ブログ運営経験を職務経歴書に書いてアピールする方法

個人で運営しているブログやアフィリエイトサイト、noteなどの発信活動は、転職活動において強力なアピール材料になります。特にWebマーケティング職やライター、編集者、広報、ITエンジニアなどを目指す場合、ブログはあなたのスキルを証明する「動くポートフォリオ」として機能します。

しかし、単に「ブログを書いています」と記載するだけでは、趣味の延長と捉えられてしまい、その価値が採用担当者に正しく伝わりません。ここでは、ブログ運営で培ったスキルをビジネスの成果として翻訳し、職務経歴書で効果的にアピールするための書き方やポイントについて解説します。

個人ブログは強力なポートフォリオになります

採用担当者が知りたいのは、あなたが「どのようなスキルを持っていて」「自社でどう活躍できるか」という点です。ブログ運営の経験は、企画力、ライティング力、Webマーケティング力（SEO）、分析力、継続力といった、ビジネスに直結するスキルの証明になります。

特に実務未経験からWeb業界への転職を目指す場合、職務経歴書に書ける実務実績が少なくなりがちです。そのような時こそ、ブログ運営の経験を詳細に記すことで、熱意だけでなく「すでに手を動かして成果を出している」という即戦力に近いポテンシャルを示すことができます。

ブログ経験が評価される職種とスキル

ブログ運営の経験は、応募する職種によって評価されるポイントが異なります。自身の志望職種に合わせて、強調するスキルを調整することが大切です。

Webマーケティング・SEO担当

最も親和性が高い職種です。SEO（検索エンジン最適化）を意識したキーワード選定、Googleアナリティクスやサーチコンソールを使ったアクセス解析、仮説検証（PDCA）のプロセスが高く評価されます。「どのような意図で記事を書き、どうやって集客し、どのような成果（PVや収益）が出たか」というマーケティング視点を強調します。

Webライター・編集者

文章力や構成力が問われます。読者の検索意図（インサイト）を満たす記事構成が作れるか、読みやすい文章が書けるか、表記揺れや誤字脱字への配慮ができているかが見られます。WordPressなどのCMS（コンテンツ管理システム）入稿作業ができることも、実務において大きなプラス要素です。

ITエンジニア・技術職

QiitaやZenn、個人ブログでの技術発信は、技術力と学習意欲の証明になります。新しい技術へのキャッチアップや、トラブルシューティングの記録、コードの公開などは、技術への関心の高さや、情報をアウトプットして共有できる能力として評価されます。

職務経歴書への具体的な書き方と記載項目

ブログ運営経験を職務経歴書のどこに、どのように書くべきかについて解説します。

記載する場所

本業としてブログ運営を行っていた（個人事業主など）場合は、「職務経歴」の欄に一つのキャリアとして記載します。

副業や趣味で行っていた場合は、「自己PR」欄や「業務外活動」、「スキル・資格」欄に記載するのが一般的です。アピール度合いを高めたい場合は、別紙で「ポートフォリオ」として提出するのも有効な手段です。

必須の記載項目

採用担当者がブログを確認し、スキルを判断するために必要な情報を漏れなく記載します。

• ブログ名とURL： 実際にアクセスして確認できるようにします。
• 運営期間： 継続力を示します。「20XX年X月～現在（約2年間）」など。
• 使用ツール・CMS： WordPress、JIN（テーマ）、Google Analytics、Canvaなど、扱えるツールを明記します。
• ジャンル・ターゲット： 「20代向けの転職ノウハウ」「ガジェットレビュー」など、誰に向けて何を書いているかを説明します。
• 記事数・更新頻度： コンテンツの量と活動の活発さを示します。

採用担当者に響く実績の書き方

「ブログを運営しています」という事実に加え、具体的な成果を数値で示すことで説得力が増します。

PV数や収益を数字で示す

「月間〇〇PV達成」「月間収益〇万円達成」「検索キーワード『〇〇』で1位獲得」といった客観的な数字は強力な武器になります。大きな数字でなくても、「開設半年で月間1万PVまで成長させた」といった伸び率を示すことで、成長性や分析力をアピールできます。

ターゲット設定と課題解決のプロセスを書く

数字以上に重要なのが、その結果を出すために「何をしたか」というプロセスです。

「競合サイトを分析し、情報の網羅性で差別化を図った」「ヒートマップツールを導入して離脱率の高い箇所をリライトした」「SNSからの流入経路を確保するために図解コンテンツを作成した」など、課題に対してどのような仮説を立てて実行したかを記述します。これにより、入社後も同様に課題解決に取り組める人材であると印象づけることができます。

ネガティブ評価を避けるための注意点

ブログをアピールする際には、いくつか注意すべき点があります。

企業の副業規定への配慮

在職中の企業で副業が禁止されている場合、収益化しているブログを大々的にアピールするとコンプライアンス意識を疑われる可能性があります。「趣味の範囲での活動」とするか、副業が解禁されている企業に応募するなど、状況に応じた伝え方の工夫が必要です。

更新頻度と内容の適切さ

最終更新日が数年前だったり、記事数が極端に少なかったりすると、「継続力がない」「飽きっぽい」というマイナス評価につながる可能性があります。アピールする場合は、直近の記事を更新しておくことをおすすめします。

また、公序良俗に反する内容や、過激な政治的・宗教的な主張、愚痴ばかりの日記などは、ビジネスパーソンとしての信頼を損なうため記載を控えるのが賢明です。

まとめ

ブログ運営の経験は、Web時代のビジネススキルが凝縮された立派な実績です。単なる趣味で終わらせず、その裏にある「戦略」「分析」「継続」のプロセスを職務経歴書で言語化してください。あなたのブログが、希望する企業へのパスポートになる可能性があります。自信を持ってアピールしていきましょう。

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人材会社で15年間、転職・中途採用市場における営業職・企画職・調査職の仕事を経験。
社団法人人材サービス産業協議会「転職賃金相場」研究会の元メンバー
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