履歴書の「長所・短所」書き方完全ガイド|採用担当者に好印象を与える例文集
転職活動の履歴書において、「長所・短所」の欄は応募者の人柄や自己分析能力を判断する重要な項目です。しかし、「自分の長所を自慢げに書くのは気が引ける」「短所を書いて評価が下がらないか不安」と悩み、筆が止まってしまう方は少なくありません。
採用担当者はこの欄を通じて、「自社の社風に合う人物か」「自分の課題を客観視し、改善しようとする姿勢があるか」を見ています。
ここでは、書類選考を突破するために効果的な「長所・短所」の書き方のコツと、性格タイプ別の具体的な例文を紹介します。
採用担当者が「長所・短所」で見ている3つのポイント
例文を見る前に、企業側が何を評価基準にしているかを理解しましょう。ここを外さなければ、マイナス評価になることはありません。
- 自己分析ができているか(客観性)自分自身を客観的に理解できている人は、仕事においても現状を正しく把握し、成長できる人材だと判断されます。
- 短所を「課題」として捉え、向き合っているか誰にでも短所はあります。重要なのは「開き直らないこと」です。短所をカバーするためにどのような工夫をしているか、という**「改善の姿勢」**こそが最大のアピールになります。
- 長所と短所が表裏一体になっているか「長所は行動力があること」「短所は心配性なこと」では矛盾して見えます。「行動力がある(長所)⇔せっかち(短所)」のように、一貫性を持たせることが説得力を生みます。
評価される書き方の基本構成
長所・短所はセットで考え、以下の構成で文章を組み立てるとスムーズです。
- 【長所】 結論(私の長所は〇〇です)+ 具体的なエピソード
- 【短所】 結論(短所は〇〇なところです)+ 長所の裏返しとしての説明
- 【改善策】 短所を補うために心がけていること(ポジティブな締めくくり)
【性格タイプ別】そのまま使える長所・短所の例文集
ご自身の性格に近いものを選び、エピソードを調整して活用してください。
1. 「行動力・スピード」があるタイプ
長所キーワード: 行動的、決断力がある、好奇心旺盛、チャレンジ精神
短所キーワード: せっかち、早とちり、飽きっぽい、計画性が弱い
【長所】
私の長所は、目標達成に向けた「行動力」です。前職の営業では、考える前に行動することを信条とし、チーム内で最も多い訪問件数を維持し続けました。その結果、昨年度は目標達成率120%を記録しました。
【短所】
一方で、行動を優先するあまり「せっかち」になってしまうところがあります。スピードを重視するあまり、確認不足になることが過去にありました。
【改善策】
現在は、着手する前に一度立ち止まり、優先順位と手順を確認する時間を設けるようにしています。また、重要な業務についてはダブルチェックを徹底し、スピードと正確性の両立を心がけています。
2. 「慎重・正確・真面目」なタイプ
長所キーワード: 責任感、几帳面、正確性、継続力、計画性
短所キーワード: 心配性、神経質、優柔不断、時間がかかる
【長所】
私の長所は、細部まで確認を怠らない「几帳面さ」と「正確性」です。事務職としてデータ入力や書類作成を行う際、独自のチェックリストを作成してミス防止を徹底しました。その結果、3年間入力ミスゼロを継続し、周囲から信頼を得ることができました。
【短所】
反面、細部にこだわりすぎるあまり「心配性」になり、作業に時間がかかってしまうことがあります。
【改善策】
現在は、業務の全体像を把握した上で、それぞれのタスクに期限を設けて取り組むようにしています。「7割の完成度で一度共有し、フィードバックをもらう」など、スピード感を持って業務を進める工夫をしています。
3. 「協調性・サポート」が得意なタイプ
長所キーワード: 協調性、傾聴力、柔軟性、ホスピタリティ
短所キーワード: 優柔不断、流されやすい、主体性がない、おせっかい
【長所】
私の長所は、チームの潤滑油として動ける「協調性」です。プロジェクト進行中、メンバー間で意見が対立した際には、双方の意見を丁寧にヒアリングし、妥協点を見出す調整役を担ってきました。円滑なコミュニケーションを通じて、チームの目標達成に貢献します。
【短所】
一方で、周囲の意見を尊重しすぎるあまり、「優柔不断」になり、自分の意見を主張することを躊躇してしまう場面があります。
【改善策】
会議などでは、まず自分の考えを整理した上で、タイミングを見て発言するよう意識しています。相手を尊重しつつも、チームにとって最善の選択肢を提示できるよう、主体的な姿勢を持つよう努めています。
4. 「集中力・こだわり」が強いタイプ
長所キーワード: 集中力、忍耐力、探究心、粘り強い
短所キーワード: 頑固、マイペース、視野が狭くなる、没頭しすぎる
【長所】
私の長所は、一度決めたことを最後までやり遂げる「粘り強さ」と「集中力」です。前職の開発業務では、解決困難なエラーが発生した際も、諦めずに原因を追求し続け、解決策を見つけ出すまで根気強く取り組みました。
【短所】
反面、一つのことに集中しすぎると「周りが見えなくなる」ことがあります。没頭するあまり、休憩を取らずに作業を続けてしまうこともありました。
【改善策】
現在は、タイマーを活用して定期的に休憩を挟むとともに、チームメンバーと進捗を共有する時間を設けるようにしています。俯瞰的な視点を持ちながら業務を進めるよう心がけています。
長所・短所を書く際の注意点
「特になし」はNG
自分のことを分析できていない、または意欲が低いと判断されます。些細なことでも構わないので必ず記入します。
致命的な短所は書かない
業務に直接支障をきたすような短所は避けます。
- 営業職なのに「人見知りです」
- 経理職なのに「大雑把です」
- 社会人として致命的な「時間にルーズです」「嘘をついてしまいます」
これらは「改善の努力」を書いてもカバーしきれないため、別の側面(エピソード)を探して書き換える必要があります。
自己PRと矛盾させない
履歴書には「自己PR」欄もあります。自己PRで書いた強みと、長所欄の内容が矛盾しないように注意します。
- 自己PR: 自分の「能力・スキル」をアピール(仕事で何ができるか)
- 長所欄: 自分の「人柄・性格」をアピール(どんな人間か)
この違いを意識しつつ、全体として一貫性のある人物像を伝えることが、書類選考通過のポイントです。





