職務経歴書の「売上実績」はこう書く!採用担当者が会いたくなる数字の見せ方と書き方
営業職や販売職の転職活動において、職務経歴書の中で最も強力なアピール材料となるのが「売上実績」です。しかし、単に売上の金額を羅列するだけでは、その凄さや価値が採用担当者に正しく伝わらないことがあります。
採用担当者は、提示された数字を通じて、あなたの実力だけでなく、入社後に自社でも同じような成果を出せるかという「再現性」を見ています。ここでは、あなたの実績を客観的かつ魅力的に伝え、書類選考を突破するための売上実績の書き方とテクニックについて解説します。
採用担当者が知りたい4つの指標
売上実績を書く際、絶対に外してはいけない基本要素があります。単に「売上1億円達成」と書くだけでは不十分です。その数字がすごいのか、それとも平均的なのかを判断するための物差しが必要だからです。以下の4つの指標をセットで記載することで、実績の解像度が格段に上がります。
期間と目標金額(予算)
いつの、どのくらいの期間の実績なのかを明記します。月間なのか、四半期なのか、年間なのかを明確にし、会社から課せられた目標金額(予算)を併記します。目標があって初めて、実績の価値が測定できます。
実績金額と達成率
目標に対して、実際の結果がいくらだったのかを記載します。そして最も重要なのが「達成率」です。目標1,000万円に対して実績1,200万円であれば「達成率120%」となります。金額の大小は業界や扱う商材によって異なりますが、達成率は業界を超えて通用する共通の評価指標です。
昨対比(前年比)と順位
目標達成率に加えて、前年と比較してどれくらい成長したかを示す「昨対比」や、社内での立ち位置を示す「順位」も有効です。「前年比150%成長」「営業部員50名中3位」といった相対的なデータは、あなたの努力と実力を客観的に証明します。
実績の見せ方を変えるBefore・After
具体的な書き方の例を見てみましょう。情報の解像度を上げるだけで、受ける印象が大きく変わります。
改善前の例
2023年度 売上実績:5,000万円(目標達成)
これでは、その規模感が大きいのか小さいのか、ギリギリ達成したのか余裕だったのかが分かりません。
改善後の例
2023年度 年間売上実績
目標:4,500万円
実績:5,000万円
達成率:111%
社内順位:営業部30名中2位(前年度は5位)
備考:既存顧客の深耕営業により、客単価を前年比10%向上させたことが寄与。
このように詳細に書くことで、安定して目標をクリアできる能力と、社内でも上位の成績優秀者であることが一目で伝わります。
数字の裏側にある「プロセス」を言語化する
数字は結果ですが、採用担当者が本当に知りたいのは「なぜその数字を出せたのか」という理由です。たまたま景気が良かったからなのか、あなたの実力なのかを見極めたいと考えています。
そのため、実績の数字の下には必ず「プロセス(取り組み内容)」を箇条書きで添えるようにします。
新規開拓において、テレアポの件数を倍にして行動量を担保した
既存顧客へのヒアリングを徹底し、潜在ニーズに合わせた別商材を提案した(クロスセル)
失注案件の分析を行い、クロージングのトークスクリプトを改善した
このように「課題→施策→結果」のプロセスを記述することで、新しい環境でも同じように課題を見つけて解決できる人材(再現性のある人材)であると評価されます。
不利な状況や数字が弱い場合の書き方
必ずしも華々しい実績ばかりではないかもしれません。目標未達だった場合や、守秘義務で詳細を書けない場合の対処法について解説します。
目標未達だった場合の書き方
未達の事実を隠す必要はありませんが、書き方に工夫が必要です。例えば、目標には届かなくても「前年比ではプラスだった」のであれば成長率を強調します。あるいは、組織全体が不調で未達者が多い中での順位を示すことで、「厳しい環境下でも健闘した」とアピールできます。また、結果が出なかった原因を分析し、現在どのような改善策を実行しているかを書くことで、PDCAを回せる人材であることを示せます。
守秘義務で社名や金額が出せない場合
取引先との契約により具体的な社名や金額を出せない場合は、規模感が伝わる表現に置き換えます。「大手自動車メーカー」「東証プライム上場企業」といった表現や、金額の代わりに「数千万円規模のプロジェクト」や「達成率」のみを記載するなどして、情報の漏洩に配慮しつつ実績を伝えます。
チーム実績の場合
個人の数字が出にくいチーム営業の場合は、チーム全体の目標と実績を記載した上で、自分がその中でどのような役割を果たしたかを記述します。「リーダーとしてメンバーの進捗管理を行った」「新人教育を担当しチームの底上げに貢献した」など、組織の成果に対する自身の貢献度を具体的に示してください。
職務経歴書のレイアウトのコツ
売上実績は、採用担当者の目に留まりやすいようにレイアウトを工夫します。文章の中に埋もれさせるのではなく、表形式にしたり、箇条書きでリスト化したりして、パッと見ただけで数字が飛び込んでくるようにします。
また、職務経歴書の冒頭にある「職務要約」にも、キャリアのハイライトとして最も自慢できる実績を記載しておくと、興味を持って読み進めてもらえる可能性が高まります。
売上実績は、ビジネスパーソンとしてのあなたの戦闘力を示す最も分かりやすい指標です。正確な数字と、それを生み出した努力のプロセスをセットで記載し、自信を持ってアピールできる職務経歴書を作成してください。





