「長く勤めたい」を最強の志望動機にする書き方ガイドと例文集

転職活動において、多くの人が抱く本音の一つが「次は長く勤めたい」「腰を据えて働きたい」という思いです。しかし、履歴書の志望動機欄にそのまま「長く勤めたいからです」と書いてしまうと、採用担当者に「安定志向が強すぎる」「ぶら下がり社員になるのでは？」とネガティブに捉えられてしまうリスクがあります。

企業が求めているのは、単に長く居座る人ではなく、**「長期的に会社に貢献し、成長し続けてくれる人」**です。

ここでは、「長く勤めたい」という想いを、採用担当者が評価するポジティブな志望動機へと変換する書き方のテクニックと、状況別の具体的な例文を紹介します。

「長く勤めたい」だけでは不十分な理由

採用担当者の視点では、「長く勤めたい」という言葉だけでは、その人が会社にどう貢献してくれるかが見えません。場合によっては、「待遇や安定性だけを求めている」と誤解されることもあります。

評価されるためには、以下の3つの要素をセットで伝える必要があります。

1. なぜ長く働けると思うのか（マッチング）会社の理念、風土、事業内容と自分の価値観が合致していることを伝えます。
2. 長く働くことで何を実現したいか（キャリアビジョン）時間をかけてスキルを磨き、将来的にはリーダーになりたい、専門性を高めたいといった意欲を示します。
3. 長く働くことが会社にとってどうプラスになるか（貢献）ノウハウの蓄積や、安定した業務遂行によって組織に貢献できることをアピールします。

「長く勤めたい」をポジティブに変換する3つの言い換えテクニック

ストレートな表現を避け、ビジネス視点の言葉に変換しましょう。

• 「安定して働きたい」→ 「腰を据えて業務に取り組み、専門性を深めたい」（スキルの習熟や深化を目的とする）
• 「定年まで働きたい」→ 「長期的な視点でキャリアを築き、組織の中核として貢献したい」（組織への貢献と責任感を強調する）
• 「転勤がなく長く働けるから」→ 「地域に根ざした貴社で、顧客と長い信頼関係を構築したい」（顧客へのメリットに変換する）

【状況別】「長く勤めたい」をアピールする志望動機 例文

ご自身の状況（転職回数、未経験、ブランクなど）に合わせて、最適な例文を選んで調整してください。

1. 【転職回数が多い場合】「最後の転職」にしたいと伝える

転職回数が多い場合、採用側は「またすぐに辞めるのではないか」と懸念します。「ここを最後の場所にしたい」という強い覚悟と、その理由（企業との合致点）を明確にします。

【例文】

貴社の「社員を大切にし、チームワークで成果を出す」という社風に強く惹かれ、志望いたしました。

これまでは自身のスキルアップを求めて数回の転職を経験しましたが、それぞれの環境で培った営業力と適応能力を活かし、今後は一社で腰を据えて組織に貢献したいと考えております。

貴社のような安定した基盤と成長性を兼ね備えた環境で、これまでの経験を総動員し、長期的に事業の発展に寄与できる人材として「最後の転職」にする覚悟です。

2. 【未経験職種への挑戦】一から技術を身につけ長く貢献したい

未経験の場合、教育コストがかかるため、企業は長く働いてくれる人を歓迎します。「時間をかけてプロになりたい」という熱意を伝えます。

【例文】

日本のモノづくりを支える貴社の製造技術と、未経験からプロを育てる教育体制に魅力を感じ、志望いたしました。

前職は接客業でしたが、手に職をつけ、一つの仕事を長く極めたいという思いが強くなり、製造職への転身を決意しました。コツコツと真面目に取り組む持続力には自信があります。

入社後は、先輩方の技術を吸収し、将来的には後輩の指導も任されるような熟練の技術者として、貴社の生産活動に長く貢献したいと考えております。

3. 【ブランク・復職】子育て等が落ち着き、安定して働きたい

子育てや介護がひと段落し、本格的に復職する場合の例文です。ブランクを感じさせない意欲と、長期就業へのコミットメントを伝えます。

【例文】

貴社の地域密着型の事業展開と、女性社員が長く活躍されている実績に惹かれ、志望いたしました。

出産・育児のためブランクがありますが、子育てがひと段落したため、改めて社会人として責任ある仕事に長く従事したいと考えております。前職の事務経験で培った正確性とPCスキルを活かし、限られた時間の中でも効率的に成果を出し、貴社のバックオフィスを支える存在として定年まで勤め上げたいと強く願っております。

4. 【キャリアアップ】専門性を高め、組織の中核になりたい

経験者がさらにスキルを磨くために転職する場合です。「長くいること」が「会社の利益（専門性の蓄積）」になることをアピールします。

【例文】

貴社が開発する〇〇システムの将来性と、技術投資を惜しまない姿勢に共感し、志望いたしました。

現職ではSEとして3年間開発に従事しましたが、プロジェクト単位での異動が多く、一つのプロダクトを深く育てることが難しい環境でした。貴社においては、自社サービスの開発にじっくりと腰を据えて取り組み、製品知識と技術力を蓄積することで、サービスの質の向上と長期的な事業成長に貢献したいと考えております。

採用担当者にマイナス評価を与えるNGパターン

「長く勤めたい」と書く際に、避けるべき表現があります。

• 「御社は安定しているから」「福利厚生が良いから」
  • 会社にぶら下がる「依存心」が強いと判断されます。あくまで「仕事内容」や「理念」への共感をメインに据えましょう。
• 「今の会社は将来が不安だから」
  • ネガティブな退職理由を前面に出すと、「うちに来ても不満を持つのでは」と思われます。「貴社でなら〇〇が実現できる」というポジティブな変換が必要です。

まとめ

「長く勤めたい」という思いは、企業にとっても嬉しいものです。しかし、それを伝える際には「自分の安心のため」ではなく、**「会社に長く貢献するため」**という視点を持つことが大切です。

「この会社で骨を埋める覚悟で、スキルを磨き、成果を出します」という熱意を論理的に伝えることで、採用担当者に「この人なら安心して長く任せられる」という信頼感を与えましょう。

応募書類の作成を専門家へ相談して転職成功

おすすめの転職エージェント

サイトの目的や、書類作成アドバイスを詳しく知る

応募書類マスター

応募書類マスター

サイトの目的

応募書類マスター

応募書類作成のアドバイス

転職活動の状態ごとに、必要な知識を学べる

おすすめ転職支援サイト

キャリアプランの相談

キャリアプラン案内所

面接のアドバイス

面接のトリセツ

年収交渉アドバイス

給与交渉ナビ

ライト

キャリアアドバイザー

人材会社で15年間、転職・中途採用市場における営業職・企画職・調査職の仕事を経験。
社団法人人材サービス産業協議会「転職賃金相場」研究会の元メンバー
※当サイト記事はリンクフリーです。ご自身のサイトへ自由にお使い頂いて問題ありません。ご使用の際は、文章をご利用する記事に当サイトの対象記事URLを貼って頂ければOKです。