シニア世代の履歴書「志望動機」完全ガイド!採用担当者が会いたくなる書き方と厳選例文集
「定年後の再就職活動、履歴書に何を書けばいいのか分からない」「豊富な経験はあるが、どう伝えれば『扱いやすい人材』と思ってもらえるだろうか」
50代、60代、そして70代のシニア世代にとって、転職活動における履歴書の「志望動機」は最大の難関です。若い頃と同じような書き方では、採用担当者に「プライドが高そう」「現場に馴染めるか不安」といったネガティブな印象を与えてしまうリスクがあるからです。
しかし、ポイントさえ押さえれば、長年のキャリアは強力な武器になります。
ここでは、シニア世代が書類選考を突破するために不可欠な**「採用される志望動機」の書き方と、職種・状況別の「そのまま使える例文」**を紹介します。
シニア採用で企業が懸念している「3つの不安」を払拭する
志望動機を書く前に、採用担当者がシニア応募者に対して抱いている「不安」を理解しましょう。この不安を解消する内容を盛り込むことが、合格への近道です。
- 健康面・体力面の不安「すぐに休んでしまわないか?」「体力仕事に耐えられるか?」→ 健康自慢や、日々の運動習慣、無遅刻無欠席の実績をアピールします。
- プライド・扱いづらさの不安「年下の上司の指示を聞けるか?」「過去の肩書きを振りかざさないか?」→ 謙虚な姿勢、ゼロから学ぶ意欲、柔軟性を強調します。
- 早期離職の不安「腰掛けではないか?」「すぐに辞めてしまわないか?」→ 長く安定して働きたい意欲、地域貢献への想いを伝えます。
評価される志望動機の基本構成(3段論法)
シニア世代の志望動機は、以下の3ステップで構成すると、独りよがりにならず説得力が増します。
- 【結論】なぜその会社・仕事を選んだのか(企業の理念、地域貢献度、仕事内容への興味など)
- 【根拠】これまでの経験・スキル・健康状態(前職の経験、培ったポータブルスキル、体力への自信)
- 【貢献】入社後にどうなりたいか(謙虚な姿勢で貢献したい、長く勤めたいという意思表示)
【職種・状況別】シニア向け履歴書 志望動機 例文集
それでは、具体的なシチュエーション別に例文を紹介します。ご自身の状況に合わせて調整して活用してください。
1. 【未経験職種】マンション管理人・清掃・軽作業に応募する場合
ポイント: 真面目さ、体力、健康、そして「裏方として支える」姿勢を強調します。
【例文】
貴社が管理されるマンションが、常に清潔で整理整頓されている様子を拝見し、住民の方々の暮らしを支える姿勢に感銘を受け、志望いたしました。
私はこれまで40年間、営業職として勤務してまいりましたが、定年を機に、体を動かして社会の役に立つ仕事に就きたいと考えております。日頃からウォーキングを欠かさず行っており、体力と健康には自信があります。
未経験ではございますが、持ち前の几帳面さと責任感で、住民の皆様が快適に過ごせる環境づくりに、誠心誠意努めてまいる所存です。
2. 【経験者】同職種・専門スキルを活かして再就職する場合
ポイント: 即戦力性をアピールしつつ、過去の地位に固執しない「柔軟性」を示します。
【例文】
貴社の「地域密着で顧客の困りごとを解決する」という経営理念に共感し、私の経理経験を活かして貢献したいと考え志望いたしました。
私は前職まで約35年間、経理・財務部門に従事し、決算業務や資金繰り管理を担当してまいりました。豊富な実務経験を持ってはおりますが、新しい環境では新人のつもりで、貴社のやり方を素直に学び吸収する覚悟です。
若手社員の方々のサポート役として、また即戦力の実務担当者として、円滑な業務運営の縁の下の力持ちとなりたいと考えております。
3. 【接客・サービス】コンビニ・スーパー・飲食店に応募する場合
ポイント: 親しみやすさ、コミュニケーション能力、シフトへの融通性をアピールします。
【例文】
自宅から近く、普段から利用させていただく中で、スタッフの皆様の温かい対応に魅力を感じ、私もその一員として働きたいと思い志望いたしました。
前職では卸売業の営業として、長年多くのお客様と接してまいりました。その経験で培った「相手の立場に立った丁寧なコミュニケーション」は、接客業務においても活かせると確信しております。
健康状態も良好で、土日祝日や早朝のシフトにも柔軟に対応可能です。地域のお客様に喜んでいただけるよう、笑顔で明るい対応を心がけます。
4. 【事務・オフィスワーク】パート・嘱託社員に応募する場合
ポイント: 正確性、PCスキル、周囲への配慮(サポート力)を強調します。
【例文】
貴社の取り組まれている〇〇事業の社会貢献性の高さに惹かれ、事務スタッフとしてバックオフィスを支えたいと思い志望いたしました。
これまで一般事務として、データ入力や書類作成、電話応対などを経験してまいりました。ExcelやWordの操作には慣れており、正確かつ迅速な業務遂行には自信があります。
フルタイムでの勤務経験を活かしつつ、限られた時間の中で効率的に業務をこなし、社員の皆様がコア業務に集中できるようサポートに徹したいと考えております。
シニアの志望動機で「書いてはいけない」NGワード
良かれと思って書いたことが、逆効果になる場合があります。以下の表現は避けましょう。
- ×「勉強させていただきます」
- 企業は学校ではありません。シニアには「即戦力」や「安定感」を求めています。「経験を活かして貢献する」というスタンスで書きましょう。
- ×「部長をしていました」「大きなプロジェクトを動かしていました」(過度な自慢)
- 現場仕事やサポート業務の求人に対して、過去の栄光を語りすぎると「使いにくい」「偉そう」と敬遠されます。過去の実績は職務経歴書に任せ、履歴書の志望動機では「謙虚さ」を優先しましょう。
- ×「年金の足しにしたい」「家にいると暇だから」
- 本音であっても、志望動機に書くべきではありません。「健康維持のため」「社会との接点を持ちたい」といった、ポジティブな表現に変換しましょう。
まとめ:シニアの強みは「人間力」と「安定感」
シニア世代の履歴書において、最も強力なアピールポイントは、長年の社会人経験で培われた**「誠実な人柄(人間力)」と、多少のトラブルには動じない「安定感」**です。
「若い人には負けない」と張り合うのではなく、「若い人を支えることができる」「安心して任せられる」という大人の余裕と謙虚さを文章に込めてください。そうすれば、採用担当者はあなたを「組織に必要な人材」として迎え入れてくれるはずです。





