履歴書の退職理由はどう書く?ケース別例文と好印象を与える書き方
転職活動において、履歴書の職歴欄は採用担当者が必ずチェックする重要な項目です。その中でも「退職理由」をどのように記載すべきか迷う方は少なくありません。基本的には定型句で済ませることが多いですが、状況によっては具体的な理由を添えることで、書類選考の通過率を高めることも可能です。
ここでは、履歴書における退職理由の正しい書き方のルールと、状況別にそのまま使える例文を紹介します。
履歴書の退職理由は「定型句」が基本ルール
履歴書の職歴欄はスペースが限られているため、退職理由は詳細に書かず、定型句を用いて簡潔に記載するのが原則です。大きく分けて以下の2つのパターンがあります。
1. 自分の意思で退職した場合(自己都合退職)
転職、結婚、出産、家族の介護、病気療養など、労働者側からの申し出によって退職した場合は、理由の詳細に関わらず以下の定型句を使用します。
書き方:
一身上の都合により退職
2. 会社の事情で退職した場合(会社都合退職)
倒産、リストら、事業所閉鎖、解雇など、会社側の事情によって退職を余儀なくされた場合は、自己都合とは区別して記載します。これにより、失業給付の面などで事実と異なる解釈をされるのを防ぐ意味もあります。
書き方:
会社都合により退職
状況別 退職理由の書き方と例文
基本は上記の定型句ですが、採用担当者に「なぜ辞めたのか?」という懸念を持たれやすいケースや、事実を正確に伝えたほうが有利になるケースでは、理由を簡潔に追記することが推奨されます。
契約社員や派遣社員の場合(契約期間満了)
契約期間が決まっている雇用形態で、契約更新のタイミングで退職した場合は、「自己都合」と書くよりも「契約満了」と書くほうが、計画的なキャリア形成である印象を与えられます。
例文
契約期間満了により退職
ポイント
契約途中で辞めた場合は「一身上の都合」となりますが、満了まで勤め上げた場合は胸を張って「満了」と記載しましょう。
倒産や事業縮小の場合
会社の経営悪化などが理由であれば、個人のスキル不足や定着性の低さが原因ではないことを明確にするために、理由を付記しても構いません。
例文
会社都合により退職(業績悪化による事業所閉鎖のため)
会社都合により退職(会社倒産のため)
やむを得ない事情(介護・転居など)の場合
短期離職やブランク(空白期間)がある場合、それがやむを得ない事情によるものであれば、理由を添えることで採用担当者の不安を払拭できます。ただし、現在はその問題が解消され、勤務に支障がないことを伝えるのが鉄則です。
例文:介護の場合
一身上の都合により退職(親の介護のため ※現在は施設入居済みにより勤務に支障ありません)
例文:配偶者の転勤の場合
一身上の都合により退職(配偶者の転勤に伴う転居のため)
病気療養の場合
病気で退職しブランクがある場合、履歴書に病名まで書く必要はありませんが、現在は完治していることを伝えると安心感につながります。
例文
一身上の都合により退職(病気療養のため ※現在は完治しており業務に支障ありません)
ポジティブな理由を添える応用テクニック
履歴書の職歴欄に余裕がある場合や、転職回数が多く「またすぐに辞めるのでは?」と懸念されそうな場合は、あえて前向きな退職理由を短く添えるテクニックもあります。
例文:キャリアアップの場合
一身上の都合により退職(キャリアアップのため)
一身上の都合により退職(営業職へのキャリアチェンジのため)
このように記載することで、行き当たりばったりの退職ではなく、目的意識を持った転職活動であることをアピールできます。ただし、長くなりすぎると読みづらくなるため、あくまで一言に留め、詳細は職務経歴書や面接で語るようにしましょう。
履歴書に書かないほうがよい退職理由
履歴書は公的な書類としての側面が強いため、感情的な理由やネガティブな内容は記載しません。
NG例
給与への不満により退職
人間関係のトラブルにより退職
残業が多く体力が続かなかったため退職
これらは事実であっても、「一身上の都合により退職」とまとめるのがマナーです。詳細な転職理由や志望動機については、職務経歴書の自己PR欄や面接の場で、ポジティブな表現に変換して伝えるようにしましょう。
まとめ
履歴書の退職理由は、基本的には「一身上の都合により退職」か「会社都合により退職」のいずれかです。しかし、契約満了や倒産、やむを得ない家庭の事情など、理由を明記したほうがご自身にとって有利に働くケースもあります。
採用担当者が履歴書を見たときに「なぜ辞めたのか」という疑問や不安を抱かないよう、状況に合わせて適切な書き方を選んでください。詳細な事情や熱意は職務経歴書で補足し、トータルで「採用したい人材」であることをアピールしましょう。





