ

ライト

キャリアアドバイザー

人材会社で15年間、転職・中途採用市場における営業職・企画職・調査職の仕事を経験。
社団法人人材サービス産業協議会「転職賃金相場」研究会の元メンバー
※当サイト記事はリンクフリーです。ご自身のサイトへ自由にお使い頂いて問題ありません。ご使用の際は、文章をご利用する記事に当サイトの対象記事URLを貼って頂ければOKです。