履歴書の「性格」欄はどう書く？採用担当者に好印象を与える書き方と性格別例文集

転職活動の履歴書において、「性格」や「長所・短所」の欄は、応募者の人柄を伝える重要なスペースです。しかし、「自分の性格をどう表現すればビジネスで評価されるのか」「ありきたりな言葉になってしまう」と悩む方は少なくありません。

採用担当者はこの欄を通じて、あなたが「自社の社風に合う人物か」「自己分析ができているか」を判断しています。

ここでは、あなたの性格を魅力的なビジネススキルとして伝え、書類選考を通過するための書き方のコツと、性格タイプ別の具体的な例文を紹介します。

採用担当者が「性格」欄で見ている3つのポイント

例文を見る前に、企業側が何を重視しているかを理解しておきましょう。

1. 社風や職種との適性「コツコツ作業が得意な性格」は事務職や技術職で好まれますが、新規開拓営業では「行動力がある性格」の方が好まれる可能性があります。応募する仕事内容に合った側面をアピールすることが鉄則です。
2. 自己分析能力（客観性）自分の強みと弱みを正しく理解し、言語化できているかを見ています。主観だけでなく、周囲からの評価を交えると説得力が増します。
3. ネガティブ要素の有無「短気」「飽きっぽい」など、業務に支障をきたすような性格でないかを確認しています。短所を書く場合も、ポジティブな言い換えが必要です。

評価される書き方の基本構成

性格欄はスペースが限られていることが多いため、以下の構成で簡潔にまとめると伝わりやすくなります。

1. 結論（一言で）： 私の性格は「〇〇」です。
2. 根拠（エピソード）： 具体的な行動や周囲からの評価。
3. 仕事への活かし方： その性格が業務でどうプラスに働くか。

【性格タイプ別】履歴書「性格」欄の例文集

ご自身の性格に近いものを選び、エピソードを調整して活用してください。

1. 「真面目・責任感が強い」タイプ

【アピールポイント】 正確性、信頼感、規律遵守

事務職、経理、製造、インフラエンジニアなどで特に好まれます。

【例文A：責任感】

私の性格は、一度引き受けたことは最後までやり遂げる「責任感の強さ」です。前職では、困難な納期のプロジェクトでも、スケジュールの再調整や周囲への協力を仰ぐことで、一度も納期を遅延させませんでした。この粘り強さは、貴社の業務においても信頼を守るために活かせると考えています。

【例文B：几帳面・慎重】

私は「石橋を叩いて渡る」慎重な性格です。作業前の確認やダブルチェックを徹底することを習慣にしており、前職のデータ入力業務では3年間ミスゼロを継続しました。正確性が求められる貴社の管理部門においても、リスクを未然に防ぐ役割を果たします。

2. 「明るい・協調性がある」タイプ

【アピールポイント】 コミュニケーション能力、チームワーク、雰囲気作り

営業職、接客業、チームプロジェクトが多い職種で有効です。

【例文A：協調性】

私は、周囲との調和を大切にする性格です。チーム内で意見が対立した際には、双方の意見を聞き出し、妥協点を見つける調整役を担うことが多いです。この調整力を活かし、円滑なプロジェクト進行に貢献したいと考えています。

【例文B：前向き・ポジティブ】

どんな状況でも前向きに捉えるポジティブな性格です。前職でトラブルが発生した際も、落ち込むのではなく「今できる最善策は何か」をチームに呼びかけ、士気を高めることに注力しました。困難な状況でも周囲を明るくし、目標達成に向けて行動します。

3. 「行動力・チャレンジ精神がある」タイプ

【アピールポイント】 主体性、スピード感、向上心

ベンチャー企業、新規事業担当、営業職などで評価されます。

【例文A：行動力】

私は「思い立ったら即行動」する性格です。現状に満足せず、業務効率化のために新しいツールの導入を自ら提案し、実行に移してきました。未経験の分野であっても、恐れずに挑戦し、走りながら学ぶ姿勢で貴社の成長に貢献いたします。

【例文B：好奇心旺盛】

新しい知識や技術を吸収することが好きな、好奇心旺盛な性格です。業務外でも業界のトレンドをリサーチし、仕事に取り入れることを楽しんでいます。変化の速い貴社の業界においても、常に情報をアップデートし、柔軟に対応いたします。

4. 「忍耐強い・継続力がある」タイプ

【アピールポイント】 ストレス耐性、地道な努力、成果への執着

長期間のプロジェクト、ルーチンワーク、下積みが必要な職種で強みになります。

【例文A：継続力】

私は、地味な作業でもコツコツと継続できる性格です。学生時代から続けているランニングは、雨の日以外は5年間欠かさず行っております。仕事においても、一見単調な業務の中に改善点を見つけ出し、根気強く取り組むことで成果に繋げます。

【例文B：忍耐力】

困難な壁にぶつかっても諦めない忍耐強さがあります。前職の営業では、なかなか成果が出ない時期もありましたが、行動量を落とさずアプローチ方法を工夫し続けた結果、目標を達成しました。貴社においても、粘り強く業務に取り組みます。

「短所」を書く場合のポジティブ変換テクニック

履歴書のフォーマットによっては「長所・短所」をセットで書く場合があります。短所を書く際は、必ずポジティブな要素や改善の努力をセットで記載しましょう。

• 心配性・神経質→ 「細部まで確認を怠らない慎重さがあります。スピードが必要な時は、優先順位をつけて判断するよう心がけています。」
• 優柔不断→ 「物事を多角的に検討し、慎重に判断するタイプです。期限を決めて決断するよう意識しています。」
• おせっかい→ 「困っている人を放っておけない性格で、よく相談を受けます。相手の自立を妨げないよう、サポートのバランスには気をつけています。」
• マイペース→ 「周囲に流されず、自分のペースで着実に業務を遂行します。チームの進捗には遅れないよう、報連相を徹底しています。」

まとめ：性格欄は「一緒に働きたいか」の判断材料

履歴書の性格欄は、単なる自己紹介ではありません。「この性格だからこそ、この仕事で活躍できる」という根拠を示す場所です。

自分を良く見せようとして嘘をつく必要はありませんが、応募する企業の社風や職種に合わせて、**「自分の性格のどの部分を強調すれば、一緒に働きたいと思ってもらえるか」**を戦略的に考えて記載してください。

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人材会社で15年間、転職・中途採用市場における営業職・企画職・調査職の仕事を経験。
社団法人人材サービス産業協議会「転職賃金相場」研究会の元メンバー
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