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障害者枠での就職活動を成功に導く職務経歴書の書き方と実例

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障害をお持ちの方が就職や転職活動を行う際、職務経歴書はご自身の実務能力だけでなく、障害の状況や必要な配慮を企業に正しく伝えるための極めて重要な書類です。障害者雇用枠での応募では、単に業務経験を羅列するのではなく、自分の障害特性を正しく理解し、安定して就労できる準備が整っていることをアピールする必要があります。

採用担当者は、応募者がどのようなスキルを持っているかという点に加え、自社の環境で無理なく力を発揮できるか、どのようなサポートがあれば定着できるかという点を慎重に見極めています。ここでは、障害をお持ちの方が書類選考を通過するために押さえておくべき職務経歴書の書き方のポイントと、具体的な例文について解説します。

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障害者雇用における職務経歴書の役割と重要性

一般枠の採用とは異なり、障害者枠の採用選考において企業側が最も懸念するのは、業務の遂行能力に加えて、体調の安定性と職場への定着可能性です。そのため、職務経歴書では過去の職歴やスキルをアピールするだけでなく、自身の障害について客観的に説明し、就労上の課題に対してどのような対策を講じているかを伝える機能が求められます。

障害の内容や程度は人それぞれ異なります。だからこそ、自分自身の取扱説明書のような視点を持ち、企業側が安心して採用できる材料を提供することが大切です。自分ができること、できないこと、配慮してほしいことを明確に言語化することで、入社後のミスマッチを防ぐことにもつながります。

職務要約で自身のキャリアと障害の概要を伝える

職務経歴書の冒頭には、これまでのキャリアのあらすじを記載する職務要約を設けます。ここでは、最終学歴卒業後から現在に至るまでの経歴を簡潔にまとめると同時に、障害者手帳の種類や等級、障害の種別についても触れておくと、読み手である採用担当者が全体の背景を理解しやすくなります。

例えば、事務職として10年間の経験がある場合、どのような業界でどのような事務処理を行ってきたかを数行で記載します。その上で、いつ頃障害を発症し、現在はどのような状況にあるか(通院の頻度や服薬状況、体調の安定度など)を簡潔に添えることで、現状を正直に伝える誠実な姿勢を示すことができます。

障害の内容と必要な配慮事項の書き方

障害者枠の職務経歴書において、最も特徴的かつ重要な項目が障害の詳細と配慮事項です。ここは企業側が採用可否を判断する上で非常に重視する部分ですので、具体的かつ建設的な表現を心がける必要があります。

まず、障害の状況については、病名や等級だけでなく、具体的な症状や日常生活での支障の程度を記載します。例えば、身体障害であれば、移動の可否や上肢の可動域、パソコン操作への影響などを具体的に書きます。精神障害や発達障害であれば、ストレスを感じやすい場面や、集中力が持続する時間、得意な作業環境などを記述します。

次に、必要な配慮事項については、単に要望を並べるのではなく、配慮があれば業務遂行が可能であるというポジティブな文脈で伝えることがポイントです。例えば、電話応対が難しい場合は、電話応対は困難ですが、メールやチャットでの業務連絡は問題なく行えますと記述します。通院のために休暇が必要な場合は、月1回の通院休暇を希望しますが、業務の進捗には支障が出ないよう調整しますと書き添えることで、仕事への責任感をアピールできます。

自己PRで安定就労への意欲とスキルをアピールする

自己PR欄では、これまでの経験で培ったスキルに加え、自身の障害と向き合いながらどのように仕事に取り組んできたかという工夫や努力をアピールします。

障害があるからこそ培われた強みもあります。例えば、聴覚障害があるために視覚的な情報処理能力に長けている、発達障害の特性により細かなデータのチェック作業が得意である、精神障害の経験から他者の痛みに寄り添うことができるなど、障害特性を業務上の強みとして変換して伝えることが有効です。

また、体調管理やストレスコントロールのために自身で行っている対策を具体的に記述することも、安定就労への強いアピールになります。規則正しい生活習慣を維持していることや、支援機関と連携してサポート体制を整えていることなどを記載し、企業側が安心して雇用できる人材であることを証明してください。

身体障害の方の職務経歴書例文

以下は、車椅子を利用されている身体障害の方が、事務職に応募する場合を想定した例文です。

職務要約

大学卒業後、メーカーの一般事務として5年間勤務いたしました。データ入力や書類作成、電話応対などの業務を担当し、正確かつ迅速な処理を心がけてまいりました。3年前に交通事故により脊髄損傷を負い、車椅子での生活となりましたが、リハビリを経て復職し、在宅勤務を中心に業務を継続しておりました。現在は体調も安定しており、パソコンスキルを活かして貴社の事務部門に貢献したいと考えております。

障害の内容と配慮事項

障害種別は身体障害(下肢機能障害)で、等級は1級です。移動には車椅子を使用しております。

配慮いただきたい事項としては、段差のないバリアフリー環境、もしくはエレベーターの利用が可能な環境をお願いいたします。また、多目的トイレの有無について確認させていただけますと幸いです。

デスクワークにおいては、パソコン操作や電話応対など、上半身を使用する業務に支障はありません。通勤については自家用車を使用いたしますので、駐車場の利用についてご相談させていただけますと幸いです。

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私の強みは、正確な事務処理能力と、状況に応じた業務改善の提案力です。前職では、膨大なデータ入力業務においてミスを減らすために、入力フォーマットの改善を提案し、部署全体の作業効率を20パーセント向上させました。障害を負ってからは、限られた動作の中で効率的に業務を進めるための工夫を常に行っております。また、周囲の方々と円滑にコミュニケーションを取りながら、チームの一員として成果を出すことを大切にしています。

精神障害および発達障害の方の職務経歴書例文

以下は、精神障害(うつ病)の既往がある方が、軽作業やバックオフィス業務に応募する場合を想定した例文です。

職務要約

専門学校卒業後、販売職として3年間勤務しましたが、体調を崩し退職いたしました。その後、就労移行支援事業所に通所し、ビジネスマナーやパソコンスキル、ストレス対処法を学びました。現在は体調も安定しており、主治医からも就労の許可を得ております。コツコツと取り組む作業が得意であり、正確性を重視する業務において力を発揮したいと考えております。

障害の内容と配慮事項

障害種別は精神障害(うつ病)で、等級は3級です。現在は寛解状態にありますが、過度なストレスや長時間労働により体調が不安定になる可能性があります。

配慮いただきたい事項としては、業務内容や手順が明確化されている環境や、突発的な業務変更が少ない環境をお願いいたします。また、服薬管理と通院のため、月に1回程度の半休または休暇の取得をご相談させていただけますと幸いです。業務上の指示は、口頭だけでなくメモやメールなどで形に残していただけると、より正確に業務を遂行することができます。

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私の強みは、真面目に粘り強く業務に取り組む継続力です。就労移行支援事業所では、データ入力やピッキング作業の訓練を行い、無遅刻無欠席で通所を続けました。自身の体調変化には敏感に気をつけるようにしており、毎日の睡眠時間や体調を記録することで、不調の予兆を早期に察知し対処するセルフケアを徹底しています。貴社においても、決められた業務を確実にこなし、長期的に安定して貢献できるよう努めてまいります。

ブランク期間の記載と説明の仕方

障害の治療や療養のために職歴にブランク(空白期間)がある場合、それを隠すのではなく、回復のために必要な期間であったこと、あるいは就労に向けた準備期間であったことを前向きに説明します。

例えば、療養期間中に資格取得の勉強をしていた、就労移行支援事業所で訓練を受けていた、生活リズムを整えるための活動を行っていたなど、次の就労に向けて具体的に何をしていたかを記載します。これにより、ブランク期間が単なる空白ではなく、社会復帰への助走期間であったという印象を与えることができます。

最終確認と提出前のチェック

職務経歴書が完成したら、誤字脱字がないか、日付や数字に間違いがないかを必ず確認します。また、専門用語を使いすぎていないか、誰が読んでも理解できる内容になっているかを客観的に見直すことが大切です。

支援機関の担当者やハローワークの職員など、第三者に添削を依頼するのも有効な手段です。客観的なアドバイスを受けることで、自分では気づかなかったアピールポイントや、より分かりやすい表現が見つかることがあります。自信を持って提出できる書類を作成し、希望する企業への就職を実現させてください。

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人材会社で15年間、転職・中途採用市場における営業職・企画職・調査職の仕事を経験。
社団法人人材サービス産業協議会「転職賃金相場」研究会の元メンバー
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