営業職の履歴書志望動機 例文と書き方完全ガイド 採用担当者の心を掴むアピール術
営業職は企業の売上を直接左右する重要なポジションであり、転職市場においても常に高いニーズがあります。しかし、人気企業や好条件の求人には多くの応募者が殺到するため、履歴書の志望動機で「会ってみたい」と思わせるだけの説得力がなければ、書類選考を突破することは困難です。
採用担当者は、応募者の「売る力(ポテンシャル)」と「自社への熱意」を志望動機から見極めようとしています。ここでは、営業職への転職を成功させるための志望動機の書き方と、未経験者・経験者など状況別の具体的な例文を紹介します。
営業職の採用担当者が志望動機で見ている3つのポイント
例文を見る前に、企業側が営業職に求めている要素を整理しましょう。以下の3点を意識して文章を構成することで、説得力が格段に増します。
1. 目標達成への意欲と行動力
営業職の最大のミッションは数字を作ることです。「目標を達成するために粘り強く行動できるか」「困難な状況でも工夫して成果を出そうとするか」という姿勢が問われます。経験者であれば過去の実績を、未経験者であればこれまでの仕事で目標に対してどう取り組んだかを伝える必要があります。
2. 顧客との関係構築力
モノやサービスが溢れる現代において、ただ売り込むだけの営業は通用しません。顧客の課題を聞き出し、信頼関係を築いた上で提案できるコミュニケーション能力が重視されます。「相手の立場に立って考えられるか」という視点が志望動機に含まれているかどうかがチェックされます。
3. なぜ「その会社」で売りたいのか
「営業ならどこでもいいのでは?」と思われないために、その企業の商品やサービス、営業スタイルへの共感を明確にする必要があります。「貴社の商品力に惹かれた」「顧客第一主義の理念に共感した」など、独自の理由を盛り込むことが重要です。
評価される志望動機を作る「3段構成」の鉄則
読みやすく、熱意が伝わる志望動機にするためには、以下の3つのステップで文章を組み立てるのが基本です。履歴書の志望動機欄はスペースが限られているため、200文字から300文字程度にまとめるのが理想的です。
- 結論(志望理由): その企業を選んだ最大の理由を端的に述べる。
- 根拠(経験・スキル): その理由に至った背景や、活かせる経験(実績、ポータブルスキル)を具体的に書く。
- 貢献(結び): 入社後にどうなりたいか、どう貢献したいかで締めくくる。
【状況別】営業職の志望動機 例文集
ここからは、具体的なシチュエーション別に例文を紹介します。ご自身の経歴に合わせて、内容を調整して活用してください。
ケース1:未経験から営業職へ挑戦する場合
【アピールポイント】 接客・販売経験などで培ったコミュニケーション能力、目標達成への意欲
例文
貴社の「顧客の課題解決を最優先する」という営業方針と、扱う商材の将来性に魅力を感じ、志望いたしました。
前職ではアパレル販売員として3年間勤務し、お客様一人ひとりのニーズを汲み取る接客を徹底してまいりました。その結果、店舗内での個人売上目標を連続して達成し、数字を作るやりがいを実感しました。
この経験から、より深く顧客の課題に入り込み、長期的な信頼関係を築ける法人営業に挑戦したいと強く思うようになりました。未経験ではありますが、販売職で培ったヒアリング能力と行動力を活かし、早期に戦力となれるよう尽力いたします。
ケース2:営業経験者が同業種・同職種でキャリアアップする場合
【アピールポイント】 即戦力となる実績、より高いレベルへの挑戦意欲
例文
現職では5年間、OA機器の法人営業として新規開拓および既存顧客への深耕営業に従事し、昨年度は部内トップの売上達成率120パーセントを記録しました。しかし、単なる機器販売に留まらず、より包括的なソリューション提案を通じて顧客の経営課題を解決したいと考え、ITコンサルティング領域に強みを持つ貴社を志望いたしました。
貴社の幅広い商材と技術力を背景に、これまでに培った関係構築力と提案力を最大限に発揮し、事業拡大に即戦力として貢献したいと考えております。
ケース3:異業界の営業職へ転職する場合(例:ルート営業から企画営業へ)
【アピールポイント】 共通する営業スキル、新しいスタイルへの適応力
例文
貴社が展開する広告事業のクリエイティビティと、顧客の売上拡大に直結する提案スタイルに惹かれ、志望いたしました。
私はこれまで食品メーカーのルート営業として、約50社の既存顧客を担当してまいりました。徹底した顧客管理とこまめな提案により、担当エリアの売上を前年比110パーセントに伸ばした実績があります。
有形商材のルート営業で培った「信頼関係を維持・発展させる力」をベースに、貴社では無形商材ならではの企画提案力を磨き、新規顧客の開拓にも果敢に挑戦したいと考えております。
ケース4:第二新卒・経験が浅い場合
【アピールポイント】 素直さ、学習意欲、ポテンシャル
例文
日本独自の技術力を世界に発信する貴社のグローバルな事業展開に感銘を受け、その一翼を担いたいと強く思い志望いたしました。
前職では事務職として正確な業務遂行を心がけておりましたが、社内の営業担当者が顧客と折衝し成果を上げる姿を見て、自分も最前線で数字を作る仕事がしたいという思いが強くなりました。
営業経験はありませんが、持ち前のフットワークの軽さと、新しい知識を吸収する学習意欲には自信があります。先輩方の指導を素直に吸収し、一日も早く一人前の営業として貴社に貢献できるよう、粘り強く業務に取り組みます。
採用担当者に嫌われる「NGな志望動機」
以下のような内容は、採用担当者にマイナス評価を与えてしまうリスクがあるため避けましょう。
- 「勉強させてほしい」という受け身の姿勢企業は学校ではありません。「学びたい」ではなく「自ら学び、貢献したい」という能動的なスタンスで書きましょう。
- 「給料が良いから」「ノルマがなさそうだから」条件面や楽さを求めていると思われる内容はNGです。あくまで「仕事内容」や「理念」への共感を優先しましょう。
- 「人と話すのが好きだから」だけで終わる営業は単なるお喋りではありません。「話すのが好き」なだけでなく、「相手の課題を聞き出し、解決策を提案することが好き」というビジネス視点に変換しましょう。
まとめ
営業職の履歴書においては、「売上へのコミットメント」と「顧客への誠実さ」の両面を持っていることを伝えるのがポイントです。
未経験であっても、これまでの経験(接客や事務、他職種)の中に営業に通じる要素を見つけ出し、それがどう役立つかを具体的にイメージさせることができれば、採用の確率はぐっと高まります。例文を参考に、あなた自身の言葉で熱意を伝えてください。





