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特別区の経験者採用に特化した職務経歴書の書き方と、職種別の具体的な例文

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特別区(東京23区)の経験者採用試験は、倍率が高く非常に狭き門です。筆記試験の対策に注力しがちですが、最終的な合否を分けるのは、面接とその材料となる「職務経歴書(および申込書)」の完成度です。

民間企業での実績をそのまま羅列するだけでは、行政官としての適性をアピールできません。採用担当者は、あなたの「稼ぐ力」そのものではなく、その経験が「区民のためにどう活きるか」を見ています。

ここでは、特別区の経験者採用に特化した職務経歴書の書き方と、職種別の具体的な例文を紹介します。

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特別区が経験者に求めている3つの視点

職務経歴書を作成する前に、特別区がなぜ民間経験者を求めているのか、その意図を理解する必要があります。以下の3つの視点を意識してキャリアを棚卸しすることで、評価される書類になります。

  1. 課題解決能力と改善意欲前例踏襲ではなく、現状の課題を発見し、コスト意識を持って改善に取り組める人材かどうかが問われます。「なぜその行動をとったのか」「その結果どうなったか」というプロセスを重視してください。
  2. 多様な関係者との調整・折衝能力行政の仕事は、住民、議会、関係団体、庁内他部署など、利害関係の異なる多くの人々と合意形成を図る必要があります。民間での「顧客折衝」や「社内調整」の経験は、この能力の証明になります。
  3. チームワークとリーダーシップ個人の成果だけでなく、組織として成果を出すためにどのように周囲を巻き込んだかが重要です。係長級や主任級での採用を目指す場合、マネジメント経験や後輩指導の経験は必須のアピールポイントです。

職務経歴書の構成と書き方のポイント

特別区の選考では、専用の申込書(エントリーシート)に職務経歴を記載する場合と、別途職務経歴書の提出を求められる場合がありますが、基本となる構成は同じです。

職務要約(キャリアのあらすじ)

冒頭に、これまでのキャリア全体を200文字から300文字程度で要約します。「誰に対して」「どのような業務を行い」「どのような成果を上げたか」を簡潔に伝えます。ここで「この人の話を聞いてみたい」と思わせることが重要です。

活かせるスキル・知識

行政職で活かせるスキルを箇条書きで記載します。PCスキルや語学力だけでなく、「クレーム対応力」「プロジェクト管理能力」「業務効率化のノウハウ」など、ポータブルスキル(業種を問わず持ち運び可能な能力)を中心に記載します。

職務経歴詳細(逆編年体式)

直近の職歴から遡って記載します。以下の要素を盛り込んでください。

・期間、会社名、事業内容

・配属部署、役職

・担当業務の内容

・実績・取り組み(数値とプロセス)

自己PR(行政への貢献)

民間での経験を、特別区の課題解決にどう活かせるかを結びつけて記述します。

【例文1】営業職から行政事務を目指す場合

営業職の強みである「傾聴力」「提案力」「調整力」を、住民対応や地域課題の解決能力としてアピールします。

職務要約

大学卒業後、住宅設備メーカーにて法人および個人向けの提案営業に10年間従事しました。顧客の潜在的なニーズを引き出すヒアリングを徹底し、単なる物売りではなく、快適な住環境を提案するコンサルティング営業を行いました。また、営業リーダーとして5名のメンバーを指導し、チーム全体の目標達成に貢献しました。これまでの対人折衝能力と課題解決力を活かし、区民の声に寄り添った行政サービスに貢献したいと考えています。

職務経歴詳細

期間:20XX年4月~現在

会社名:株式会社〇〇(住宅設備メーカー)

担当業務:

・既存顧客へのルート営業および新規開拓

・リフォーム提案、見積書作成、施工管理

・クレーム対応およびアフターフォロー

・チームリーダーとしての進捗管理、新人育成

実績・取り組み:

・傾聴によるニーズの発掘と提案

顧客が口にする要望だけでなく、生活スタイルや将来設計までヒアリングを行いました。その結果、顧客自身も気づいていなかった課題に対する解決策を提示でき、顧客満足度アンケートで支店1位を獲得しました。(行政における区民相談や窓口対応への適性)

・関係各所との調整による納期短縮

施工現場において、職人や資材メーカーとの連携を密にし、工程管理を徹底しました。トラブル発生時も迅速に代替案を提示して調整を図り、工期遅延ゼロを達成しました。(行政における多職種連携や事業者との調整力)

【例文2】事務・管理部門から行政事務を目指す場合

事務職の強みである「正確性」「効率化」「コスト意識」を、事務事業の見直しや適正な公金管理能力としてアピールします。

職務要約

IT企業の人事総務部にて8年間勤務し、給与計算、社会保険手続き、採用業務、社内規定の改定などに従事しました。定型業務の遂行においては、ミスゼロを徹底するとともに、RPA導入による業務自動化を提案・推進しました。その結果、部内の残業時間を月平均20時間削減し、コスト削減と生産性向上を実現しました。この業務改善の視点と事務処理能力を活かし、効率的で持続可能な区政運営に貢献いたします。

職務経歴詳細

期間:20XX年4月~現在

会社名:△△株式会社(ITサービス業)

担当業務:

・従業員500名分の給与計算、勤怠管理

・社会保険、労働保険の手続き

・業務フローの改善、マニュアル作成

・法改正に伴う社内規定の改定

実績・取り組み:

・業務プロセスの可視化と効率化

属人化していた業務手順を洗い出し、マニュアルを作成して標準化しました。また、紙ベースだった申請業務を電子化するシステム導入を主導し、ペーパーレス化と年間約100万円のコスト削減を達成しました。(行政におけるDX推進や行財政改革への適性)

・法改正への迅速な対応と周知

労働関連法令の改正情報をいち早く収集し、社内への周知徹底を図りました。難解な制度を従業員に分かりやすく説明する資料を作成し、問い合わせ件数を削減しました。(行政における制度周知や広報活動への適性)

【例文3】SE・技術職から行政事務(ICT推進等)を目指す場合

技術職の強みである「論理的思考力」「プロジェクト管理」「システム知識」を、自治体DXや庁内システムの最適化能力としてアピールします。

職務要約

システムインテグレーターにて7年間、システムエンジニアとして自治体向け基幹システムの開発・保守を担当しました。要件定義から設計、テスト、運用までの一連の工程を経験し、顧客(自治体職員)との折衝を通じて業務課題の解決策を提案してきました。プロジェクトマネージャーとしては、予算管理やベンダーコントロールを行い、納期遵守と品質確保に努めました。ICTの専門知識とプロジェクト推進力を活かし、特別区のDX推進に貢献したいと考えています。

職務経歴詳細

期間:20XX年4月~現在

会社名:□□システム株式会社

担当業務:

・自治体向け住民情報システムの開発・導入

・顧客へのヒアリング、要件定義、仕様策定

・プロジェクトの進捗管理、課題管理

・協力会社(ベンダー)のマネジメント

実績・取り組み:

・複雑な課題の整理と解決策の提示

法改正に伴うシステム改修プロジェクトにおいて、短期間での対応が求められる中、影響範囲を正確に分析し、優先順位をつけた段階的なリリースを提案しました。これにより、業務への影響を最小限に抑えつつ、期限内の対応を実現しました。(行政における複雑な課題への対応力)

・専門用語を使わないコミュニケーション

システムに不慣れな職員の方に対し、図解を用いた資料や平易な言葉での説明を心がけました。相互理解を深めることで手戻りを防ぎ、スムーズなプロジェクト進行を実現しました。(行政における住民や他部署への説明能力)

採用担当者の視点による最終チェック

職務経歴書が完成したら、以下のポイントで最終確認を行ってください。これらは特別区の採用担当者が特に気にかけやすいポイントです。

専門用語を多用していないか

採用担当者はあなたの業界の専門家ではありません。専門用語は一般的な言葉に言い換えるか、注釈を加えるなどして、誰が読んでも分かる内容にしてください。

「利益」を「公益」に変換できているか

「売上を上げました」という実績は素晴らしいですが、それだけでは不十分です。「なぜ売上が上がったのか(顧客の課題を解決したから)」という本質的な部分を強調し、それが「区民の生活向上」や「業務効率化」にどうつながるかをイメージさせてください。

特別区で働く覚悟が感じられるか

民間企業の方が給与が高い場合も多い中で、なぜあえて公務員を選ぶのか。職務経歴書全体を通して、社会貢献への意欲や、地域社会を支えたいという熱意が滲み出ていることが大切です。

特別区の経験者採用は、あなたのこれまでのキャリアを「公共の利益」のために活かす大きなチャンスです。自身の経験に自信を持ち、それを行政の言葉に丁寧に翻訳して伝えることで、合格への道は開かれます。

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人材会社で15年間、転職・中途採用市場における営業職・企画職・調査職の仕事を経験。
社団法人人材サービス産業協議会「転職賃金相場」研究会の元メンバー
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